表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

#18 元凶に近付く

「……どうしていれば?」

「…さ、さぁ」

誠と龍牙はホテルの外で途方に暮れていた。


機械を作るために集中したいから出ていけと三人は美郷から追い出された。


「ん?」

誠は尊が電話しているのを見た。

いわゆるガラケーと呼ばれていた電話だった。


「…まだガラケーあるんだな」

「ガラケー?何すか?それ。あれは今の最新式っすよ?」


誠は不思議に感じた。

「…どういう事?」

「あれはバリバリ鮮明に通話が出来る最新機種です。電波が弱くて相手の声が小さいってのもあれなら鮮明にはっきり聞こえるんです」


「どういう理屈で?」

「さぁ、そこまでは企業秘密なのか発表されてないですけど、骨伝導だかなんだかって噂があります」


「…久々に聞いたな、それ」

「平成にもあったんすか?」

「あった。すぐに無くなったけどね。いやウリにしてなかっただけであったのかな?」

「何で無くしちゃったんすかね?」

「さぁ……。いまいちユーザーに良さが伝わらなかったんじゃないか?」

「もったいない時代っすね」

「…そうだな」


二人が話しているところに尊が入る。

「…誠さん、望月さんがお呼びです」

「ん?また?」

「はい、望月さんが調べてわかった範囲での法律制定に関わった面々を教えたいと写真を用意したようです」

「なるほど、じゃあ行こうか」

「こちらです」



尊の案内で美郷がいる部屋とは別のスイートルームに誠は通された。



「何度もごめんなさい」

「いや、こちらとしても助かる」

「ではこの写真を」

香弥子は三枚の写真を誠に渡した。

一枚一枚確認する誠の後ろから龍牙と尊も一緒に確認していた。


「…誠さん、こいつ!研究所の所長です!」

突然龍牙が一枚の写真を指差す。

年齢は40歳前後、眼鏡をかけた白髪で細身の男性だった。


「新しく変わったっていう?」

誠が聞き返すと

「はい…そして、こっちの男は誠さんと香澄さんを追いかけていた奴です」

もう一枚に写っていた男はオールバックで筋肉質な体型をしていた。


「…そういえば捕まえてたけど、あの後どうしたんだ?」

「あのまま放置してます」

「あっ、そうなんだ」


誠は写真をよく見て

「この二人が関わっている、か」



「ちなみに所長がその男に変わってから法律が変わったわ」

部屋に香澄が入ってきた。


「おまっ!どうして?俺は大丈夫なのか?…いや、俺じゃないか、いや俺だ」

誠は混乱している。


「あなたはまこっちゃん、この時代はまこぽんって呼び方で分ければいいんじゃない?」

「父親に対して何て呼び方をするんだ」

「あなたは父親じゃないし、まこぽんもお父さんとは思ってないから」


「そんなことよりどうしてここに?」

龍牙が強制的に会話を終らせる。


「堀田さんに連れてきてもらったの、私もまこっちゃんと行こうと思って」

「夕子ちゃんが?」


「ホテルの外でうろうろしてたから話を聞いたらそういうことだったからね。もちろん警戒はしてたわよ」

夕子も部屋に入ってきた。


「俺と?いいのか?」

「…私は研究所にはつかないし、お母さんとも違う。私は…美郷さん派よ」

「そうか、わかった」


「で?どうするの?」

香澄は誠に問いかける。

「ん?今お前が言った事でわかった」

「わかった?」

「あぁ、こいつが研究所の所長になってから法律が変わった。じゃあ所長が変わらなかったら?」

「そこが関係してると?」

「何で所長が変わったんだ?」


「…わからないのよ」

「わからない?」


「あっ、いつの間にか変わってたってわけじゃないわよ。前の所長の事も覚えてるし」

「純粋に何故変わったのかの理由がわからないと?」

「ええ、何で変わったのかは説明されなかった。上の人に聞いても知らないの一点張り。多分美郷さんも知らないわ」


「それじゃまずはそこを調べるところからだな、その前の所長は今は?」

「それもわからないの、誰も姿を見てないから」

「過去に戻る技術が完全に欲しいから所長になったと予想すると、最悪の場合……」

「…殺されてる?」

「美郷の作業が終わったらその所長が変わった年に戻ってみよう」

「そうね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ