表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バラバラ欠陥じゃーにー  作者: tomatoma
一章 生首とあまのじゃくと旅のはじまり
21/122

トーク集1.リアとトリム

おまけ1

3話の後あたりの会話です。持ち方の話。

 リアとトリムの契約後、黒扉の間にて。


「はい、よろしくお願いします…………えとー」


 リアは膝の上で向かいあう生首に両手を差し出して丸く包むように手を動かして止まる。


「何をしている」


「えーと、私はあなたを持って運べばいいんですよね?」


「不本意ながらな」


「不本意なんだ。では、どう持ったらいいです?」


「俺の視界を遮らなければリアの持ちやすいようにすればいい」


「すいません、なにぶん人の頭部を持ったことがないもので、ちょっと色々試してみてもいいでしょうか」


「ああ」


 とりあえずトリムの顔を正面へと向きを変える。そして両手で挟んで持ち上げ、座ったまま上半身だけを回してロボットのように左右に一度ずつ動いて正面で止まる。


「……………………」


「…………このまま行くつもりか?」


「どう思います?」


「非常に不安だな」


「私もですね。そもそも両手が塞がるしあなたの長い髪で少し滑るしていうか邪魔だし何で男のくせにこんな綺麗な髪してるんですか自慢ですかケア方法を教えてください」


「人の体は質の良い食と睡眠で培われる。手遅れだ」


「おぅ……思いの外真面目な答えが返ってきた……てか手遅れて。髪紐がないのでこのまま行くしかないですけど、手に入ったら結んでいいですか」


「構わん」


「と、なると」


 リアは逡巡した後、恐る恐る左手をトリムの下に、右手を上に乗せて固定し、立ち上がった。左手にはおよそ人の体でない硬さが伝わってくることに安堵した。ふにゃふにゃしていたら嫌悪感どうしようかと。


「こうかな?」


「まあ、俺はいいが、どちらにせよ両手は塞がっているな」


「うーん、そうですねぇ、けど喉元とか持ったら苦しくないですか?」


「いいや」


「……よく分からん……けど生首の時点で理解の範疇は超えてました。ならこう持つのが一番安定感はありますね。右手も空くし」


 トリムの後頭部を左胸につけ、左腕でヘッドロックのように首と頭を固定する。


「そうだな。これならば万が一何かあってもリアの心臓は守れる」


「いや、心臓以外も守ってくださいよ。私はトリムさんと違って体の一部分だけになったら死んじゃう人ですからね?」


「何を言っている、誰でも死ぬ」


「己の姿は……」


「だから体を取り戻すと言っているだろうが。俺は五体満足でただ切り離されているだけだ」


「そ、そう、でしたね」


「分かっていないな」


「う……差し支えあります?」


「……別に、いい。興味がないんだな」


「興味ないというか、理解できないと思うというか、魔術系はとんと疎いものでして」


「ああ、馬鹿なのか」


「辛辣ぅ」

短いのでもうひとつ上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ