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2ー3間 幕間③


個人的に好きだった二人組のお話です










 静寂が支配する寮の部屋。





 その部屋の中のベッドに寝転ぶのは、一人の『元』執事。



 停学になった彼は、この部屋の中で一人、ある思考を巡らせていた。




「(彼……神咲 帝が特別な存在であることは分かった。教師長という謎の立場の者との接点があり、多分【特待生】の中でも異質………)」



 彼の中で、神咲 帝が【特待生】であることは確定事項。






 教師長のことも視野に入れた上で考えを巡らせる。








「(ならば、なぜ自身が【特待生】であることを明言しないのか………。デメリットはわからないが、他の生徒からの信頼というメリットならあるはずだ…………)」









 謎が謎を呼ぶような奇妙な感覚。




 コレを追求し続けると、得体の知れない『死神』に辿り着いてしまうかもしれないという恐怖があった。






 前回の作戦、【特技】の性質を正確に見極めることができれば、ボロは無かった。





 やはり、【特技】の根底から見極めることのできる『観察眼』。



 いや、彼が言うには、【ラプラスの悪魔】。



 あれの存在が強すぎた。






 【ラプラスの悪魔】というのは、ラプラスという数学者が提唱した、『この世全ての事象を観測し、物理法則全てを理解した怪物』だ。





 確か、その影響で過去、現在、未来の世界全体の出来事を把握できるという、存在しない悪魔。



 だが最近、新しい物理法則が発見され、それが完全にランダムだったことから、否定されたはずだ。







 だが、本当に【ラプラスの悪魔】が、一時的にでも使えるのであれば、彼は間違いなく世界から狙われるほどの脅威なはずだ。









「当然のように千切っていた義手、【ラプラスの悪魔】、体力テストで見せた異常なスタミナと脚力、多重人格、【特技】であると思われる【時渡り】………」





 普通の人間ではできるわけがない芸当をつぶやいていく。



 彼は、この高校の【特技】ではないところで、他の生徒とは違う。






「何者、なんだ………。尋常じゃない。明らかに普通じゃない点が多すぎる」



 考えれば考えるほど頭が痛くなってきて、のそりと起き上がり、頭を抱える。










「でも、なぁ。そう言うの含め、()()()が関わってるんじゃないのか?」









 もちろん、この部屋には彼以外の人間はいない。



 だが、この言葉はしっかりと彼らの耳に届いていた。









「返答はなし。まぁいいけどさ。俺のコレからの高校生活のことについて、何かしらの説明があってもいいと思うんだけど?」








 起き上がったばかりの上半身をまたベッドに埋めて、テレビの電源をつけた。






『巷で噂、今年から始まった【特技】専門校の二大巨頭、《創名高校》と《名格高校》が親睦を深めるための何らかの────』








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






















「ふぅ、とりあえずこんなものか」





 寮の整理をしていたおぼっちゃんが、久しぶりの独り言を呟く。



 いつも隣にいた支えがいなくなってしまったことにより、自分の生活を改めなければいけなくなった。




 もっと不幸な時に言う言葉かもしれないが、当たり前が当たり前ではなくなってしまったわけだ。




 支えてくれた人がどれだけ大切か、いなくなってからわかる。


 よく聞く事だが、まさにその通りだったようだ。






 今僕は、彼に頼らないための生活を目指している。


 今の彼は停学………というより、正式には謹慎となっているらしい。




 学校はもちろん、部屋の外にも出ることはできない。




 (こう言ってしまうと彼が死んでしまったように聞こえてしまうが、)

 彼の分まで高校生活を楽しむことにしようと思う。





 まだGWなわけだが、このまま学校に行けば、国満を謹慎にさせた男として僕は嫌われるだろうか?



 帝は、僕のことを許してるのだろうか?







 様々な疑念が飛び交うが、親友であり支えであった執事との別れを経験した今、吹っ切れて、そんなもので慌てることはなかった。




「まぁ、何かあれば帝に責任をなすりつけるとするか!」







 【洗脳の加護】は、入学前から使われていた。



 記憶は引き継いでいるが、本心からクラスメイトと話せるのは初めてだ。





「(いきなり喋りかけたら驚くかな。いや、まずは喧嘩しちゃった人達に謝りに行かなきゃ)」




 これからの、1ヶ月遅れの高校生活へと思いを馳せて、もうちょっと、寮の整理を再開した。
























うらめもっ!

「う〜ん、やっぱり彼、謹慎にしておいて正解だな。あそこまで頭がキレて、あの【特技】。【特待生】以外にあんなやつがいたら、それはもう終わりだ。僕らだって生徒全員の【特技】を知ってるわけじゃないからねぇ」








次の章は、体育祭でも書こうと思いましたが、さすがに5月との間を無きものにするのは勿体無いので、日常章を挟みます。



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