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8 【靴屋の小人】
おじいさんの店で靴を作るのは本当に楽しかった。
仕事熱心なおじいさんを陰からこっそり見ていたけれど、朝から晩までずっと靴作り。
おじいさんも年なので昔みたいに1日で靴を作るのは無理そうだ。
僕達で少し助けてあげようと、おじいさん達の寝ている間にこっそりお手伝い。
朝になると完成した靴を見て驚いているおじいさん達、いい仕事が出来たかな?
こんな日々も楽しいなと秘密のお手伝いが数日続いたある日、おじいさんの仕事場へ行くと
僕達のためにと洋服が置かれてある。
どうやら深夜のお手伝いを見られたみたいだ。
嬉しいな!こんな素敵な洋服が着れるなんておじいさん達はやっぱり素敵な人なんだ!
嬉しいけれどこれで僕達の仕事はおしまい。魔法はね、誰かに見られるととけちゃうんだ。
でもおじいさん達なら大丈夫、おじいさん達の仕事を僕達はずっと見てきたからね!
やっぱり寂しいな、あとちょっと、もうちょっとここでお手伝いしたかった。
さて、次はどこの靴屋に行こうかな?