18.レポートは裏切りで
あらすじぃっ!
「最悪の二人とグループ学習することになりました」
「最悪の二人とは失礼だなぁ。山岸はケンカ………ゴホン、ともかく、僕はまだ君と仲がいいだけなんだけど?」
「あんなうさんくせぇ野郎と一緒にすんな。俺とお前はこんな奴よりも付き合い長いだろ」
二人とも、僕に迷惑かかっている事が無自覚。
相対的に、僕の負担も相乗効果で倍々増しって寸法か。
ハハッ、ごめん頭良さそうなこと言ってみたかっただけ。
今回は、このグループで生物の実験をするらしい。
なんでも、この学校特有の【特技】について、『人の細胞と【特技】の関係性はどこにあるのか』を調べていくらしい。
使うのは自分の細胞って感じらしい。
各々、最初の『自身の細胞を採取する』を始めている。
「おい、俺のさいぼー、教科書のやつとかなり違ってんだけど大丈夫なのか!?」
「チッ……この顕微鏡絶対壊れてやがんだろ……どんだけ光当てても暗いまんまだぞ!!おいぃ!志動!!」
「はい、坊っちゃま。調整が終わりました。お待たせして申し訳ありません」
「フン……」
(志動による顕微鏡の調整、その間0.4秒!)
素晴らしいお手なみであった。
是非見本として全学生に見てもらいたいものだ。
っと。
みんなの作業を見ているだけでは自分の作業は終わらない。
自分の唾液を摂取して、顕微鏡で観察してみる。
「おーい帝、どうなったぁ〜〜」
クッ、同じ班になったからって調子に乗りやがって山岸………!
「今確認するって…………!」
「なんかあった?」
「ん〜、なんもない」
「なんも無いわけねぇだろ、馬鹿なのかお前」
「冗談通じないガキは嫌われるぞ」
さすがに心外である。
確かに僕は馬鹿っぽいところもあるが、それも愛嬌と受け取れるんだし、馬鹿では無い……………………はずだ。
「いやでも、それはわかってるんだが。ホントに何も無いんだ」
「ふ〜ん?ちょっと見せてくれよ」
春太に自分の顕微鏡を見せた。
そこには、細胞の形はわかるが、その中身がない細胞があった。
しかも、一個のみではなく、他の細胞も全てであった。
「…………どうなってんだ、?」
【特技】の影響、と言われても、このような代償が出るような【特技】をもっているわけでは無い。
春太が困惑するのも当然というものだ。
ちなみに、普通の【特技】を持っている人たちの細胞を見ても、核が消えていたり、細胞の中身がなくなっているなんてことは、誰一人なかった。
…………いや、これについて考えていくと頭が痛くなってくるな。
そこまで大事ってわけでも無いだろう。
しょうがないからみんなのレポートを見せてもらって提出しますと先生に伝えたが………。
「おっけーおっけー。同じ班の人たちに見せてもらって〜」
これ、誰かが仕組んだわけじゃ無いよな?
さすがに不運重なりすぎてびっくりなんだが。
「春太〜。レポート見せてもらってもいいか〜〜???」
「あ〜、えぇ〜と、う〜〜〜〜ん」
(ここで俺が渡して好感度上げるいい方法かもしれない。でも!それじゃあ全く面白く無い!!!)
重なる思考の末に、彼は最後の結論に達した。
ふと立ち上がり、にっこりとした笑顔で帝に向き直った。
「おう、わかった」
そうやって満面の笑みで返すと、帝は何かを察したかのように目を見開いた。
「おいお前、なんか面倒なことするんじゃ………」
もちろん、ニコニコとしたまま教卓の方面へと向かっていき、帝は今更ながらに大急ぎで止めに入った。
が、もう遅いのであった。
「先生。僕はレポート提出します」
かくして、僕は金田からレポートを借りるはめになった。
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レポートは来週の次の授業が提出期限だ。
とりあえず、金田は教室にレポートを持って帰っているのをみたから見せてもらうようにお願いしよう。
「お〜い国満、レポート見して欲しいんだが…………」
「…………あぁ?」
あ、なんか調子悪そ。
「やっぱなんでもn………」
「なんだよ、レポート、だぁ?なんで僕が、お粗末で惨めなお前に、そんなもの見せてやらなくちゃならねぇんだ?」
国満に肩に手をかけられて、強制的に振り向かされる。
「お前、立場理解しろよ?お前のようなゴミクズにいつまでも僕が相手をしてやれると思うなよ………!」
襟を掴まれて顔面を近づけてくる。
お〜い、ここ教室なんですけが?
顔面と顔面が近づきすぎてキス圏内の距離なのですが?
と、ふざけられているのも束の間。
国満が耳元に口を寄せ、放った言葉は…………
“気絶しろ”
その瞬間、僕は意識を失った。
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気がつけば、翌日の朝になっていた。
今日からGW始まりである。
気絶した以降の記憶なんて全く無いので聞いてみたが………。
『あー、まぁ、色々、あったみたい………ですね?が、頑張ってください………?』
『あなた気絶してたらしいわね。今日なんかちょっかいかけられる日なんでしょう?そんな日の直前に気絶されると心配だわ』
『ちょwww気絶したはウケるwwwwwwいやww軟弱すぎでしょ流石にwwwwww』
『お前運んでやったんだから感謝しろよ?うぇ?感謝してる?来月の支給金半分渡す?マジで困惑するから冗談も程々にしとけよ。てか今日俺行かないからな?』
と、まぁ心配とも煽りとも取れる暖かいようで暖かくないメッセージを電話でもらい、ようやく布団からでる。
なるほど、僕は気絶して下校前に寮に搬送された形か。
でも、なるほどな。
昨日のあの一件のおかげで、国満の【特技】を思い出した。
そして、今日はその国満本人に呼び出された日か。
まぁ、GWぐらいしか誘えなかったのだろう。
ああ見えても御曹司なんだから、なんかしらの引き継ぎで毎日忙しいんだろうな。
あ、そう思うと、その数少ない時間で僕と親交を深めたいって思われているって思うと、案外可愛い感じで見えてくるかもな。
と、僕は、今日国満に呼ばれた本題をほとんど忘れながらレポートをどうやって見せてもらうか考えながら朝の準備を始めた。




