PCU-05-02 再会
世界は、ふたつに分かれていた。
【愛の国(旧男性国家連盟)】と、【新たなる黎明(女性国家機構)】。
数百年以上の時を経て、初めての「国交再開」に向けた第一歩。
場所は、中立地帯に設けられた真っ白な大広間。
左右から、それぞれの代表団が歩いてくる。
革靴の音。
ヒールの音。
乾いた床に、異なるリズムがぶつかり、緊張を煽る。
男たちは、無意識に拳を握りしめていた。
かつて、彼らは捨てられた。
愛されたかった。
助けてほしかった。
だけど、置き去りにされた。
あの日の絶望を、忘れていなかった。
女たちは、静かに彼らを見つめていた。
かつて、彼女たちは耐え続けた。
尊厳を踏みにじられ、命を使い捨てられ、それでも声を上げれば「自己犠牲が当然」と笑われた。
だから立ち去った。
守るために。
自分自身を、未来を。
言葉ひとつ発せられないまま、
代表たちは中央の円卓を挟んで対峙した。
目の前にいるのは、「知らない存在」。
だけど、心の奥底では、
誰もが知っていた。
「……初めまして」
女性側の代表が、低く静かに口を開いた。
男たちは身構える。
反射的に、防衛本能が走る。
だがその代表は、続けた。
「あなたたちを、忘れたことはありません」
一瞬、空気が震えた。
戸惑い。疑い。怒り。希望。
さまざまな感情が渦巻く中、
今度は男性側の代表が、小さく、
本当に小さく笑った。
「――なら、いいさ」
それが、数千年越しの「再会」の最初の言葉だった。
ピンクカプセルが紡ぐ未来 完結
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
明日からは、第一章の番外編を順次3つお届けします!
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