表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ピンクカプセルが紡ぐ未来  作者: つきや
Pink Capsule Universe 04:愛を取り戻せ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/30

PCU-04-02 エリオ②

【リベリオン第二段階――潜入作戦】


 


 エリオたちの反乱軍は、

 夜の闇に紛れて動き出した。


 


 目標は、システム管理局の地方拠点。

 そこには、膨大なデータベースと、

 選別アルゴリズムの一部が保管されている。


 


 「まずは敵を知る。

 この世界を操ってる奴らの、心臓を探るんだ。」


 


 エリオの声に、皆が頷く。


 


 ――負けたら即死刑。

 ――バレたら即粛清。


 


 それでも、

 彼らは一歩を踏み出した。


 


 潜入は、

 まずミナトの工作から始まった。


 


 種付け派として自由に出入りできる権限を、

 偽装コードで拡張し、

 夜間のセキュリティを一部オフにする。


 


 「30分だけ、通路の監視が止まる。

 その間に潜り込め。」


 


 ミナトは冷や汗を流しながら、

 端末を叩き続けた。


 


 ナユタとハルカは、警備兵の制服を盗み、

 自然に紛れる役割を担った。


 


 エリオは――最前線。


 


 情報サーバー室に侵入し、

 データを奪取する任務だった。


 


 管理局の廊下。


 無機質な白い光の中を、

 足音を殺して進むエリオたち。


 


 耳には、ミナトの声。


 


 「次の角、右だ。

 警備パターン変更、カウントダウン、あと……25秒。」


 


 ハルカが、拳銃を隠し持った手を握りしめた。


 


 (来いよ、システムの犬ども。)


 


 しかし。


 警備兵は来ない。


 


 ミナトのハッキングが、完璧だった。


 


 エリオは、

 サーバールームの冷たいドアに指をかけた。


 


 電子ロックを解除する。


 心臓の鼓動が、うるさい。


 


 ――カチャ。


 静かに、扉が開いた。


 


 【サーバールーム】


 


 そこは、想像以上の情報の海だった。


 巨大なタンク。

 生体データ。

 交尾記録。

 出生管理。

 カップル選別プログラム。


 


 律と透真の記録も、ここにあった。


 「反抗因子:要監視対象」

 「遺伝的異常:愛情遺伝子活性化」


 


 エリオは、手が震えた。


 


 (やっぱり、最初から……!)


 


 システムは知っていた。

 "愛"というものが、どれだけ危険かを。

 だからこそ、愛を持つ個体は「異常」として分類され、

 淘汰されてきたのだ。


 


 「エリオ、急げ!残り15分だ!」


 


 ミナトの声が飛ぶ。


 


 エリオは、

 律と透真の記録だけでなく、

 他の"異常個体"のデータも全てダウンロードした。


 


 (同志になりうる奴らが、まだ……いる。)


 


 希望は、絶対に無駄にしない。


 


 帰路。


 


 監視ドローンの赤い目が、廊下を舐めるように動いている。


 


 ナユタが小声で指示した。


 


 「……壁沿い。死角を進め。」


 


 エリオたちは身を低くし、

 ドローンの視界をすり抜ける。


 


 あと少し。


 


 あと少しで――!


 


 「――侵入者、発見。」


 


 機械の声が、

 廊下に鳴り響いた。


 


 ミナトが叫ぶ。


 


 「走れ!!!!!!!!」


 


 銃声が、響いた。


 


 警備兵が飛び出してくる。


 


 ハルカが即座に応戦。

 ナユタもカバーに回る。


 


 (こんなところで死ねるか!!!!)


 


 エリオはデータを抱え、

 全力で走った。


 


 出口の扉が開く。

 ミナトが待っている。


 


 「こっちだエリオ!!!!」


 


 全員が飛び込む。


 


 直後、

 後ろで爆発音が響いた。


 


 【拠点、帰還】


 


 エリオたちは、

 ボロボロになりながらも、データを持ち帰った。


 


 ノートPCの画面に、

 赤く警告が点滅している。


 


 《異常個体数:計112名》


 《潜伏中:45名》


 《行方不明:12名》


 《反乱因子レベル:上昇中》


 


 エリオたちは、顔を見合わせた。


 


 「……やれる。」


 


 ミナトが笑った。


 


 「仲間は……いる。」


 


 ナユタが涙をこらえながら拳を握った。


 


 「俺たちは、一人じゃない。」


 


 ――夜明けが、近い。


 


 【潜入作戦:完了】


 【次フェーズ:感染拡大――愛の伝播】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ