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「スマホの持ち込み禁止というのは知っていますので、スマホや携帯電話でなくても、パソコンのアドレスは?」

「メールは使ってないので」

 ちょっと、待ってくださいね。えーっと、落ち着きましょう。

 使えないというのは、社長が使いこなせないって意味で受け取っていいんでしょうか。

 だって、インターネットつながってますよ?

 近所のWi-Fi電波拾っているわけじゃないですよね。その証拠に、電話機の近くに分配機みたいなものがおいてあり、そこからパソコンにも青いコードが伸びています。これ、有線でインターネットにつながっているんですよね。

「社長、インターネットがつながっているということは、プロバイダとどこか契約していますよね?少なくともプロバイダからメールアドレスを一つ割り当てられていると思うんです。もしかすると、契約内容によっては複数のメールアドレスが使えるかもしれません。とはいえ、会社が仕事として使うのであれば、ドメインを取得してレンタルサーバを借りるなどして独自ドメインでメールも運用した方が」

 社長が立ち上がった。

「ま、ま、待って、涼子さん、待って、えっと、ごめんなさい、あの、全然わかりません」

 しまった。

 また一人でペラペラしゃべっちゃった。本当悪い癖。空気読めないって言われるわけだ。

「すいません、社長。えーっと、とりあえずインターネットが使えるので、メールアドレスはあるはずなんです。インターネット関連の書類は保存してありますか?」

「ちょっと待ってて!電話のそれの説明書とかだよね?」

 社長が部屋を出て行ったので、その間にPCのメールアプリの確認。アプリは入っている。PC買った時に初めから入っているアプリだ。

 アプリを立ち上げると、なにも設定がしていない。

 本当に使ってない……。会社なのに……。そりゃ、電話でやり取りするしかないはずですね。でも、取引先は外国だと言ってませんでした?メールを使わないと不便じゃないんですかね?時差もるでしょうし、そもそも電話は電話代がかさみそうですし。

 ……ふと、相手は王子という話を思い出した。……メールが外部に漏れると問題があったりして?

「なんてね」

 ふっと息を吐く。

 もし、インターネットの契約書類が見つからなかった場合はどうすればいいのか念のため考えておく。書類はなくても何を使っているかはわかっているのかな?あ、毎月の請求書を見ればわかりますか。請求書はさすがに残してあるでしょう。領収書でも何でも構いませんが、申告に必要な書類が見つからないわけないですよね。

 で、請求書見れば分かるはずなんで、問い合わせ先に電話して確認すればいいですね。はい。大丈夫そうです。

 戻ってこないので、ドメイン取得管理会社、レンタルサーバー会社の情報をインターネットで検索。

 ドメインはやはり「.com」でしょうか。それとも海外と取引しているのなら「.jp」と入っていたほうがいいでしょうか。会社がどれくらい費用を出せるのか。毎月の固定費を安くしたいのであれば、安いドメインのほうがいいでしょうか。jp系は少し高い。

 試しに「株式会社異世界商事」なので「isekai.com」「isekai.jp」「isekai.co.jp」などいくつか試してみる。……すべて取得済。

「ありました。これですか?」

 社長が厚み5センチくらいあるファイルを3冊持ってきた。

 パラパラとめくれば、インターネットだけではなくパソコンやコピー機のリース契約書など事務所内にあるいろいろなものの説明書や契約書などが入ってる。

 順番に見ていき、2冊目にインターネット回線契約関係の書類や説明書が出てきた。

 回線はNTKの光系ですね。プロバイダは、昔からある老舗のプラーラ。思った通りメールアドレスが一つ割り当てられてます。

 早速メールアプリに必要な情報を入力。送受信を試す。

 プロバイダからのお知らせメールがたくさん届きました。


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