ざんこく
ぼっーと、空を見上げていつもの場所で親友の未来を待っている。
丁度、未来がやってきた。
「おはよー!椿っ!ちょっと待ったかな?」
「ううん。今きたところだよ!」
私達はいつもように学校へ向かった。
未来は私と真逆で人から愛され、いつも笑顔を絶やさない。私はそんな彼女が大好きで、唯一の心の支えだった。
彼女から「椿が一番の親友だよ」って言われた事は絶対に忘れないと思う。
未来との出会いは、1週間前の高校の入学式。私が通学中に迷子になったのを助けてくれたのがきっかけだ。私は暗い方だし、誰からも話しかけてくれなかったけど、彼女だけが違った。
私は心を開いていき、お昼も登下校もいつも一緒の大親友になった。
ある日、私は一緒に帰ろうと誘いに未来を探していた。
校舎中を探していようやく、理科室の中に未来がいることに気がついた。
「あっ。未来いたーっ!探し……。」
私は言葉を失った。そこには未来じゃない、未来がいたからだ。
それは人の悪口を言っている鬼のような姿。
周りには、同じクラスの女子たちがいる。
「マジ、あいつ無理。くっつきすぎてウザイし。関わらなければよかったわ」
「てか、未来ー。なんであんな静かな子と仲良くしたの?」
「だって、あいつ友達いなそーだし、パシリにしよーって思ったんだよ」
周りの女子と未来が一緒になって笑っている。
こんなの本当の未来じゃない。
止めなきゃ。
そう思った私は体に勝手に動いていた。
「未来!こんなところで、何してるの!!」
「なにって、誰かさんの悪口だけど?悪い?」
私が来たことに周りの女子はびっくりしてたけど、未来は平然と私を馬鹿にしたような顔で見ていた。
「あのねぇ。もうハッキリ言うけど、今の誰かさんっての。お前だから。いままでずーっと猫被っていい子ずらしてたけど、もう無理だわ。」
そんな。嘘だ…。嘘っ。
「だって、未来は…。未来は…っ…。私の事一番の親友って言ってくれたじゃない…。」
「え?まさか。本気にしてんの?笑わせてくれるわ。嘘に決まってんじゃん。」
「………。」
私は目に沢山の涙でぐしゃぐしゃになりながら、理科室から走り去って校門へ出た。
ずっと、信じていた。
たった2週間だけど、私には親友って呼べる仲間が出来て、行きたくなかった学校が楽しみになった。
なのに…。嘘なのね。
あの笑顔も。あの言葉も。全部。
つらい。
この暗闇のどん底から助けて欲しい。
誰からも必要とされず、もう私の居場所なんてこの世にない。
誰かっ。誰かっ。
「たすけ…て…」
私の居場所が欲しいの。
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