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16【人魚姫】

恋は盲目とはいうが、泡になって消える恋をなんといえばいいのだろうか。



彼女の姉妹から聞いたが人魚姫が人間の王子様に恋をしたらしい。


人と人魚の住む世界は違う。

人魚が人になる魔法を知っているけれど海で育ち、海で生き、海で死ぬ私達と

彼等では共に居られないことをあの子は知らない。


子供の夢と切り捨てる方がいいのか?それとも儚い夢を見せてやる方がいいのか?


答えが出ないまま彼女は私の所へやってきて


「人間にして欲しい」


やっぱりその願いを口にした。


結局答えが出せなかった私は人魚姫の声と自由を対価に人間にした。

自慢の声を捧げても王子様と会いたい彼女の決心は変えられそうになかった。

王子様と結婚出来なければ彼女は泡となって消える、それほど人間との恋は素晴らしいものなのだろうか?


しばらくして姉達がやってきた、王子様の結婚が決まったと。

相手は命の恩人と勘違いした隣の国のお姫さまだった。


「このままではあの子は泡になってしまう、人魚に戻してほしい」


と頼むので愛する王子様を殺すことで人に戻れるナイフを渡してやった。

でもあの子には無理だろう、声と自由を捧げても人間と共に居ることを望んだ彼女に王子様を殺めることが出来るだろうか?


ナイフが戻ってきた、血のついてない綺麗なナイフが。


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