ウォータースライダー
山田志県大里町にある、巨大なスイミングパーク「スーパーワールド」。
今日は、ある小学生のグループがここへ遊びにきていた。
このスーパーワールドには、三つのウォータースライダーがある。
一つ目は、トンネルに覆われている、とても長いスライダー。
二つ目は、とても開放的で、スリルたっぷりのスライダー。
三つ目は、ごくふつうのスライダー。
小学生は、やっぱりウォータースライダーが大好きだ。この小学生グループのうちの一人が、言った。
「チューブスネイク(一つ目のスライダー)にのろうよ。」
このスライダーは、非常に高い位置から落ちる。そのため、かなり長い階段をのぼらなければいけない。
階段をのぼりきった小学生のグループは、やはり少し怖いのか、誰が最初にいくのかじゃんけんで決めることになった。
結果、のろうと言い出した少年が一番にすべることになった。
少年の順番になった。かなりきつい傾斜のチューブスライダーを、滑っていく。
「うっひょー、気持ちいい。」
右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり・・・
さすが、長いことで有名なウォータースライダーだ。びっくりしてしまうほど、長い。だが、ウォータースライダーをこよなく愛しているこの少年は、決して飽きることはなかった。
右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり・・・
長い。いくらなんでも長すぎる。ここまで長くしたら、いろいろ問題もでるんじゃないのか。
右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり、右にふられ、左にふられ、右にふられ、左にふられ、きつい傾斜をおり・・・
駄目だ。いつまでたっても終わらない。
実は、この少年はこのスライダーをとおして四次元空間におくられていたのだ。
一度おくられてしまったら、もう二度とスライダーから出てくることはできない。少年は、永遠にすべりつづけるのだ。そう、おにいさんになっても、おじさんになっても、おじいさんになっても、そして、死んでも・・・・
小学生のグループは、この少年だけいないのに気づいていたが、あまり仲良くなかったのか、無視してかえって行ってしまっていた。