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5【オオカミと七匹の子山羊】

息が苦しい!体に力が入らない!

俺の腹の中にある石のせいだ、この重さじゃこのまま泉の中で溺れてすぐに死ぬだろう。


せめて子羊を1匹でもしっかりと食べていれば...いや、1匹や2匹食べていたところで変わらなかったか。

確かに俺は子羊を6匹食べた、だがそれの何が悪いのだ?

生きているなら飯を食わなければ生きていけない、俺より小さな小鳥やリスだって飯を食っている。

それなのになぜ俺が子羊を食べた事は悪とされるのだ?


子羊を騙して家に押し入った事?あの家の子羊達を6匹食べた事?

あれは狩りだ、狩りのために自分の知恵と力を使って食事にありつこうとするのは当然のことだ。


肉を食べずに生きる動物も居るが俺は肉食として産まれたのだから肉を食べようとする事の何がおかしい?

あの山羊達みたいに草や葉、果実を食べても腹が膨れないのだから仕方ないだろう。


俺より強い動物に俺が食われるなら仕方ない、弱肉強食、それが野生だからな。

だが俺より弱い動物を狩り、食べただけなのに俺が死ぬのはどういうことだ?

かすかに聞こえる山羊達の声は俺が溺れて死ぬことを喜んでいるが、最期に聞くのが食べ損ねた山羊達の声とは忌々しい事この上ない。



飯を食う時はしっかりと食え、俺から言える最後の忠告だぜ。


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