〇混乱するセージ(3行くらい)
サクサク感(読感)を求めて、作品を小改稿してみました。
よろしくお願いします。
※1日4話、投稿していきます。
セージ・ウォレスは、地方領主の三男坊である。
心優しい、野山を愛する少年だが、ちょっと勉強は苦手で、学問には弱い。
実家では、肩身も狭く、弟妹がちょっと懐いてくれるくらい。
学校では、気も弱く、少し低くみられている感じ。でも、露骨にイジメられることもない。
少し遠慮がちにも、結構、みんな和気あいあいとつきあってくれている。
ということで、トータルでは、貴族であることを配慮してくれる学校にいる方が楽。
そんなセージが、針葉樹の森の中で茫然と立ち竦んでいた。
王立学園中等部第3学年は、現在、野外活動実習中である。
森歩きに親しむセージにとっては、年1回の数少ないほっとできる学園活動だ。
だったはずだ。
☆
今回は中等部最終学年ということもあり、【大樹海】の植生や魔獣分布の一端を体感するため、【大樹海】の入口付近まで来ていた。
先導する教員や探索者、そして学年のみんなと一緒に。
繰り返すと、みんなと一緒に。
しかし、見渡さなくても分かる。
何故か、誰も、いない。
頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。
頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。
頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。頭の中が混乱する。
ふと気づくと傍らに何かいる。
薄茶色の手長猿。くりくりとした眼に、どういうことか知性を感じてしまう。
頭から尻尾の付け根まで約30cm。ぬいぐるみのような愛らしさだ。
不思議と【魔】の要素は感じない。どちらかというと、高位の精霊のような…
「僕に精霊の知り合いなんていたっけ?」
手長猿は慌ててセージの体をよじ登って、右肩に座った。その表情は…とても焦っている!!!
手長猿が森の奥を指さしている。
その方向から、素人でも分かる、とっても「まずい感じ」をセージは感じてしまう。
『あるじどの!。早く逃げないと【魔族】がやってくるのだ~~~』
皆さん、ウィザードリーって好きですか。
私は結構、ハマったクチです。