三つの薬莢
開原は14歳からメキシコで育ちました。
監視塔から外を見ていた兵士は愕然としていた。
なにしろ、外にいる女性と話していたクリスチャンとオリバーの頭がなんの前触れもなくヘルメットごと押し潰され、ふたりがその場で倒れたのだ。
外側から圧迫されるように垂れる血は100mほど離れたここからでも鮮明に見えた。
「官長!」
一人がそう叫ぶ。
「チッ、とにかく立入禁止区域に侵入した者に対しては無制限の射撃許可はある!総員戦闘準備ができたらあのEAOの足止めをしろ!」
「「はい!」」
兵士はそう言うなり一斉に武器を取りにいった。
くっそ……なんEAO波長測定機はあいつが攻撃するまでEAOだと示さなかった? 故障か……?
官長はそう思いながらも、急いで管制室にこのことを報告するため無線を取った。
-----------
「おい、こっちに来るぞ……」
「……い、いいから撃て! 撃つぞ!」
すでに外にいた正面の門兵の3人は、私に向かって射撃を始めた。
「っと……危ない」
私は身をかがめな弾丸に当たらないよう全速力で走る。
チーターのような速さの足に弾丸はついてきていない。でも初め当たりそうだったのは内緒だ。
「は、早い!」
兵士たちがそう言い終わるときには、すでに目と鼻の先まで私が迫っている。
目測で20mぐらいだろうか。
体内で発生するEAO粒子によって生み出された莫大なエネルギーは、100mほどの距離を数秒で移動することができるほどの力を生み出だす。
体外で飛ばしてエネルギーに変換していたものを体内で完結させ、それを吸収したようなものだ。
しかし、飲まず食わずでだと数時間しかこの状態を持続できず、持久力は少ない。
私は走りながら奪ったライフル片手で持ち、引き金を引いた。片手でだ。
「な──」
彼らはその様子に絶句する間もなく的確に頭部を撃ち抜かれた。
3つの薬莢が地面に落ちる。
私は肩の力を緩め、改めて入口に歩いて向かった。
正面入口に着いた瞳は死体を踏み越え厚い門を蹴破り中に入った。
厚い門は爆音と同時に吹き飛んでいく。
だが、ちょうど監視塔から正面入口に来ていた6人と鉢合わせになってしまった。
近い!
敵はとっさにナイフを取り出そうとするが、私もすぐに距離を取る。
「そんなんものじゃ倒せないよ~!」
私はそう言うなり敵のうち一人の手榴弾の安全ピンが静かに抜けた。
安全レバーもポーチの中でむりやり外れ、信管が叩かれる。
起爆まであと数秒。
手榴弾はほとんど鉄でできている。Feだ……
ヘルメットごしに頭を潰せばいいと思うだろう。しかし、手榴弾のピンを抜くほうが断然楽だし、その動作一つで十分効果がある。
体力の温存は不可欠だ。
「いま音がなったような?」
兵士がそれに気づいてポーチに手を伸ばしても、ポーチの金属製のボタンは開かない。
私はさらに距離を取る。
その瞬間、彼ら6人が爆音とともに吹き飛んだ。
武器の名前は知らないのであまり書けません。
戦闘描写も戦闘教義的に間違っているかもだけどご了承ください。