兄「読書家になるわ」
16作目です
兄「俺、読書家になる」
妹「ふーん、何に影響されたの」
兄「成功者は読書家が多いんだ。読者は成功の鍵だ」
妹「まあ、そうだね。でも兄さん本なんて読めるの」
兄「バカにするなよ、本くらい読めるわ」
兄「今日から一日一冊読む。そしたら年間365冊。これだけ読めば一年後俺はたくさんの知識を身につけている」
妹「一日一冊か」
妹(はっきり言って兄さんには無理だと思うけど、面白そうだからやらせてみるか)
妹「頑張れば」
兄「おう、さっそく書店で本買ってくるわ」
~数時間後~
兄「ただいま」
妹「お帰り、いい本有った」
兄「何も買っていない」
妹「気に入るの無かったの」
兄「いや、興味がある本は何冊かあったんだが、一冊1500円って高すぎるだろ」
妹「あー」
兄「なんで一冊1500円もするんだ、牛丼3杯は食えるぞ」
妹「兄さんの本の価値は1500円もないの」
兄「ない」
妹「読書家にはあるまじきことをさらっと言ってしまったよ」
妹「でも、いきなり1500円くらいの本を買うのは勇気がいるよね。図書館に行けば、無料で本を借りられるからいいんじゃない」
兄「それだ、さっそく行ってくるわ」
~数時間後~
兄「ただいま」
妹「お帰り、いい本有った」
兄「ああ、何冊か借りてきた」
妹「見せて」
妹「…なんか難しく分厚い本だね」
兄「こういう本はいかにも知識を身につけられるからな」
妹「ふーん、じゃあさっそく読んでみれば」
兄「おお」
~10分後~
兄「ダメだ。難しすぎて全然分かんねー。しかもページが多すぎ」
妹「やっぱりこうなったか、いきなりハードル上げ過ぎなんだよ。野球経験ゼロの素人がメジャーリーグに挑戦するようなものだよ」
兄「いけると思ったんだがなあ」
妹「兄さんには漫画がいいと思うけど」
兄「バカ野郎漫画で何が学べるんだよ」
妹「兄さんがいつも読んでいるような漫画じゃなくて、学習漫画のことだよ。これならパパっと読めるでしょ」
兄「まあ、確かに。どんなものがあるんだ」
妹「日本の歴史とか、化学とか」
兄「歴史も化学も興味ないからなあ」
妹「心理学を取り扱った漫画とか」
兄「何、心理学だと。いいなあその漫画読むわ」
妹「なんで」
兄「女にモテるため」
妹「…あ、そう」
~数日後~
兄「よし、さっそく身につけた心理学で女の子をナンパしてくるわ」
妹「行ってらっしゃい」
妹
~数時間後~
兄「ただいあ」
妹「お帰り、どうだった」
兄「誰一人OKしてくれなかったうえに「すみません、あなた全然私の好みじゃないので」って言われた」
妹「あーあ、いくら心理学を学んでもモテない奴はモテないか」
兄「どうしたらモテると思う」
妹「整形じゃない」
兄「そうか。…よし、整形するための金を稼ぐために本をたくさん読もう」
妹「うわ、ループした」
(終わり)