49.隠し事は拡散と共に
本当に申し訳ございません、現実が忙しいため、2週間に1〜2話ほどしか投稿できなくなります。
ご了承ください
「な〜にやってんのかねぇ〜?さっきまで菜々ちゃんと神社デートしてたんでしょ?それがどうして血生臭い男と二人寮へと帰ろうとしてるの?」
「……血生臭いってのは意味わからないな。菜々とはもう解散した後だし。冷やかしならもう帰ってくんないかな?」
「……なぁ、この人だれなんだ?帝」
「誰って、体育祭の〔トライアスロン〕で出てただろ。未来だよ」
「あぁ、この人がいつもお前が文句言ってr…………」
「下手な猿芝居はやめて。真面目に話しなさい」
未来の瞳が爛々と輝く。
やはり、そうトントン拍子にすべてうまく行くわけないか。
「話して、僕らが得るメリットとデメリットは?」
「メリットは、アンタらが家に帰れる。デメリットは、校内全域に私に話した内容が広まる?」
「よし、断固拒否だ」
練治が拒否するが、そこへ呆れた未来が口を出す。
「たしかに、未来に話してSNSにばら撒かれれば、あっという間にそれは広がるだろうさ。それでも、隠したい秘密は隠し、広めたい事実だけ話すのもありなんだろう?」
「そ、裏を返せば大チャ〜ンス。別に、私は君たちの関係性さえ知れればいいからね」
「確かにそうだな。よく言っちゃえば、ここで言ったことを校内全体で広められるなら突拍子もない噂話でも撒けば全生徒に混乱を招くことができる」
「あぁ、例えば────」
「───なるほど。それが校内に広まるのは、確かに彼らにとって厄介なものになるだろうな。でも、帝。あんたは良いのか?」
「ね〜そうそう思ったぁ〜。帝くん自分で自分の首を絞めるような案思いついてない?」
「別にその時その時でなんとかするよ。アレに執着してるわけじゃないからね」
「よっし、じゃあ拡散しちゃお☆」
そう言って未来がスマホをシュシュシュッと動かすと、あっという間にSNSで拡散されていった。
「……相変わらずお前の人望には呆れるよ。なんだ?情報を投稿して数秒かからずに僕のスマホにまで拡散されたぞ」
「ふっふーん。帝クンとは違って、私には人望があるからねん☆」
「……帝、こんな拡散スピードじゃなくてもよくないか?帝が垂れ流せばよかっただろ」
「残念、僕の端末はなぜか連絡先が割れてるから、僕が拡散すると僕が【特待生】だってことがバレる」
そういえば、このアドレスを流した奴も誰だったのだろうか。
例の、僕の情報を売っている何者かの仕業だろうが、そんなやつ、僕の身近にいる気はしない。
もっと手近にいる奴らのことについて、詳しくならないとダメだな、僕。
「まーとりあえず、未来はこれで見逃してくれるんだろ?」
「え?」
「「…………え?」」
「あ、え?私が?こんな好機逃すわけないでしょ?」
「よし、練治、逃げるぞ。彼女さんのためにも!!」
「くっそどうしてこうなるんだああぁぁ!!!」
まぁ、練治に教えたものは、先ほど全て未来にも共有済みだ。
これは未来からの助け舟だ。
いやはや、未来パイセンには感謝しかないですなぁ。
え、助けだよね?
これって、救助なんだよな!?
「こうなりゃ帝の部屋につけた『遠隔ボンバー君』第二号を爆発させるしかないようだ………」
「おい待てお前また付けたのかあああぁぁぁぁ!!!やめろおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!」
寮の方角からの、ドオオォォォォン、というBGMを聴きながら、未来と帝は延長戦に入っていった。
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「……っはぁ〜……。ようやく部屋の復旧が終わった。毎度毎度、どうやって僕の部屋に設置してるんだか」
家に帰ってから、部屋の焦げを取り除いて、家具を元の位置に戻し、もうほとんど日は暮れ、激動の体育祭1日目の終了は案外静かに終わっていった。
今日は【特待生】についての情報を集められはしたが、逆に【特待生】の情報をばら撒く日にもなった。
ここからさらに、【特待生】探しは加速していくことになるだろう。
……未来にあの情報を拡散させたのは間違いだっただろうか。
いや、もう取り返しがつかないところまで行ってしまったのだ。
流れに任せるしかない。
すべては明日になればわかることだ。
「つまり、今僕ができることは……」
ピッカピカに綺麗になった寮の部屋へと走り出し、ダイブした。
……ベッドへと。
「今日はもう寝る!!不貞寝だよコノヤロー!!」
明日の個人競技、二色との決着、【特待生】の炙り出し。
今日よりも明日の方が疲れるだろう。
もう寝よう寝よう。
まあ明日になればまた、リフレッシュして物事を考えることが……で、きる……………ころ、だなあ。
そう寝る直前にそう思いながら、倒れるように眠っていった。




