プロローグ
この小説は長編用の物を無理矢理短編形式に分割したものです。変なところで話が途切れる箇所があると思いますがお許しください。
~プロローグ~
地球がまだ生物が住めないマグマの海の頃、地球上に一つの意志が生まれた。
その意志は、何をするわけもなくただ空の上に浮いていた。気が遠くなる年月をかけて意志は、見る事、聴く事、感じる事を身につけた。そして、飽きるほどマグマの海や風の音、暑さを感じた頃には空を自由に行動できるようになっていた。することもないので地球の隅々まで何十周もした頃意志は自分に流れる脈動を感じ取るようになった。それと同じ頃考える事もできるようになった。意志はそれから自分の脈動を使って遊び始めたその姿は子供が新しい玩具を手に入れたように見えた。
そして意思が脈動を使って遊ぶうちに意思は脈動の全てを掌握し自在に操れる事が出来るようになった。その頃には地球はマグマの海から水の海へと変化を遂げていた。意志が初めて綺麗という感情を抱いた瞬間だった。そして意志はこの美しい世界が壊れてしまっても大丈夫なように世界の裏側に自分の中の脈動を使って同じ世界を長い年月をかけて作り上げた。その時には生物が生まれ活動を始めていた。それから生物が陸に生活の拠点を移した頃、意志は自分も大地の上に立ってみたいと思ってしまった。そして意志は自分の脈動を二つに分けオリジナルの世界と自分の作った世界に分け与え、分けることのできなかった人格をオリジナルの世界に残して意志は世界から一度消えてしまった。
そして二つの世界は異なる進化を続け、一方の世界はもう一つの世界がある事を忘れ、かたやもう一方の世界は自分達の世界が偽物だという事に劣等感を感じ矛先をもう一つの世界の住人に向け、その世界の住人を襲い始めた。だがオリジナルの世界も襲い来る脅威に対抗する勢力が現れる。彼らは意思が残した脈動を引き継いでおりそれを足がかりに対抗する手段を身に付けた。そしてこの戦いは長期化する一方その戦う理由が変わり始める。オリジナルの世界の戦う意義は変わりはしなかったが、攻め入る代替品の世界から来る者の理由が変質し、より醜くそして邪になった。一人の力持つ者がオリジナルの世界のしかも何も対抗手段のない人間を襲い生きる為に原動力となる魔力を奪い生贄にして自分の願いを叶えようとし始めたのだ。そしてそれを知った代替品の住人は挙ってオリジナルの世界を目指す様になる。そしてその魔の手にかかり犠牲となり人生を歪められた人々は数えるのすらも不可能な数に膨れ上がった。
そしてこの戦いはまだ終着の兆しは見えず、そして新たにその残酷な運命に引きずり込まんと肥大し続けている。
そしてそれは運命の少年と少女をその内に取り込み、物語は逃れられない終わりに加速して行く。
気軽に誤字脱字報告感想お送りください。