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11 【しらゆき姫】
忌々しい、本当に忌々しい娘だ!あの娘さえ居なければ私が1番美しいのに!
私は妃なのだ、王様である夫にも見初められた美貌の持ち主だし、世界で1番美しい自負もある。
それなのに鏡は
「世界で1番美しいのはしらゆき姫」という。
どうしても我慢ならないから猟師を雇ってしらゆき姫を撃つように命じた。
やっと不快な者が居無くなったと思えば、鏡は
「七人の小人の家に居るしらゆき姫が1番美しい」と言う。
あの猟師め、嘘の報告をしたな!
直接死ぬところを見ないと安心出来ないと手作りの毒りんごを持ってしらゆき姫のところへ向かう。
目の前で毒りんごを食べ死んだあの娘を見て今度こそやったと達成感に包まれた。
これで私が1番美しいのだと!
ところが城に戻ってみると鏡は言う
「道に迷った王子様と1緒に居るしらゆき姫が1番美しい」
ここまでやってもダメだった、しらゆき姫がこの世で1番美しいのは変えられないのか...
人は若く美しいしらゆき姫に嫉妬した醜い妃と言うだろう。
それでも1度だけでいいから「世界で1番美しいのはあなたです」と言って欲しかったのだ。