〇新学期。(空気って読むべきものだよね)(2)
「セージ君が、新学期早々、【あの時のセージ君】モードだよう。」
委員長のルリアナさんが少し青い顔で動じていて、周りの女の子たちが一生懸命フォローしていた。
いや、【あの時のセージ君】かも知れないけれど、人畜無害だからね。
いつもののんびりとしているセージ君ではなく、少しテンション高めの張り切りセージ君はこれまでもいろいろと何かを引き起こしているらしい…
うむ、そういうことは忘れよう。
だって、これからは、四六時中、【あの時のセージ君】モードにつきあってもらわないといけないんだからね。
さて、今までのセージなら興味を示さなかった【魔法学】の講座。
そんなに大したことは教えてくれないかも知れないけれど、おそらく授業の内容の中に、いろいろなヒントがあるかも知れない。オレは結構やる気になっています。
【魔法学】は魔法理念の概要を教える講座で、1~4組が集まって、大講義室で研修を受けることになる。まあ、偉い先生に来て教えてもらえるんだから、個別指導って訳にはいかないよね。
ちなみに、4組は後ろの方に集まって座っています。
中心には、なぜかオレとルリアナ嬢。オレ達を囲んでいるクラスメイトの表情も真剣なのです。
いや、【あの、セージ君】かも知れないけれど、人畜無害だからね…
ちなみにセージのかすかな記憶によると、大講義室で「も」、1組の生徒たちに対して論戦をしかけて、相当言い負かしたことがあるとかないとか…
セージごめんよ、と誠二のオレが呟いてみました。
あれ、校長先生だ。【魔法学】を校長先生が教えてくれるんだろうか。
「さて、皆さん。
魔法学の講義について、今回、中等部第3学年には新しい講師が配属されることになりました。
これまでも、王立研究所や王都探索者組合から、これまで現場経験のある方々に講師を依頼してきましたが、今回は王都探索者組合の多分なご厚意により、S級探索者を派遣していただくことになりました。
先方からの希望は、中等部第3学年とのこと。
皆さん、このもの凄い幸運をしっかり理解してもらえればと思います。」
大講義室内が大きくどよめいた。
S級冒険者、それは、この世界で英雄とほぼ同義の存在。その人から直接教えを請うことができるなんて。




