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幼女エルフと始める異世界生活  作者: 朝倉翔
第3章
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旭は丹奈と対談を行う

 丹奈がイケメン達の介抱を終えた後、俺達[ROY]と[マスターガーディアン]の面々は、決闘場の真ん中で話し合いを行っていた。

 ちなみにテーブルと椅子は俺が【クリエイト】で創造しました。

 長テーブルにパイプ椅子……会議室によくあるような形状でございます。


 長テーブルに向かい合って座る俺達。

 人数の違いからこちらが面接を受けているような感じがするが……。

 実際にはこちらが面接を行う形だ。

 俺は机の上で手を組んで話を切り出す。


「さて、2戦とも俺達の勝利で終わったわけだが……。もうルミアを連れて帰るなんて言わないよな?」


 俺と丹奈達が戦うきっかけになったのは、ルミアをダスクの街に戻してくれというダスクのギルドマスターからの依頼があったからだ。

 しかし、勝負に勝った以上その話はなかったことになる。

 ……向こうがちゃんと約束を守るのであれば。


 俺の問いかけに対し、丹奈は諦めたように肩をすくめた。


「負けたのはこっちなのに、約束を反故にするようなことは言わないよ。アーガスさんには私の方から事情を説明しておく。……私達が負けたから次の刺客を送ってくることはないと思うけど」


「それならいいんだけどな。元よりルミアはあそこのギルドマスターを嫌っていた。仕事を1人の職員に全部押し付けるなと言っておいてくれ」


「りょーかいー」


 ……よし。これでルミアは名実と共に俺達の仲間になった。

 ルミアの方を見ると、瞳を潤わせてこちらを見つめている。


「旭さん……本当に約束を守ってくださるなんて……ッ!やはり私が貴方を好きになったのは間違いじゃなかった……!」


 そう言ったルミアは俺に勢いよく抱きついてきた。

 俺はそんなルミアを抱きしめながら頭を撫でる。


「ルミアお姉さん!嬉しいのはわかるけど、まだ話し合いの途中だよ!?」


「ルミアさん、よっぽど嬉しかったんだね。お兄ちゃん、後で私とレーナの頭も撫でてよ?私達も頑張ったんだから」


 俺に抱きついたルミアをみて、場所を考えなよ!と言わんばかりに声を上げるレーナと、優しい視線で見守っているリーア。

 レーナの場合は……その言葉が自分にも跳ね返ってくることに気がついているのだろうか?

 ……いや、あれは気がついていないな。

 俺は2人に苦笑しつつ、言葉を続ける。


「わかっているって。ちゃんとレーナとリーアの頭も撫でてあげるから。……ルミア。俺が大事な女の約束を破るなんて、そんなことするわけないだろ?……どっかの誰かさんは色々やらかしてくれたが、ルミアもレーナもリーアも俺は裏切ることをしないから安心してくれ」


「旭さん……!そうですよね……!私も旭さんの大事な女ですものね!……えへへ……やった……!」


 ルミアは俺の言葉に小さくガッツポーズを作って喜んでいる。

 たまにそういう幼く見える仕草をするから女性というのはずるいと思う。


 ちなみに俺の言葉に丹奈は身体をビクつかせていた。

 どっかの誰かと言ったから丹奈である可能性はないかもしれないのに、こういうところは素直だな。

 まぁ、その考えであっているんだけど。


「……そういえば、ニナにこれをやるよ」


 俺はルミアをそう呟いて丹奈に向かってあるものを投げる。


「……わっ!?……ってこれ、あの同人誌じゃない!……なんで負けたのにくれるの?」


「俺が持っていても意味がないからだよ。元々この同人誌は対ニナ用に購入したんだし」


「…………ありがと」


 俺の言葉に丹奈は小さな声でお礼の言葉を告げる。

 ……毎回そんな態度だったなら別れることもなかったろうに。

 いや、無理だな。うん。


 俺と丹奈のやりとりをみたレーナが俺にきつく抱きついてきた。


「パパ!元カノをその気にさせてどうするの!……今の貴女にパパはあげないんだから!!!」


 ガルルルル!と丹奈に向かって威嚇をするレーナ。

 レーナは独占欲がかなり強いから、元カノといい雰囲気だったのを感じ取ったのだろう。

 ……俺としてはそんなつもりはなかったのだが。


「今のはツンデレを発動させたお兄ちゃんが悪いかなぁ……。でも、私もレーナと同じ気持ちだよ。そんなにイケメンを侍らせているんだから、お兄ちゃんは絶対に譲らないし、渡さない」


 リーアは表情こそ落ち着いていたが、丹奈に話しかけるその声音は凍てつくほど冷たかった。

 レーナとリーアの2人から発せられる殺意がこもった【狂愛】のオーラに、丹奈のイケメン達はガクガクと震えている。

 ……ゼウスまで震えているのは流石にどうなんだ?

 そろそろ慣れた方がいいと思う。

 オーラの対象になっている丹奈はどうなのかって?

 歯噛みして羨ましがっているよ。

 あいつヤンデレ好きだからな。


「レーナ、リーア。落ち着け落ち着け。今の俺にニナと付き合うつもりは毛頭もないよ」


「「本当……?」」


 レーナとリーアは上目遣いで俺に尋ねてくる。

 そんな2人の頭を愛おしげに撫でながら、俺は答える。


「本当だとも。俺が今好きなのはレーナとリーア……それにルミアだけなんだから」


 俺の言葉を聞いたレーナとリーアは顔を真っ赤にしてきゃあきゃあはしゃいでいる。

 不意打ちを受けたルミアはというと……。


「……え?ええ!?旭さん!不意打ちでそんなこと言わないでください!!恥ずかしいじゃないですか!!」


 耳と尻尾をピーンと伸ばして狼狽えていた。

 ふふふ……自分には来ないだろうと思って油断していたな?

 油断しているからこんな不意打ちを喰らうのだよ。


 ルミアにポカポカと背中を叩かれながら、俺は丹奈に向き直る。


「で、ニナ達はこの後どうするんだ?すぐダスクへ帰るのか?」


「そうだなぁ……。きてすぐに帰るのも味気ないし、数日はウダルで過ごすことにするよ。ここの特産の野菜とか日本より美味しいしさ」


 丹奈はそう言って苦笑いを浮かべる。

 ……まぁ、確かにウダルの街の農産物は美味しいからな。

 それを食べずに帰らせるのは流石に酷というものだろう。

 米は相変わらず食べていないみたいだが。

 日本人が米嫌いでどうする。

 いや、苦手な人もいるだろうけど、こいつの場合はとにかく酷い。

 米なんてなくなればいいのにとか抜かすくらいには酷い。


「じゃあ、当初の約束通り、必要以上に俺達に関わるなよ?ゼウスを召喚する度に『神霊魔法の後の蘇生は控えてくだされ』なんて言われたくないんでな」


『主……何気に根に持つタイプですな……?主による【眷属強化】でその問題は解決したのですが……』


 俺の言葉にゼウスが進言してきた。


「ははは。何を言っているんだゼウス。俺は根に持つタイプじゃないぞ?じゃあ、今日はお疲れさん。また何かあったらよろしくな」


『主!?ちょ……まだ話は終わっt……ッ!』


 俺は半ば強制的にゼウスを送還する。

 根に持つタイプなのは自分でわかっているが、それをゼウスに言われるのは……なんか癪だったんだ。

 ゼウスを送還した後、四神達にも指示を出す。


「四神達もお疲れ様。最終的に殺し合いにはならなかったが……強化した【災厄ノ流星群】も耐え抜いたし、結界の強度は問題ないだろう。今後も強力な魔法を使うときは召喚するからそのときはよろしく」


『強化がなければ怪しかったがな。白虎と同じ魔法なのにあの威力……ご主人は人間というカテゴリーから外した方がいいんじゃないか?……まぁよい。各々聞いたな?我らはご主人の命を達成した。邪魔にならないうちに帰還するぞ』


『『『了解だ』』』


 朱雀は失礼なことを言って送還される。

 いや、俺は人間というカテゴリーだからな?

 ロボットじゃあるまいし。


 そして……決闘場には俺達[ROY]と[マスターガーディアン]のみが残った。

 俺はレーナとリーアの手を引いて、決闘場を後にする。

 ルミアは俺の服を掴んで付いてきている。


「じゃあ、俺達はギルドマスターに勝負の結果を伝えてくるから、そちらはそちらで行動してくれ」


「了解。……あーちゃん、仲間を殺さないでくれてありがとね」


「……気の迷いってやつだ。次はないからこれに懲りたらもう突っかかってくるなよ」


 そうお礼を言ってくる丹奈にむず痒いものを感じる。

 あいつが素直に礼を言うこと自体が異常なのだ。そうに違いない。


「……パパ?本当に元カノのことはどうとも思っていないんだよね……?」


「……お兄ちゃん?昔の女は早く忘れるに越したことはないよ……?」


 俺の言葉を受けてまたツンデレが発動したと勘違いしているレーナとリーアが、俺の手をきつく強く握ってくる。

 そんな2人をみたルミアが微笑ましい顔を浮かべながら、2人に声をかける。


「まぁまぁ、2人とも。旭さんが今更丹奈さんとよりを戻すなんてありえませんし、落ち着いてください。……よりを戻さないですよね?」


 おっと、2人を宥めてくれていると思ったら、ルミアの矛先もこちらに向かってきたぞ?

 さっきの行動は居心地が悪かったからというだけなんだが……説明しようにも言葉だけじゃ納得しなさそうだ。


「なんともないって。……そこまで疑うなら……こちらにも考えがある。ギルドマスターへの報告が終わったら覚悟しておけよ?俺がどれだけ3人を愛しているか……その体に刻み込んでやる。丹奈のスキルに【催淫強化】があった。俺も使えるみたいだからそれも試したいし。【色欲魔人】のスキル使うから嫌だって言っても無駄だからな?」


 俺の言葉に体をビクンと震わせる3人。

 ……少し怖がらせてしまったかなと思ったが、どうやら興奮しただけのようだった。

【色欲魔人】vs【サキュバス】か……。

 泥沼の戦いになりそうだな。


 そんなことを考えながら冒険者ギルドに向かうのだった。


 …………一方、俺達が立ち去った後に残った丹奈達は……。


「ちょっと待って……。私が【催淫強化】使えるのをなんであーちゃんが知ってるの?」


「おそらくだが……【鑑定眼】を持っているんじゃないか?詠唱を口にしないで魔法を使えるとは思えないが……使った形跡がなかったからその可能性が高い」


「え……じゃあ何?あーちゃんが本気になったら私達なんて絶対に勝てないじゃん!!……ユウとカイル、それとダンケ!!貴方達があーちゃんを挑発するから死にかけたんだからね!?しばらくの間、罰として行為はしないから!!!」


「「「……すみませんでした!それだけは勘弁してください!!!」」」


 どうやら俺を挑発した者達と言い争っているようだった。

 まぁ、俺に関係なければそれでいいか。

 俺は傍聴魔法を解いて、レーナ達を相手することに専念することにした。

やっぱりヤンデレ状態のレーナとリーアは可愛いですね。

ルミアも早くヤンデレ覚醒しないかなぁ……。


丹奈達はまたちょくちょく出す予定ではいます。

イケメンは嫌いですが……絡ませやすいので。


次の更新ですが、本日の夜パートが終わったらそのまますぐバイトの夜勤に行く都合で遅くなるかもしれません。

3/4〜6のどこかであげられたらと思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 隷属や精神系の魔法であやつられてたら別だけどマトモな状態で相手の力量すら測れないのは笑えるよね(笑)
2020/01/17 12:54 退会済み
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