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君の物語
…私を置いて何処に行ってしまったの……。
一人にしないで……。
「……。」
「ねぇ。どこにいるの」
私は誰かを探し続ける。どこまでも…。
理由はわからない。だけど、そこに答えがある気がするんだ。
だから。私はあの時、あの瞬間から。
人生に色がついた。
その答えを見つけるために
私は戦わなきゃいけないんだ。
仲間と自分のために…。
答えを見つけなきゃいけないから
人は変わらなきゃいけない時があるから
―日常―
朝がいつものようにやってくる。
私は3歳の頃行方不明になって帰ってこなくなったお父さんの写真に向かって言う。
「おはよう」って。
父を失くした母は今、違う人と同棲していて共働きで働いている。
だから私はいつも一人…。
こんな事を考えながらテキパキとお弁当を作る。
「今日は上手く卵焼き作れたなぁ♪よし、うまく出来たし学校ついたら、未来にあげよう!」
ウキウキ気分で制服に着替えて身支度を済ませた。
そして、誰もいない家に向って明るく「行ってきますっ」って呼びかけた。