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56.個人戦は控室とともに



おひさしぶりです

新作、並行して描いてる作品の追い上げなどなど、色々重なってだいぶ投稿遅れちゃいました。すいません。

これから年末に差し掛かるのでまだ休むかもしれません……。










 B組の〔ミニゲーム〕の途中から抜け出してきたわけだが、B、C、Dの結果が気になるな。



 まぁ十中八九、練治や堀那、二色は一回戦を突破するだろう。



 CD組は、そもそも知っている人間が少ない。


 D紙に生徒代表挨拶をしたあの浦見 心汰がいるくらいだ。




 ……そういえば、あのトイレを邪魔してきたあたおか女、A組でもB組でも見てないってことは、CD組にいるか、個人戦には出てないかだよな。





 たぶん個人戦がエントリー制なのは、生徒以外の募集も受け付けたかったからで、別に生徒はエントリーしなくてもいいというわけではないだろう。




 真面目に考えれば、エントリー制ではあるけど生徒は必須、という形だろうか。





 だから、彼女はこの学校の人間じゃない可能性だってある。


 そもそもこの学校の生徒なら、【特待生】は特定するのがスタンスのはずだ。





 それがなんだ?『自分に相応しい人間っぽそうだから自分の下に欲しい』だぁ?


 やっぱりこの高校の生徒じゃない気がしてきたわ。







「にしても、みんなはみんなで緊張してるな」



 もう負ける気マンマンの純也はお気楽そうに喋った。


「……なんか、賑やかだよね」





 控室の雰囲気はピリピリしているかと思ったが、案外フラットであり、みんなでどうするかはしゃぎ合っている。




 当然か、元々はこの行事は体育()だ。




「祭りなのにこんなにしみったれた雰囲気で警戒オーラを出してるからこんなにピリピリとした行事になっちゃうんだよ」



「だぁー!分かってるようっさいなぁ!!」





 僕の背後から顔をひょっこりと出した国満から言われる。



「てかお前、結局夏樹はどうなったんだよ。アイツ、審査員に引っ張り出されただけか?」



「そうみたいだね。僕としては自分の執事を勝手に使われたことで腹が立ちまくってるよ」


「案外器小せぇのなぁ」





 今の国満は腹が立ってるからか、額に青筋を浮かべ、一挙手一投足が少し荒めに振るわれている。






「…くだんねぇ。早くお前ぶん殴ってやりてぇわ」




 そう言いながらこっちに近づいてきたのは、山岸 春太である。





「すげぇ厨二病だな。早く病院に行かないと悪化するぞ」


「よし、最初に死ぬのはお前だ覚悟しろ」





 やはりまだ負けを認めていないからか、国満からの言葉に関しては過剰に反応するようになっている。



 もしかしてこれ、国満と春太で僕を取り合ってる構図!?




「やめて!僕のために争わないで!!」



「「いや意味わかんねぇ」」


 うん、僕も。









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「……男子どもはにぎやかだねぇ〜?」



 未来はベンチに座ってる菜々に向かって語りかける。



 菜々はさっきからずっとある一人だけを目で追っていた。




「そんなに帝が気になるわけ?アイツそんなに良いところある?」




「あるに決まってるでしょ」


「幻想抱いてそうだな〜……」




 未来は心配そうにしながらも相談に乗る。






「彼はね?今はあんなだけど、困った人を見過ごせない、お人好しみたいな性格してるのよ。いつでも他人第一みたいな行動しちゃって、それでみんなから怒られちゃうんだから」


「昔会ったことあるの?なんか、入学式の感じ見る限り初対面っぽかったけど」


「当然よ。だって…………そう、記憶喪失だし」




「そういえばそうだったわね。自然すぎて忘れてたわ」


「記憶が戻ってない状態でこんがらがせちゃったら悪いしさ。それに、記憶を戻すきっかけになるような出来事があれば、思い出してくれたり、少なくとも記憶を戻すような努力をし始めると思うんだ」



「だから今は、愛しの彼が記憶喪失をどうにかするまで自分は何もしないの?カァ〜!だからあんなヤンデレが引っ付くんだからね?まぁアレは春太の被害者なだけだけど……」




「そういえば、同じ中学なんだっけ?二色さんと春太くん」



 ベンチに座ったまま前傾姿勢になり、制服の胸部がミチミチと音を出す。



 何人かの男子がチラチラ見出したかと思えば、未来はすかさずその間に入る。


「噂ではカップル……もとい主従関係だったらしいよ。高校入ってからは有耶無耶になって、その間に帝がぶっ飛ばしたって」







「ほら。まーたそうやって、無自覚に人を救っちゃうんだからね〜」


「あーぁ、幻想しか見えてねぇなこりゃ。何言っても無駄かも」







 そう言いながら、未来は呆れて違う友達の様子を見に行った。




「…………でも、その程度の接点で私から帝を奪おうなんて、いい度胸じゃない?」










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