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34.金田は謀略と共に









「ヴヴッ、ゔん。あー、あ、あ。ふぅ」





 国満は喉を鳴らす。


 【特技】を使いすぎたか?






 E組バスケットから離れ、巨人を挟んだ側のステージでは、春太、練治、堀那の三人以外の全員が争いあっていた。




 もちろん、その中には彼……金田 国満もいた。





「巨人がいい感じにE組のバスケットを分断したな……。春太がちゃんと玉を防いでくれていれば、E組は勝てそうだが……………」






 ゆるりと振り返ると、バスケットに玉を入れようと画策する戦場の中、A組のバスケットで見た三人がコチラを警戒していた。




 A組……………周囲を見回すと、残りの二人は防御(ディフェンス)、一人は他クラスへの牽制へと回っていた。




 つまり………。



「今一歩リード中のE組のリーダー格を落とそうって魂胆なわけか?」




「「「………………」」」




 三人は黙ったままコチラを伺う。


 そんな悠長で良いものか、巨人でE組のバスケットへの道が塞がれたことにより、防御(ディフェンス)陣は二人で4〜5人ほどを対処しなければならなくなった。








 そんな中、バスケットを守っているわけでもない男に三人の労力は割かないはずだ。



 ならば、そこには必ず指揮者の裏がある。






 誰が司令塔かはわからない。



 このA組三人をいなしつつ探し出すしか無さそうだ。








「一応聞くが、アンタらのリーダーは誰だ?」





「リーダー?どういうことだよ。これは俺たちの意思だ。誰かに指図されてこんなことやってるわけじゃない」




「そうそう。逆に僕らにリーダーなんていると思ってたの?」


「あれじゃない?ウチらの連携凄すぎてリーダーいるとしか思えなかった〜、的な!?」





 一人の男子に続き、いかにも暗そうで髪もっさぁ、ってしてる男子が肯定し、キラキラと輝いている髪を靡かせている陽キャ女子に煽られる。






「じゃあ、『【特技】を自白しろ』、よろしくね?」





 【原初の言霊】で強制的に【特技】を喋らせる。




「お、俺の【特技】は【投擲物の加速】、です」


「僕の【特技】は【スーパーパラサイト】です」


「ウチの【特技】は【伝心の加護】です」








 ギャルっぽい陽キャ女子の【特技】、【伝心の加護】……。



 つまり、司令塔に最も適していると言ってもいい。



 そう言えばさっきの玉回しも、無言でやっていたにしてはうますぎる。





 ならば、やはり【伝心の加護】を持っている彼女が、今一番警戒すべき………………。



























 その判断を下した瞬間が、まずかった。





 その判断で完全に女子の方へと体の向きを変更してしまったことにより、他二人から警戒が薄れる。





 その駆け引きを生み出すためだけに、彼女は連れてこられた。






 その一瞬を確実に得るための最善手段。



 万全の機会で髪がもっさりしている陰キャくんの【特技】が発動する。





「す、【スーパーパラサイト】!!!」






 少し注意を逸らしてしまった彼の右脇腹に、大量の寄生虫が発射される。




「!?!?クソッ、やりやがった………」








 寄生虫はズルズルと腹の中へと収まっていき、彼の右半身には血管のような管がピキピキと見えていた。





 これ、どうすればいい……?



 これが本当に寄生虫であるならば、僕の身体に寄生されると、身体が乗っ取られたりするのだろうか。





 それはごめんだ。


 今回の競技で僕はE組のリーダーを任されているのだから、ここで使い物にならなくなる訳にはいかないんだ。







 それに、まだ懸念事項もある。




 山岸 春太が、これからどう動くか。


 巨人に分断された時に、E組バスケット側に分断された奴らを留めているのか、裏切って協力している可能性だってある。






 現状春太の存在がどう転ぶかわからない以上、巨人のバリケードは味方も邪魔している。






 中で春太が謀反すればE組の負けは濃厚。



 たまたまできた巨人のバリケードは味方も拒絶する。


 頑張ればE組バスケットの方に行けるのだが、たった今寄生虫に取りつかれたばかり。



 寄生虫はっつけたままドタドタと動くのはあまりいいとは言えないだろう。








『離れろ!!』




 とりあえず、【特技】を使って三人から距離を取る。





 だが、視界の端に捉えたものによりまたもや意識を奪われる。




「お、お前………お前の本当の【特技】は、なんだ!!」










 【原初の言霊】は内容を聞き取ってもらえなくとも、『声』さえ聞こえてしまえば発動できる。



 逆に、内容がわかっていても聞こえなければ発動しない。




 先ほどの『自白』。


 彼が自白した【特技】は【投擲物の加速】。







 だが、彼に『自白の命令』が聞こえていなかったとしたら。



 もしもその【特技】の弱点を知っていて、それを対策できる立ち位置にいるのならば、その裏をかいて騙し討ちすることも可能。









 つまり、彼………工藤 颯汰(くどう そうた)は全て知っていた。




 【原初の言霊】の弱点知った上で、自身だけ聞き取れないように、【特技】を使われた瞬間のみ、本気で耳を塞いでいた。



 だから、彼だけはしどろもどろに【特技】の報告にしていたわけだ。




 【伝心の加護】なんて、いかにもな【特技】を持った人をわざわざメンバーに入れて、【スーパーパラサイト】を使わせて国満の体の主導権の半分を奪った。









「俺が、A組の実質的リーダー、工藤 颯汰だ。どこまでも蹴落としてやるよ。調子乗ってる【特待生】共も、全てな」






「…………そりゃ、重畳」





 そう言いながら立ち上がる。




 何故かは分からないが、右半身は動かすことが可能だ。



 【スーパーパラサイト】の効果がまだ効いていないのか、それともこの程度の効果なのか。





 とりあえず、今がチャンスだ。




『吹っ飛べ!!』





 国満が叫ぶと、A組の三人はおろか、他のクラスのバスケットで試合をやっているメンバーにも作用し、かなりの人数が吹き飛ばされた。









「ハァ、ハァ。とりあえず、E組のバスケットに、戻ろう………」





 巨人の耳元に近づき、【原初の言霊】を使う。





『【特技】を解除しろ!!!』




 その瞬間、巨人の巨体が無くなり、E組のバスケットへの道が開いた。








 が。




 その根本には、目を見張る光景があった。





 土埃が舞う中、あまりよく見えないが、バスケットに近づけないほどの戦いが起きているのは間違いない。




 そこでは………。












「さぁ、次だぞ。早くかかってこい、猿が」





「巨人がいなくなった、一時撤退するぞ、堀那!!」










「◾️◾️□◾️□、◾️□◾️◾️*、◾️□◾️◾️□◾️。◾️◾️□◾️□、◾️□◾️◾️*、◾️□◾️◾️□◾️。◾️◾️□◾️□、◾️□◾️◾️*、◾️□◾️◾️□◾️!!!」










 【スーパーエネルギー】により地面が抉れても尚戦い続ける、春太と練治と堀那がいた。











うらめもっ!

「玉入れぇ?それって体育祭の競技として成り立ちます?高校生の体育祭に玉入れって………」

「うーん。でも、玉入れやってみたくない?」

「いやぁ……。じゃあまぁ、他に競技の候補もないし阻止する側もつければ成り立つかな?」


玉入れが採用された理由→候補不足




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