〇【大樹海】から脱出しよう。(2)
「手長猿、オレはお前をどう呼べばいいの?」
『あるじどのー。手長猿は容赦してほしいのだ。これでも、おいらは【地神】なのだー』
「【魔族】を呼び込んだくせに…」
『くっ…、それをいわれると弱いのだ…』
そして、神様がポロリといっていた、ちょっとあれな性格っていうのが気になる。
『いずれにせよ、人間たちに【地神】であることを悟られてはいけないので、自分のことはウィッキー君と呼んで欲しいのだ。』
「くん、はいるの?」
『さすがに呼び捨てはいやなのだ。手長猿っていわれるのもいやなのだ。その代わり、ざっくばらんに話かけてもらっていいのだ。』
成程、君付けで呼ぶ代わりに、口調はざっくばらんでいいのか。
まあ、事の経緯から、とても崇め奉る気は毛頭ないが。
しかし、ウィッキー君か。手長猿の方が、威厳があるような気がしないでもない…。
ちなみに、ずっと、ざっくばらんな口調であることは、気にしていない。
「わかったよ。ところで、ウィッキー君はいつまで付き合ってくれるの?森をでるところまで?」
『いやいや、あるじどの。そもそも、神様の手違い?が事の発端であるからに、あるじどののために、しばらくはこちらの留まるつもりなのだ。』
「…【魔族】公爵」
『つ、次は気を付けるのだ。【神気】は完全に隠してしまうのだ。』
「【教会】の人には、さすがにバレるのじゃないのかなあ…」
『ふふふ、おいら、隠蔽は得意中の得意なのだ。だから、おいらがあるじどののお供をすることになったのだ!』
胸を反らして断言するウィッキー君。
説得力が全くないね。