〇クラス委員長は美少女、テンプレなのに現実だとテレる(1)
突然ですが、オレが通っている王立学園について。
基本的には、上位を除く貴族たちの学びの場である。
ちなみに上位貴族たちは、自分で家庭教師を調達するなりして、スパルタ教育を施すって寸法だ。社会性については別途いろんな経験を踏んで培っていく。「住む世界が違う」ってのも、あながち間違った比喩ではない。
細かくいうと、王立学園には、一般的な貴族階級の子弟と、平民の中での富裕層や優秀な者たちが集まってくる。
王都や王都周辺の街に住んでいるか、貴族のように王都に別邸を構えている者でないと、実際には通学できない。
まあ、オレのような地方の下級貴族の次男坊は、基本的には中等部からで、しかも、寮生活なのだけど。
学年は、
初等部が3学年(ここは基本的に平民枠)
中等部が3学年
高等部が3学年
そして、学年ごとに4クラス。1クラスあたり約20人で編成されている。
学年ごとの4クラスの編成は、1組から4組まで。
多少の前後はあるものの、基本的には上位の貴族が1組となる。
オレは4組。ここは、クラスの7割が平民で、残り3割が下級貴族で成績が低め(というか低い)の者が集まっている感じになる。
まあ、ぶっちゃけ、頭のいい平民と、頭の悪い下級貴族で構成されているってわけ。
☆
ここは【トムトーレルの街】。
助けられた(というか、捜索隊と合流したオレは)、何だかんだで【トムトーレルの街】の宿まで戻り、クラスメートと合流することができた。
4組では、一応貴族扱い。結構、みんな気を使ってくれているのだけれど、何か少しだけ距離があるというか…
基本的には、このクラスでは貴族と平民が反目し合わないので、クラスの雰囲気は悪くない。
逆に上位クラスは下位クラスに対して、かなりの差別意識を持っているものも多く(場合によっては、全く悪気がないモノも…)、建前上はみんな平等という学園の立ち位置から踏まえて、基本的にはあまりクラス間で関わりは持たない。
さっそく声をかけてくれるのは、クラス委員長のルリアナと、女の子たちだ。
王都でもっとも力のある商家の一つ、ボルエール家の一人娘。
彼女は、本当は1組とか2組とかでもいいのじゃないかなあ…と思ってた。