表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】お局様!三十路OLの転職~株式会社異世界商事へようこそ~  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/72

33

「使い方がわからないから、持たないんですか?80歳のおばあちゃんやおじいさんでも使いこなしてるのに?すぐに覚えられますし、教えてもらえばいいじゃないですか。スマホ教室とかも……」

 と、うっかり思ったことをそのまま口にしてしまって、大いに反省。

 社長がしゅぅんと小さくなっている。

 しまった。

 日本の人と話すのが苦手だって言っていた。もしかして、携帯電話会社はとてつもなく敷居が高い場所に感じるのかもしれない。

 確かにいますもんね。すごく高圧的な店員。

 スマホ使えないんですか?持ってないんですか?と、明らかに見下したような目をする人。ガラケーを使っている人を馬鹿にしたような態度をとる店員。そして、わからないのをいいことに、どう考えても必要のないサービスを提案して契約させちゃう店員。

 ……もちろん、そんなひどい人ばかりではないでしょうが、何度か携帯ショップで見かけました。まぁ、ノルマだのいろいろあって必死な人もいるでしょうけれど……。確かにああいう営業してたら、怖くていけないという気持ちもわかります。

「……って、言うのは簡単ですよね。えーっと、もしかして、何度か触ったことはあるんですか?」

 社長が頷く。

「まりにも、不便だから持てと言われたことが何度か。使い方も簡単だからと……えーっと」

「もしかして、同じこと2回か3回か聞いて、さっきも教えたでしょ!とか言われました?」

 社長が小さく頷く。

 ああ。はい。了解です。

 前の会社でも、新人に教えるときに、教えたばかりのことを聞き返す子がいました。前も言ったよね?と、切れ気味の先輩もいましたが……。

 新人って、本当に右も左もわからない状態で、教えたことも「何を教えてもらっているのか」実はわかってないことがあるんですよね。それで、実際に教えてもらったことを実行しようとして、初めて分からないことに遭遇して、何を教えてもらうのか気が付くみたいな。

 さから、2度3度の説明は普通なんですよね。逆に、繰り返し聞かない子のほうが、間違ったまま作業しちゃってないか心配になるくらいなんですよ。

 ……例えば、書類の保存の仕方を知らない子がいました。保存ボタンの存在を知らなかったんです。フロッピーみたいなマーク。確かに、もうフロッピーは使わないんですけどね。ファイルから保存という文字を出しても保存できるんですけど……。恐ろしいことに、×マークを押すと「保存しますか?」っていう確認メッセージが出るので、毎回それで保存していたという……。保存できないこともないので、誰かに質問せずにずっとそれで作業してたんですよ。逆に「保存ってどうしたらいいんですか?」と聞いてくれればショートカットまで教えて、入力作業中にはちょこちょこショートカットで保存したほうがいいというところまで教えられるんですけどね……。

 スマホも「こうすると電源入るから」って言われても、「電源ボタンを押す」ことで電源を入れたり消したりしていた人間からするとまず「ボタンはどこ?」って思うだろうし。

 そもそも、説明する人は、電源入るというのは、立ち上げるために電源ボタンを長押しすることを説明したのか、スリープしている状態を解除することをさして電源を押すことをさしているのか。間違って長押ししちゃって電源切れちゃうとパニックですよね。いつもどおりに押してるのに画面がつかないとか。あ、充電切れた時もパニックでしょうかね。

 というわけで……。さっき教えたよね?は新人指導には禁句ですよ。3回は同じこと教えるつもりで話をしなければいけませんし、4回目5回目も笑顔で対応。ただし、そんなに繰り返し同じことを聞くということは、聞いた方が楽だと学習してしまった可能性があるので、しっかりメモさせます。メモというレベルではなく、マニュアル的な細かさで。……あれ、この細かくかかせたのが遠回しの嫌味だと感じさせちゃったのかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ