〇クラス委員長は美少女、テンプレなのに現実だとテレる(4)
もの凄い突風が吹きました。ここは【大樹海】のほとり。今は安全とはいえ、高レベル帯の【魔獣】が現れる危険性もあることから、生徒たちも皆、身を屈めて、先生や探索者たちの指示を待つことにしました。
先生の指示で、級友たちの点呼確認を行ったところ・・・セージ君の姿が見えません。
セージ君は地方領主の三男坊です。
機転が利くとか賢いとか、そのような表現には縁遠い子ですが、とても心の穏やかな人です。
一部の下級貴族と平民で構成される4組は、上位に近い貴族階級の子たちが集まる1組と比較すると、陰湿ではなく明るい雰囲気のクラスです。でも、セージ君のようなのんびりした子は、やはり、いじめられる対象になってしまいます。
ですが、セージ君はマレにですが、別の人というより、「別の世界の人」のようになってしまうことがありました。
「ほお、嫌がっている女の子の手を無理やり握って、連れ去って、寮の自室に連れ込んで、自分の寄子の子弟たちを巻き込んで、学校の教員たちにも金と権力をカサに根回しして、繰り返すけれど、嫌がっている女の子の服を無理やりはぎ取って、ベッドに押し倒して、子作りにでも励もうってことですよね」
先日、1組の男の子たちが私たちに無理やり言い寄ってきたとき、その男の子たちに対して放ったセージ君の台詞です。
(冷静に思い返すと、とっても恥ずかしい内容なので・・・、冷静に思い返すと(以下同))
おそらく、貴族の子どもたちは、私たち商家の娘にも興味があるのだと思います。
ちょっと仲良くしたい・・・という気配も感じますが、私たちにとっては不愉快な感覚なのです。
貴族階級の好きな女の子も確かにいるけれど、私たちはそうではない。その空気を読めない同級生がやはりいるのです。
地方領主の跡継ぎでもない子。しかも、性格はのんびりしていて、お世辞にも成績は良くない。
そんな立場のセージ君が、マレに常軌を逸するような台詞を、にっこり微笑みつつ相手に言い放つわけです。
このときも1組の子たちは、何もいわず、怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして、自分のクラスに帰っていきました。ちなみに、私たちも軽く頭を下げただけで、直接はセージ君にお礼をいっていません。
考えてみると、こういうことが「何度か」この3年でもあった訳です。
なぜ、お礼をいえないのか・・・ですか。
あの台詞には、1組の男の子も、4組の女の子も、反応なんてできませんよ・・・(涙)




