作戦会議、またはデートプラン構築
霊美ちゃんが他の女子とどんなふうに話すのか
気になってしばらく様子を見ていたけど、
なんだかかなり気まずそうにしている。
流石に可哀想になってきた。
「やっほー、お待たせ」
「すみれさん!ちょうどよかった、
早速作戦会議を始めましょう」
霊美ちゃんの曇った顔が晴れてよかった。
「はーい」
「皆、作戦を一つでも考えてきたかしら」
「うん!」
「もっちろーん」
「ではまず私から」
今のうちに話し方を考えておこう。
「見る限り彼女、
桐谷さんは部活や委員会の活動に追われていて、
平日の放課後はとてもじゃないけれど、
拘束できるような状況じゃない。できたとしても、
各方面に損失を被ってもらうことになるわ」
「そうそう、
だから私休日のプラン考えて来たんだよね」
霊美ちゃんと同じ考えが持てて嬉しい。
「私もー」
⋯。
「そこは共通認識があってよかったわ。
ということで私の案はテーマパークよ」
「テーマパーク?」
「そうよ」
霊美ちゃんから出てくる言葉としては
想像もつかなかったが、
聞いた途端急にワクワクしてきた。
「テーマパークで休憩と称して佐倉さんには
桐山さんと一緒にベンチに座ってもらい、
私達はその近くで隠れて除霊を行うという作戦よ」
「おー」
限りなく魅力的な作戦⋯だけど。
「霊美ちゃんとテーマパークに行けるのは
凄く嬉しい⋯んだけど」
「だけど?」
「私たちの除霊ってほら、
企業秘密的なとこあるじゃん?だからその、
大勢の前でやるのはなあって⋯」
「あら、
テーマパークの雑踏で音も多少紛れるだろうし、
見られたって悪いことは疑われないと思うわよ?」
恥ずかしげもなく霊美ちゃんは言い切った。
私が霊美ちゃんを沢山辱めたせいで、
変に耐性が着いてしまったのかな。
「それにテーマパークなんて、
入るだけでも霊は弱りそうなものじゃない?」
「それは、確かに⋯」
思わず納得してしまった。
「次にすみれさん、お願いするわ」
「あ、うん。私の案はね、神社で歩いてる二人を
見守りながら除霊する方法だね。
神社だと桐谷さんもそう速くは動けないだろうしね」
「神社でよそ者が除霊するのはその、
どうなのかしら⋯」
「それは⋯誰にも見られてない瞬間にこっそり⋯」
かなりバチあたりだけど、
見られる人数が比較的少ない分、
霊美ちゃんの案よりは恥じらいがあるだろう。
「まあ、妙案ではあるわね。次、佐倉さん」
「はーい、私はねー、
ショッピングモールがいいと思うの」
「ショッピングモール」
「うん、実はここに来るまで
なんにも思いつかなかったからー、
二人の意見を参考にして間をとってみたのー」
「自分の依頼で案を考えてこないのは
感心しないけれど、意見は妥当な方ね」
「ありがとー」
「そこまで褒めてないわ」
いつの間にか
佐倉と霊美ちゃんが仲良くなっている。
様子見するべきではなかったか。
「誰の案採用する?」
「そうね、
どれも一定の成果は見込めそうだから悩むわね」
「ね」
「いっそのこと、全部やるっていうのはどうー?」
佐倉が元気よく手を挙げている。
「全部⋯確かに、
依頼に佐倉さんが求める以上の緊急性はないし、
諸経費を考えなければそれがいいかもしれないわね」
諸経費の部分がかなり重い気もするけど、
テーマパーク以外なら
飲み食いもそこまでかからないのかな。
「佐倉さんは金銭的に大丈夫なのかしら?」
「私は大丈夫ー。
カード払いにするから依頼料は問題なし」
気が抜けているように見えて、
案外ちゃっかりしているみたいだ。
こういう人間はだいたい裏の顔があるけど、
まあ今回はそこまで深入りしないし大丈夫かな。
「予定はどうしましょうか?
テーマパークは別の日に、
神社とショッピングモールは同じ日に収めるとして、
いつぐらいが空いているかしら?」
「私は平日に振り替えれば土曜のバイト休めるかな」
「私はバイト平日―」
「なら今週か来週の土日がいいわね、
なるべく早い方がいいということだったから、
今週の土日はどうかしら?」
「それでお願いしていいかなー?」
「了解、土曜日にテーマパーク、
日曜日に神社とショッピングモールにしましょう」
改めて結構ハードなスケジュールだ。
「そろそろ時間でしょうし、
ここら辺で解散しましょうか。
私たちは細かく作戦を組み立てるから、
佐倉さんは桐谷さんに連絡をお願いね」
「わかったー」
「行きましょうすみれさん」
「うん」
驚くほど簡単にそれらしい解決策が出来上がった。
やはり除霊は安全に限る。
前回のは時間がなかったから危険を
侵すしかなかったけど、
今回はそんな心配は微塵も必要ない。
できればずっとこういう依頼がいいな。
「今回は、なんか上手くいきそうな気がする」
「奇遇ね、私もよ」
「えへへ」




