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53.個人戦は静観と共に





「みなさん!体育祭2日目、相変わらず盛り上がってるかぁ〜!?!?」


「「「「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」」」





 生徒たちが抱える不安や緊張、怒りを置き去りにして、体育祭の会場は相も変わらず大盛り上がりだ。



 体育祭個人競技の種目は、“最初だけ二人一組”という情報以外はなんの情報も入ってきていない。


 リーク情報や裏で取引されている情報もあるにはあるが、そういったやつは危険が高いし信憑性も薄い。



 ちらっと見たことはあったが、本当に陰謀論めいたものだった。



 大体なんだったんださっきのリーク情報の『二人一組はその二人で争わせるために組ませた説』とか。


 そんな友達の仲を悪くさせるための種目、入れるはずないだろう。倫理的に。




「それでは早速ぅ〜、まず最初の種目の発表から行きましょうか!」


「「「「「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」




 司会者の声に合わせていちいち観客が沸き立つ。


 すこし静かにしてほしい……。




「最初の種目はこちら!!デデン!!!」



 司会者が映っていたスクリーンに文字が表示される。



 そこには………。






「『ミニゲーム』………?」


 これもしや………。





「今回の体育祭個人種目では、5組ずつ会場の特設ステージに上がってもらい、各組ごとに、ステージ上にあるミニゲームで一対一のガチバトルを繰り広げてもらいましょう!!」




 各組一対一………。




 つまり、あの倫理観のないリーク情報そのまんまじゃねぇか!!



 まぁそうだよなぁ所詮教師長の余興、性格の悪いシステムが出てくることなんて当たり前だったんだ。


 そりゃもう、この学校の奴ら全員孤立させて友達いなくならせる感じのあれだよなぁコレ……。



 ……そうじゃん。


 教師長の狙いはそれだよ。




 初めから奴らは、生徒を「実験材料」としかみてないんだから。



 生徒の感情がどうなろうが、いや。


 生徒の感情が乱れれば乱れるほどあらゆるデータが取れて教師長たちは大満足だ。




 それに、真の目的を未来からリークされそうになったから、その情報の信頼性を無くそうとして、生徒間の情報の共有を不安定にさせようとしている。





 あまりに手遅れだが、対策としては良好だろう。



 まぁ、こうなることを勘定にいれてチームを組んだ奴は数人見受けられる。





 例えば、春太。



 春太のペアは田中 模武(もぶ)くんだ。



 模武くんはそこまで運動が得意なわけでもないし、頭が切れるわけでもない。


 【特技】がなんだったかは忘れたけど、イマイチパッとしない【特技】だった気がする。


 アイツが、一緒に戦うパートナーとして彼を選ぶとは考えにくい(余ってる人をテキトーに選んだ可能性も否定できないが)。




 あと他には、練治や堀那。




 アイツらは元々八百長で行くつもりだったのか、テキトーな取り巻きを数人集めて見せかけだけ勝利を演出しようとしていたようだ。


 まぁ、そんなことせずとも勝てる状況になったわけだが。




 チラリと菜々の方を見ると、ペアと真っ向勝負で戦おうと握手していて、未来の方をチラリとみると勝ちを譲られて未来は大喜びでそれを享受していた。


 いや、未来の友達優しいな。




「で、俺らはどーすんのよ?帝くん?」


「………どーします?どっちが勝つ負けるを決めるを決めるか、真剣に勝負するか」





「まぁ、俺は優しいからさぁ………」

「やりたいって言うなら?仕方なく………」



「「お譲りしますけど?」」



「「むっ!」」



「「…………」」




 両者意見がぶつかり、無言で見つめ合う。



「お前、やりたくないだけだろ」

「そんなわけあるか。俺の優しさだって、素直に受け取れ」

「いやいや我慢なんてしねぇでくだせぇよ」

「してるわけないだろうが舐めてんのか?いいからやれってんだこのヤロウ」




 両者譲らず、お互いに出場を譲り合っている。




 ……成り行きで出場することにはなったが、俺は別に脱落してもいいんだよね。



 だって、二色との約束を守ろうとしてそこに辿り着けなかったんだから、それはもうしょうがないだろうし。


 【特待生】が出場してる可能性が高いとはいえ、自分から探りを入れる必要もないし。



 なんだったら、【特待生】が見つかるかもわからないのに、そんなリスキーなことしてられない。



 ならば、ここは純也に任せて負けてもらうしかない……。





「頼むよ純也〜、お願いだよ〜」

「お前が出た方がいいに決まってんだろうが。ほら、俺らの順番が来るまで待つぞ」





 この高校の奴ら全員が参加しているとして、200人。


 そして、二人一組が五組ずつ一斉にミニゲームを始めるから、一度で25人。



 この様子で行けば、8回程度で全員のミニゲームが終了する。



 『ミニゲーム』と言うものにどれが該当するのかわからないけどな………。





「さぁてまずはぁ!A組から順番に行きましょうかあぁ!!A組の5組、ステージへ来てくださぁい!!」





 A組はあいも変わらず死人のような目をして、フラフラと歩く生徒が大多数だ。




 多分、その中でピンピンしてるやつがその黒幕だろう。




 【特待生】は5人、ならば一クラスに一人いるはずだ。


 だから、これはA組に潜んでいる【特待生】の仕業の可能性が高い。





 だが、そんな消去法で断定していいのだろうか?




 A組の【特待生】だって、そう思われることを予想して、何か対策を立てているはずだ。




 例えば、自分も操られたフリをしたり。


 敢えて、支配者に何も関わらないことで勇んで調べにきた【特待生】を翻弄したり。





 作戦の幅は広い。


 特に、クラス全体を操っているという効果範囲が、【原初】であったとしても広すぎる。


 ならば、なにかタネがあるはずだ。





 同じような【特技】を持った人間に協力してもらって、クラスの全員が同一人物に支配されていると錯覚させたり。


 あと考えられるのは、何かしらの方法を取って【特技】を強化した、そもそも使用条件が難しすぎる、【特待生】用の【特技錠剤】で強力な支配【特技】を得たとか。





 これらは、まだ推測の域を出ないし、なんならなんの情報もつかめていない。



 なんだったらA組に【特待生】が本当にいるのかどうかすら、不明だからな。






「今は、静観………」



「俺との勝負も考えといてくれよ〜」


「お願いだからいい感じに負けてくれ」


 純也の軽口に付き合いながら、彼はさらに思考を巡らせていた。










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