表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/22

6 【カチカチ山】

あのたぬき程酷いやつは他に居ないだろう。



普段からおじいさんの悪口を言ったり畑を荒らしたりした事は聞いていたが、ついにおばあさんを殺したそうだ。

落胆しているおじいさんでは仇はうてないだろうから私がやろう、いや私にしか出来ない。



手始めにしばかりに誘ってみた、意外なことに素直についてくるではないか。

これ幸いとたきぎを背負ったたぬきのたきぎに火をつけてみると大やけどをした。


次の日、やけどのための薬としてとうがらしを練ったものを持っていき塗りこんでやる。

よく効く薬は痛いものだといい更に塗ると気絶してしまった。


数日後、たぬきの背中が治ったと聞いて一緒に魚釣りに行かないかと誘ってみる。

今度も快諾してくれたから私は木の船に、たぬきを泥船に乗せ海へ出た。


思い通りあのたぬきは海に沈んでいった!「おばあさんを殺した罰だ!」


これでたぬきがおじいさんに悪さをする事はない事を言いに行こうとしてふと思う

私の行動はやりすぎてないか?

確かにあのたぬきを痛い目をあわせることは出来たし、おばあさんの仇も討てた。

もう2度とあのたぬきにおじいさんが困らされることも無くなった。



だが私が悪いやつだと思っていたあのたぬきと同じ事をたぬきにしてしまった。



そもそもあの時おじいさんは私に仇をうって欲しいと頼んだだろうか?

悲しむおじいさんの姿を見て私の正義感が動きたぬきを沈めるまでやったが

これは解決なのか?たぬきとしっかり話し合い改心させる方法もあったのではないだろうか?



今の私はあのたぬきと同じ、いやもっと酷い畜生になってしまったのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ