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〇【大樹海】から脱出しよう。(3)

『ふふふ、おいら、隠蔽は得意中の得意なのだ。だから、おいらがあるじどののお供をすることになったのだ!』


胸を反らして断言するウィッキー君。

説得力が全くないね。

多分、今後を含めて、オレの人生の中で最も危険なシーンを演出した手長猿にこんな事をいわれても。

味気のない山鳥の肉と少し火をあぶった山菜を食べきって、オレは身体を休めることとした。



さすがにウィッキー君のナビゲートのおかげで、【大樹海】の中、同じところをグルグル回ることなく進んでいるらしい。

ただ、方向が正しいかは定かではない。

だって、【魔神】がいるかも知れない地域と、全く反対の方向に進んでいるに過ぎないのだから。


ところで、午前中、ずっと小走りのようなスピードで移動している。

全く疲れないのが驚きだ。経験を積むとパラメーター上限値が強制的に引き上げられるのは本当らしい。

時折、ジャンプしてみたり、走ってみたりと、様々な動きをいれてみてみる。

短距離走選手のように動けることを期待したが…やっぱりいきなりは無理みたい。

いきなりは無理だけれど、走れば走るほど、敏捷性が高くなっている…気のせいではなさそう。


あと、気づいたのは、森林の中を移動するには、足を踏み出す進行方向の地形や状況を、集中して把握しないといけない。

でも、今のオレは、それをしつつ、周囲の状況に目を配れている感じである。

だから、進行方向にいる【魔獣】に対して、ウィッキー君が先だって【威圧】することで、オレと【魔獣】のエンカウントを避けていることが何となく分かった。

オレの中で、ウィッキー君の好感度が多少あがった。

たとえていうなら、マイナス100が、マイナス95になった程度だけど。


『さて、あるじどの。この辺りで一旦休憩するのだ。果実をみつけたので、ラッキーだったのだ。』


ウィッキー君がコケモモの群生する場所をみつけてくれた。

何せ30cm程度の体躯である。たとえ、【魔獣】を威圧し、小さな獣を仕留める身体機能があったとしても、荷物の運搬は無理。

森の恵みを、しっかり量を食べることができるのは、正直、ありがたかった。

【大樹海】の中で、寝床と食糧を確保する手長猿(あえて神様とはいわない)。

オレの中で、ウィッキー君の好感度が多少あがった。

たとえていうなら、マイナス95が、マイナス90になった程度だけど。


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