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#12 確認

美郷は困惑していた。自分が過去に行っている間に総理大臣の顔が変わっていたのだから。

しかし法律が大きく変わった様子も無く、ただ単に総理大臣が変わっていただけのようだった。


未来が変わればその時代の人達の記憶も勝手に変わるはずだった。

しかし何故か美郷の記憶は変わってはおらず誠に会いに行くときの記憶のままだった。


「私が知ってる総理大臣は早坂喜美子、あなたじゃないわ」

「ふふっ、そう。あの女は今頃専業主婦をしてると思うわ」

女性は歩きながら座らせている美郷を見下しながら話した。


「…その情報はどうでもいい。あなたは誰?」

「望月香弥子。現総理大臣よ、覚えておいてね」

「あなたは一体どこの誰なの?」

美郷は香弥子を睨み付ける。


「それは知る必要あるの?」

「私が持ってる技術、知識が必要なんでしょ?私、知らない人には教えないわ」

「…なるほど、逆に言えば知り合いには教えるのね?」

「目的によるけどね」

「まぁ、いいわ。私は早坂の秘書だった。それが今では私が総理大臣」

「…あなたの協力者は誰?」

「もちろん、わかってるでしょ?」

「知らないわ、誰?」

「…本当に知らないの?憐れな人」

「じゃあ、その憐れな人を解放してくれないかしら?」

美郷は不敵に笑う。


「それとこれは話が違うわ。あなたには私の下についてもらう」

「なぜ?」

「…今はまだ話せないわ」

「じゃあ全てが無理な話ね」

「後悔はさせないわよ?」

「というより私が連れてこられる時に機械壊されてるんだけど、治療はしてもらえたみたいだけど撃たれたし。そんなんで協力しろ?ふざけてるわね」

「協力しろとは言ってないわ。下につけって言ってるの」

「…傲慢ね」

「じゃなきゃここまでの事は出来ないわよ」

香弥子はハハハハと大きく笑った。




組織 地下室


誠は神社で会った女性の事を梨々香に聞いていた。

「あの女性は信用していいのか?」

「…私から協力を要請してるからそこは心配しなくてもいいわ。何よりここの一員だし」

「そうか、梨々香から連絡を受けたみたいなこと言ってたな」

「えぇ、あそこだったらまずは大丈夫だと思うわ。そしてそこで私と龍牙くんで待つわ」


誠は腕を組みながら梨々香に

「…作戦を始めから確認してもいいか?」

「えぇ、もちろん」

「俺と香澄で美郷と総理大臣が来るのを待ち、降りてきたところを二人で救出」

「えぇ」

「その後、堀田さんの助けを得て神社に美郷を連れ込む」

「…連れ込むって言葉が少し引っ掛かるけど、えぇ、そうよ」

梨々香は同じように腕を組んでから座っていた椅子に仰け反った。


「そこでこの時間に待っている梨々香と龍牙くんで逃げるって事でいいか?」

「そうね、初めは誠と香澄でって言ったけど、より可能性の高い救出にするために私達も行くことにするわ」


「疑問いいか?」

「何かしら?」

「敵の護衛はいないのか?例えば美郷を連れ去ったあいつとか」

「恐らくいないわ。報告に上がってないから。いたとしても運転者だけでしょう」


誠は組んでいた右手を動かし顎を触った。

「…そこが引っ掛かるんだよな」

「手薄すぎる?」

「そう、それ。周りに誰もいなかったのかな。もちろん離れた場所にも」

「私もそこは懸念してるわ。あまりにも稚拙すぎる」

「あぁ、…俺にも使える武器ってあるか?」


梨々香は立ち上がる。

「何?急に」


「いざという時のためだよ」

「誰にでも扱える警棒ならあるわ。けど銃を使われたら終わりよ?」

「無いよりはいいさ」

「…気を付けてね。今のあなたが死んだら香澄がいなくなるんだから」

「あぁ、わかってる」

誠と梨々香はしばらく見つめ合った。


美郷救出作戦が始まる。

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