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#16 材料は用意します

「…いくつか聞いていいか?」

誠は香弥子に疑問に思ったことがあるので聞くことにした。


「はい、何でしょう?」

「その変な法律を作った総理大臣がいなくなって望月さんになったのに、なぜ法律だけが残っているんだ?」


香弥子は悔しそうに爪を噛んだ。

「…そこは私も甘く見ていました。簡単にお話しすると総理大臣の力だけで法律は決まらないって事ですね」

「そういうことか。どれだけの人数を過去に戻って懐柔したんだ…。それともう一つ」

「はい」


「他におかしな法律や国としておかしな部分は?」

「…浦島さんはこの時代に来てまず何を思いました?」

「空飛ぶ車とか無いのか…って少し残念だったな。街並みもそんなに変わってないし」

腕を組み少し上を見ながら誠は思ったことを答える。


「はい、その原因はこの国の政策にあります。国内総生産等を増やすために輸入を最大限に減らし、輸出は増やそうと考えた総理大臣がいました」

「なんじゃ、そりゃ。そんなの世界から孤立するだけだろ」

「まさしくその通りです。その影響で日本は今、望まない鎖国状態にあります」

「TPPとかそういったものを反対する人達はいたけど、そこまで極端だとそうなるよな。そっちからは輸入しないけど、こっちのものは輸入しろと世界中に言ったって事だろ?」

信じられないといった表情で首を傾げた。


「はい、ですがその件に関しては今こちらで何とか世界各国と交渉を続けている最中ですので大丈夫です」


「そうか、じゃあ当面はその前の総理大臣が作った法律を何とかするだけか…」

「はい、方法はお任せします」

「…便利な言葉だな」

誠は苦笑いをした。


「ふふっ、まぁ、お分かりでしょ?」

「あぁ、何かあっても直接関わっていない証拠が欲しいんだろ?わかってるからいいよ。何かあっても俺は過去の人間だしな。未来に逃げても無駄だが過去なら問題は無い」

「…話が早い方で助かります」


「…美郷、タイムトラベルの機械をまた作るのにどれぐらいかかる?」

「うーん…、材料が無いのよねぇ」


「それならお任せを。必要な物を言ってもらえればすぐに用意するわ」

「ほんと?じゃあ今メモ出来るの持ってる?」

「…堀田さん、ちょっと」

香弥子は夕子を呼んだ。


「はい、何ですか?」

「今からタイムトラベルの機械をまた作るための材料を聞くからメモしてくれないかしら?」

「わかりました。では美郷さん、これにお願いします」

夕子はポケットから誠が知るスマホを取り出した。


「…そこも変わってないのか?」

「……あっ、これですか?これはメモ帳です。書いたものが自動的に記録されるんですよ」

「進化してるのかしてないのか……」

「まぁ、色々とほとんど変わってないと思います」

「そ、そうか…」

誠は笑顔を作った。


「…はい!じゃあこれをお願いします!」

美郷はメモしたものを夕子に渡した。

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