ガチャ
気づけば朝になっていた。
カーテンから朝の日差しが当たる。
ソラト「朝の時間だよ。未来の救世主…じゃなかった。オウスケ君。」
頭の中から昨日聞いた声が聞こえる。
昨日の太陽神?天使?は本当だったのか。
うとうとしながら目が覚めて身体が勝手に動き出す。
母「あら。自分から起きるなんて珍しいじゃない。朝ごはんまだ途中よ。」
母の声が聞こえた。
頭がぼーっとしている。
ソラト「何ぼーっとしてるの!今日は大事な日なんでしょ?君の記憶から色々学ばせて貰ったよ。」
目の前に羽の生えた男の人が立っていた。
オウスケ「えっ…昨日の!?!?やっぱ本当だったんだ。てかどこから家に入ったの?いや確か昨日口の中に…?」
言葉を遮るようにソラトが話す。
ソラト「安心して!僕は今…霊体なんだ。話せば長くなるんだけど僕の身体は天界にいる時からもうボロボロでね。魂…ってか精神だけを君に憑依させて貰ったってわけ!僕の肉体は昨日あった場所に保管させて貰ってるよ。あの場所は悪魔マモンの結界場所だからね。…っとその話はまた今度話すよ。
つまり僕は今、霊体だから他の人には見えないわけ!だから他の人から見たら君は独り言を喋ってるように見えるから注意したほうがいいよ笑!まあそのうち僕のスキルが身について精神世界で話せるようになるからそれまでは小声で話そうか。…と君は今日学校で大事なイベントがあって忙しいんだろ?また今度話そうか。今は準備をしたほうがいいよ」
そう言ってスーっと白い霧のようなものが出てソラトは消えていった。
オウスケ「昨日の出来事本当だったんだ。てか天使とか言ってたけどこの世に天界とかあるんだ…科学の世界なのに魔法とか使えたりして…。いや電脳世界で魔法は使えるから意味ないのか。」
母「朝ごはんできてるわよ!早くしなさい!」
オウスケ「てかもうこんな時間じゃん。朝ごはん食べて学校行かなきゃ。」
そう言って朝ごはんを食べお手伝いロボットに補助され電脳世界へ再び来た。
ここは電脳世界
案内ロボット「オウスケ様!お疲れ様です。今日はチップについての説明とチップの支給があります。皆さんほぼ集まっています。どうぞこちらへ!」
そう言って教室にやってきた。
周りを見ると色々な人がいた。過去の文献では毎年の出生率はたくさんいたがこの時代の毎年の出生率管理の為毎年100人しか子供を産まれないようにした今の世界・制度は大丈夫なのかと思う。
そう思っていると校長ともう1人女性の方がいた。
校長「オホン!皆の者。このお方は君たちの担任じゃ!リサ・メビウスと言う!自己紹介を頼む」
リサ「どうもリサ・メビウスです!これから卒業まで宜しくね!」
とってもあっさりしている。
だがとても綺麗な人だ。
そう思ってたらロボットがやってきた。
ロボット「今日はチップについての説明をします。あと昨日言いましたがチップも後で配ります。配ると言っても電脳世界でのチップの獲得は色んなパターンがありますがここでの配ると言うのは己の運で決まります。つまりガチャです。ガチャを引いて運に選ばれたスキルを獲得してください。他にもチップを得る方法はあります。ショップで買う。NPCモンスター等と戦闘をして素材を集めて作る。NPCキャラ・ボスなどと戦いチップを獲得する。持っているチップのスキルのレベルを上げて新しいチップを獲得する。ガチャを引くなどです。他にもありますが今は割愛しましょう。」
校長「とりあえず善は慣れじゃ!ガチャルームに移動する!そしてガチャ機をここに召喚するぞい!」
そう言って校長が足を鳴らして全員がワープし指を鳴らすと目の前にガチャガチャが現れた。
校長「では順番にガチャを引くが良い。」
ガチャガチャの目の前に"今回"の目玉チップと言うのが書かれている。どうやら毎回ピックアップが違うようだ。四神"朱雀" "白虎" "玄武" "青龍" と書かれている。小さくシークレットあり?なんだこれは。
ロボット「チップにはレアリティがあります。レアリティは使用する事や合成・進化する事によって上がります。ここでのガチャで獲得するチップにはR、SR、SSRがあります。この電脳世界ではSSRが最強です。SSRのチップは更に進化できるので運良く手に入れたら最強ですね!」
リサ「ガチャの結果がどうあれ。チップはこの先たくさん手に入ります。だからみなさん良いスキルが出なくても大丈夫です。ここ(ガチャ)にあるチップはほとんど電脳世界で手に入るので問題ないです!」
その後ロボットの説明が終わり1人ずつガチャを引いて行くことになった。
アマノ・アメ「うわっ!SR?スキルは水?」
ウール・ドーラ「R…硬化スキル…強いの?」
キャプテン・ジョーンズ「SRだぜ!特級釣りマスターの加護?戦闘用じゃねーじゃん」
クック・ルー「Rじゃん。お料理スキルかあ」
チャー・シュー・メン「Rですね…はあ…。てかこれ何?スキルじゃなくて武器??槍なんですが…でも強そう。」
マリュウ・ナイン「SSRだー!やったー!!魔剣グランドアースって言うのね!最高!」
校長「魔剣グランドアース…この武器は強いぞ。武器を振りかざすと特殊攻撃もできるし身体能力も上がる。何より地面にさすと土属性攻撃もできる最強装備じゃ。おめでとう!」
次々と他のクラスメイトがガチャを引いていく。銅色のカプセルがRで銀がSRか。そしてSSRは金色か。みんな色々なスキルを手に入れてるなあ。まあスキルなんて他でも手に入れれるらしいし俺も気楽に引くかな。
そう思ってたら俺の番になってきた。
オウスケ「さて!引くか。」
そう言って歩くと心の中に声が聞こえてきた。
ソラト(いつの時代もガチャは不正だらけだよ。ふふふ。僕が手を貸してあげるよ。霊体化でここの周りは一通り見た!あそこがコントロールルームだな。)
俺はソラトの声を聞いて小さく呟く
オウスケ「ガチャが不正?でもガチャって運だからそれはないんじゃない?もし不正な事したら問題なるでしょ」
そう呟いてガチャを回す。
カプセルから出てきたのは虹色だった。
オウスケ「これは?あきらかに他のカプセルとは違う。それにSSRなら金のはず?まさかレアリティNとか?」
そう言ってカプセルを開けた。
一方同じ時間にコントロールルームでは…。
ロボット「は?は?は?ど、ど、ど、どうなってる?なんでシークレット出た?これはユニバース卿の子用にセットしたのに。」
???「おい!どういう事だ。システムの不具合か?あんな一般人に最強チップを渡すな。とにかくシステムの不具合と校長達に伝えてメンテナンスしろ。とにかくカプセルを開封されたら終わりだ。チップを戻す事もできねえ。早く伝えろ。」
ロボット「は、はい。わ、わかりました」
そして場面は戻る。
校長「おお。すごい。まさかSSRのシークレットが出るとは。召喚獣の麒麟じゃな。これは最強だぞ。お主。運が良いの。ちなみに限定チップは電脳世界に1つしかないからこれはすごいぞ。限定チップは売る事も出来ないし捨てる事もできない。所持者が完全に死んだらその限定チップは電脳世界のどこかに復活するがのう。」
オウスケ「本で読んだ事がある。四神…それは朱雀・白虎・玄武・青龍がいるって。だけど実は裏にもう1体いたという。それが麒麟!!その5体の霊獣が集まって五霊という。五霊の中では最強とかないとか。」
ん!?!?てかこれってまさか不正?あの天使が何かしたんじゃ。だ、だいじょうかこれ。
と心配しているとガチャガチャから煙が出てきた。
そこに別のロボットが現れた。
ロボット「すみません。不具合出たんで一旦ガチャはメンテナンス入ります。すぐ直るので少々お待ちください。」
そう言ってロボットは俺をじーっと見てくる。
コントロールルーム
一方その頃コントロールルームには人が13人と特殊な形のロボットが数台いた。
???「ふむ。遅かったか。麒麟を当てた者はカプセルを開いたか…。仕方ない。」
???「まあユニバース卿のせがれには万能の朱雀か最強の青龍を与えれば良いだろう。ユニバース卿も多分許してくれるだろう。お怒りだろうが。」
???「まさかユニークチップが2つも無くなるとは思いもせんだな。」
???「白虎と玄武は過去に排出されたからないとは言え…。どこぞの馬の骨に麒麟を取られユニバース卿のせがれに朱雀か青龍を取られるとは…。」
???「察しのいい校長がこのシステムメンテナンスでガチャ=不正を気づかなければいいが…」
???「所詮は雇われの身。大丈夫だ。」
そして場面は戻る。
次々と生徒がガチャを引いていき終盤になった。
ユニバース・エイリ「僕の場合だね。」
そう言ってガチャを引いたら金色のカプセルが出た。
校長「おっ!これは四神朱雀じゃな。今年のこのガチャ限定チップを2人も当てるとは今年はすごいのお。
四神朱雀は強いぞ。万能じゃし最強のヒーラーじゃ。運がいいのお。」
そして時は過ぎ最後の1人もガチャを引いてガチャは終わった。
その後チップの使い方を教えてもらい今日の学校は終わった。
ステータス画面を開いてチップを選択するだけで使えるとは便利だ。
しかしソラトが言っていたガチャというのは不正があるのだろうか。
今はシークレットの麒麟を当てた事で喜びが止まらない俺は現実世界に戻るのであった。