〇転生チートではない。(セージによる詳細なステータス解説)(2)
ステータスは、【魔】に対抗するため【教会】が作った基準である。
もともとは、複数のテストを実施することで、それぞれのパラメーターがどれくらいなのかを把握することからはじまった。
そこから長い年月を経て、【教会】の魔法技術が発展することで、「現在、パラメーターテストをしたら、どのくらいの結果がでるのか」を感知することができるようになった。これが鑑定魔法である。
Sレベルが英雄級で、A~Gまでのレベルがある。
【魔】に対抗するため、が基本コンセプトなので、学生は数値が低い。
繰り返すが、プロの探索者や兵士の目安とするのが、必要なパラメーターをDレベルまであげることである。つまり、Dレベルがプロの目安ということになる。
また、Gレベルは結構範囲が広い。中等部的にいえば、卒業までに何個のパラメーターをFレベルにできるか、がポイントになるくらい。
ちなみに、たとえば農業とか飲食業とかの従事者には、このステータスはあまり関係がない。
だって、「【魔】に対抗するための能力」がどれくらいかを判定するものなので。
そこで、セージのステータスを見てみよう。
まずもって、全パラメーターがEレベル以上。
Eレベルは中等部第三学年としてはトップレベルだろう。学園の中で無双できるって感じ。
そして、HPが、まさかのBレベル。
さすがに【大樹海】の中では油断したら一たまりもないかもしれないが、普通に考えれば、少々じゃ死なない、いや死ねないレベルだ。
死に至る病に侵されていた身としては、そして体感的に1日前に本当に死んだ経験のある身としては、セージ的に非常にびっくりである。
筋力、速さ、持久、機敏は、主に前衛職に求められるパラメーターである。
筋力や速さのEレベルは、他パラメーターと比べると低いとはいえ、今までのセージと比べると天地の差がある。
そして、持久が予想通りのBレベル。
だって、森の中を半日走り続けることのできる人間なんて、ほとんどいないと思う。
そもそも運動制限されていた誠二はともかく、決して運動神経が抜群とはいえないけれど、外で過ごすのが好きだったセージからしてみれば、持久のパラメーターが最もはやく上昇しやすかったのは確かである。
まあ、最大の理由は【魔神】が怖くて、早く【魔族】公爵(繰り返すが、名前は聞いていない)がいた場所から離れたかったため、一生懸命走ってきたからだけど。