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26.競技決めは絶望で


体育祭編始まりました!

これが作者の中では一番長くなりそうだと思ってます。


誤字報告、順次受け付けておりますのでお願いします。













 新しい朝が来た!










『地上波のCMに出て来そうな歌だな』


「すげぇ具体的な例言うじゃん」






 今は周囲に人がいない為、声に出して喋ることができる。



 心の中で意思疎通とか、よく伝わらないし、なんか感覚が気持ち悪いからこっちの方が話しやすいのだ。





 ちなみに、『』は僕にしか見えない別人格達が喋ってるか、誰かの心の中のセリフを言ってるらしい。




 なに心の中でこんなこと喋らされられてるんだよ。


 え?年収100万?やるやる。













『年収100万は低くね?』


「そうなの?」







 以外ならところで世間知らずが炸裂してしまった。







 いや、べっべべべべべべ。




 べべべっべべっべべべべべ、べべっべべべべべべべべーべべべ!!





 うん、落ち着こう。



 別に僕は世間知らずなわけではないのだ。


 普通に、電気代の相場とか、高校生のうちから気にしてるところはそこまで無いと思うのだが─────。







『もういいから。そのネタ引き摺らなくてもいいから』


「あ、ハイ」






 心の中で1人漫才をしながら登校準備を終わらせて玄関を出た。













「そういや、今日体育祭の何たらを決めるって菜々が言ってたな。いや、授業で言ってたって菜々が言ってたな。うん?授業で先生が言ってたって菜々が言ってたって………」





 うん?頭がゴチャッとしてきたな。



 もういいや、別に寝るし。










 特に気にすることなく、僕は歩く。



 遅刻減少のために、校舎と学生寮は近めだ。






 というか、ほぼ校舎と一体化と言ってもいい。





 校舎の外付けの教室を学生寮が物置として使っていたり、学生寮の自転車置き場に校舎通学用の自転車をここに止めたりなど、もう何でもあり。



 もはや通学用自転車なんていらないだろ、と突っ込んでしまいたくもなる。







 ちなみに、女子寮と男子寮は当然の如く別れていて、校舎を挟んで反対側だ。





 そして、何故か女子寮の方は護衛がすげぇ。



 うん、ほんとに。


 男子とは段違い、本当に理由がわからない。





 やましい理由でもあるのではなかろうか。






 やましい理由が無いのならば女子寮の護衛を取っ払ってもいいだろうし、男子が入ってもいいはずだ。






 …………正直に言いますよ女子寮行かせてください。


 やましい理由はありません(あります)。







 こんな茶番をすれば着くほど、寮と学校はあまりにも近すぎる。



 時に、この寮が近すぎる件に関しては、問題が起きることも多い。



 例えば………。










「………なんか、やましいことを考えている気配がしたんだけど?誰だろーね?」



 このように、読心系ギャルとの遭遇率が極めて高いことだ。




「何のことかよくわかりませんすいませんでした早く校舎行かせろ反省してます」






 怯えすぎて声が震えちゃったじゃないか。


 なんか支離滅裂で謝罪とも逃避とも考えられる言葉を言ってしまう始末だ。




 とりあえず、僕には関係ないことだ。


 先に教室に行かせてもらうとしよう。






 そう思い歩を進めようとすると、がっしりと肩を掴まれてしまいましたよね。ははは。



「ちょっと〜?逃げてるようにしか見えないんだけど?話、聞いてもいい?」






 この読心術使いのギャルには嘘も通じず、半ば決めつけのようにドロップキックされました。トホホ。


















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇










「体育祭の出場競技を決めま〜す」









「「「「「いっえーいっっっ!!!!」」」」」




「「「「「「「「いやだああああぁ!!!」」」」」」」」







 若干名、運動音痴な方々が悲鳴をあげていらっしゃる。


 まぁ、ピーピーと騒ぐ彼らが可哀想だとは思う。


 何と言っても、僕はこの身体になってから筋力が………。





 ()()()()、良かったのだ……………。




 だが、今年はマズイ!!


 なんか…………。






「(ん?なんだよ。チラチラこっち見やがって。なんだ?俺に身体あけ渡したくなったか?)」





 コイツ、起きてるんだよなぁ…………。






















 体力テストで見せたあの健脚。



 実はあれ、井狩のチカラの借り物である。






 人格により筋力が変化するケースがあると言うが、まさにそれに当てはまるのが井狩であった。



 井狩は暴走時、僕らとは比にならない筋力で辺りの物や人物に当たり散らかすので、止めるのは大変だった。



 だが、自身にそのようなチカラが眠っているならば、頑張れば使えるも同義では?と考えたのだ。

 



 前までは、井狩が眠っていたおかげで、その眠りを掻い潜るように部分的な筋力の増強を行い、足を速くしたり、筋力を高めることが可能となっていた。





 だが、たった今、それはできない状況にある!


 何故ならば、井狩が寝ていないから、井狩の筋肉を横から失礼しますと借りることはできなくなったのだ………。








「ハァ……。今年は、僕もできない側の人間か………」




「安心しろ、帝」


「はぇ?」






 そんな暗雲を照らす一筋の光のように、降り注ぐ言葉。



「何だよ菜々。僕は今、失意のどん底に…………」





「生徒会は当日、競技には参加しない」


「ふほっひょおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!」




 お世辞にも上品とは言えないような悲鳴をあげながら、僕は舞い、踊り、歓喜しまくった。












「ふえぇぇ………、あの悲鳴、気持ち悪い…………………」





「おい神咲!悲鳴がキモいって福島先生引いてるぞ!自重しやがれ!」


「「そーだそーだ!!」」







「なんだと!?体育祭の競技に、せっせこ、せっせこと出場しなければならない、平民の分際でぇ!?」



 福島先生信仰者が何やらほざいているが、有頂天へと昇りたった僕の高揚を抑えることはできない。



 東京タワーの屋上から飛び降りながらダンスしてやるぜ。








「地獄に堕ちればいいのに、あのサボり魔」


「どうとでも言うがいいさ、未来。僕は楽な道を選ぶ」







「あーでも、全生徒参加型の競技は参加しないといけないし………」




「ひょん」


「うわあぁ………」





 急にテンションが下がった僕に対して福島先生はかなりガチめに引いていた。



 そりゃ無いよ先生………。






「それにね?帝」


「まだデメリットあるの?」








 まぁ、競技をやらなきゃいけないよりも少しぐらいは作業が軽く───。






「デスクワークよ♩」





 あぁ、終わった、僕の人生…………。











 なんだか、急に自分の最期を悟った僕は膝から崩れ落ち、菜々は周囲から『ナイスカミングアウト!』『よくぞ奴に地獄を見せた!』などと称えられていた。











◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






















「ほら、このチーズケーキやるから元気出せって」


「チーズケーキそこまで得意じゃ無いんだが」





 と言いつつも美味しそうだから貰っておく。


 これが底辺からトップへとのし上がるコツだ。貰えるものは貰っていった方がいいだろう。




「お、純也!ここにいたのか!!いつも一緒に食べないからどこ行ってんのか話題になってたぞ!!」



 後ろから声がかかる。


 そうか。そういえば、純也には友達がいたな。




「よぉ、田中に吉田。いっつも昼にコイツ借りてて悪りぃな」


「田中じゃねぇよ。赤崎(あかざき)だ。赤崎 (まもる)。そしてもう1人は竹中(たけなか) (そう)だ」



「俺がおまけみたいに扱われているのは癪だが、確かにそうだ」





 なるほど。


 名前の通り赤い髪を刈り上げてる方が赤崎、青い髪をもっさりと伸ばしている方が竹中か。




「にしても、染髪OKだったっけ?」



「赤崎は染めてて、学校から許可もらってるよ。竹中は地毛だ」



「そうか。チーズケーキ食べる?」


「お前それ俺があげたやつだろうが」





 おっと、純也がいる前でトレードするのは愚策だったか。


 しょうがない、あとであげよう。












「チーズケーキは置いといてさ。お前ら、体育祭何出るんだ?」


「あー。そう言えばお前、あの後不貞寝したんだっけ?」











 体育祭の競技決めの授業だが、菜々にデスクワークだ書類仕事だと言われ、僕はその後の授業は不貞寝した。





 だが、生物の『遺伝子と【特技】の関係』のところで高田先生に怒られてp128の

『遺伝子により発現する【特技】は異なる。(以下略)よって類似する遺伝子には同種の【特技】が発現する』

まで読まされて、

『お前は睡眠授業が多すぎる。前だってそうだ、ちょっと平均点より上を取ったと思ったら調子に乗って授業を休みおって、いつもの点数より高いからと言って授業に出なくてもいい理由になるわけが〜(以下略)いいか、わかったか!?次やったら3回回ってワンと言わせた後に校庭ダッシュ100本、クラスで連帯責任だ』

ということを言われている。





 一言一句全て思い出せる。


 いつかコレの数倍の規模の反省文書かせてやるから覚悟しやがれ………!!!













 とまぁ、このおかげで僕は純也の出る競技を聞いていないと言うわけだ。



 チーズケーキをもむもむしながら思い出した。



 う〜ん、やっぱりこれなんかパサパサしているようで、ヌチョヌチョしていてちょっと僕は好きになれんな、食べるけど。


 チーズはあんなに美味しいのにな……。









「チーズケーキに微妙な顔をしているところは目を瞑ってやるとしよう。いいか?俺は…………」



「………ゴクリ」









「…………………………当然、何も出ない」



「……………は?」











 ちょ、え?



「そりゃそうだろ。誰があんな【特技】ありきの競技やるんだよ。前おまえも言ってただろ?所詮この高校は【特技】が弱けりゃ無理だって」





「でも、お前の【特技】………」



「僕の【特技】は戦闘系じゃねぇからやんねぇよ」






「…………チッ、無自覚系最強に憧れてんのかこのヤロウ」


「え?なんか言った?」


「ん?いや、なんにも?……難聴属性もかよ…………」







 コイツの主人公適正には、なんか心底腹が立った。







 ちなみに、今まで純也、春太、国満、夏樹しか無かった連絡先が一気に二つ増えて、喜びを隠せない帝であった。














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