表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この未来なき世界 ~自由を求めた少女の物語~  作者: いから
It's more blessed to give than to receive
5/27

必中する弾丸

瞳視点

「……待っ」


パキ


瞳は足で彼らの頭蓋骨を踏み、手榴弾の爆発で死に損なった2人の頭を砕き割った。


二人が死ぬのを最期まで見つめ、足についた頭蓋骨の破片を振り払う。


「先を急がなくちゃ……」


移動中、後ろからついてきた米軍を攻撃しながら、第1棟に向かって流れるように突入した。


中に入ると簡易的なエントランスが目の前に広がる。安全のためだろうかスタッフは誰もいなかった。


「この基地の地図、何度も見たから流石に迷わないと思うけど・・・」

そんなことを言いながら右の通路へと歩いて進んでいった。


3階目の曲がり角を曲がろうとした時、その先の広間で待ち構えていた米兵と目があった。


「うわっ!?」


体を背けながら角の奥に戻る。米軍も即座に対応してライフルで臨戦する。


「くっそ! なんてことだ! 弾が当たらん!」

兵士の1人が「オーマイガー」と憤怒している。


実際、銃弾は一部を除き金属製がほとんど。

無機物を操作できる私にはそのほとんどが弾道を逸らされ、弾が瞳に命中することは少ない。


角待ちで銃も構えていたのに残念……


私は射角に入ると、奪った2つ手榴弾の安全ピンを咥えて同時に引き抜く。

さっきで向こう側の地形は分かったのでもう一回見なくても十分だ。


手から離れた2つの手榴弾は宙に浮かび、米兵に方に吸われるように向かっていく。


「な!?」

そう驚いた声を掻き消すように手榴弾が爆発すると共に、私はもう一度角から顔を出す。


1、2、3、4、16人……


瞳が弾避けをする時、最も楽な弾丸の軌道を逸らすと言う方法でしている。

これを応用すれば、自身が発砲した弾丸の軌道を相手の頭部に引き付けることもできるのだ。


門兵3人を殺した時がいい例だ。


ライフルを構える。距離は20mぐらい。

私はトリガーを16回引き、飛ばされた弾丸は吸いよされるように米兵の頭部を穿れ倒れた。


しかし、1人顔が隠れていて致命傷を免れたショットガン持ちの兵が起き上がり、こちらに銃口を掲げた。


「ちょっと待って──」

私はそう言いつつも思いっきり壁を蹴り、相手の足にタックルする。


「うっ……」

ショットガン兵は足がおかしな方向に折れ曲がり、よろめき膝をつく。

私はそしてすぐに体勢を立て直し、頭を蹴り飛ばしつつ腹にも蹴りを入れて吹き飛ばした。


吹き飛んだ兵は壁に叩きつけられ、ずるずると倒れた。


低空移動で速かったこともあり、撃たれた弾は致命傷にはならなかった。

ショットガンのようにたくさん撃つやつは逸らしきれないから相手したくないな……


「もー危っな! ほんと油断大敵だって」

瞳はマガジンを交換しながらそう言い、先へ歩いていくのだった……



-----------



そして15分後、瞳は管制室の前にいた。

この手で殺した兵士143人の返り血で染まった服を着る彼女は、不敵な表情を浮かべている――

瞳の場合、人間の本気の殴りが軽トラが吹き飛ぶぐらいになってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ