〇女の子と二人っきりの夜(手長猿はノーカウント。女の子かどうかも不明。)(1)
さて、【森人】である。
そもそも、【森人】は、誠二的にいえば、いわゆるエルフである。
精霊種と人との間に位置し、総じて長命で魔法に通じている。体躯は細く、森で自然とともに営むことを好む。
あまり人とは交流はしないが、稀に好奇心の強い者が街に住み着くこともあり、一定の交易は行われている。
また、言い換えれば「神と人の間の存在」であり、非常に長命。王族や上位貴族と政治的に何らかの繋がりがあった時代もある。
ちなみに、【教会】の教義と相いれない部分も多く、【森人】に対し、【教会」はほぼ不干渉の立場だ。
☆
ということで、意識を失っているこの【森人】に対し、オレは野蛮な劣情を抱くことはなかった。
だって、寮母さんよりオバサンかも知れないんだぜ。
ちなみに、ウィッキー君は様子見の様子。
「ウィッキー君、セクハラとかしないの?」
『あるじどの、そのセクハラとは何かが分からぬが、すごく馬鹿にされた気分になるのはいかに!?』
【森人】が少し身動ぎした。どうにも意識が回復したらしい。
かすかに目を開けて、焚火の炎を確認し…、ばっと起き上がろうとする。
『娘よ。落ち着くのじゃ。大丈夫じゃよ。』
普通なら「うききー」にしか聞こえないはずのウィッキー君の声を聴いて、【森人】のお姉さんは少し固まった後、しずかにウィッキー君に向かって頭を下げたのでした。
何それ。
まずは、【森人】のお姉さんには、自分の身の安全を確認してもらった。
どうにも、装備していた武具はすでになくなっていたらしい。というか、武具を装備してたんだね。
見つけたときは、すでに衣服の一部がびりびりになっている状態だったから。
さすがに、【森人】だけあって、ウィッキー君が【地神】であることを、すぐに理解した様子である。普通に考えたら、手長猿がしゃべるっていうのが、なかなかおかしいんだけどね。
ウィッキー君が、【小鬼】の集落に武装解除された【森人】のお姉さんをみつけ、セージとともに助けだしたことを伝えた。また、【小鬼】の集落をほぼ焼き尽くしたことで、とてもではないが【小鬼】がこちらを追い駆けるような状況ではなく、【地神】の獣除けの結界によって、今は安全な状況であることも伝えていた。




