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幼女エルフと始める異世界生活  作者: 朝倉翔
第2章
38/199

旭は四神の試練を受ける-前編-

なんとか2日更新できないと言う事態は免れました……。


『まさか四神の攻撃に対して、さっさと攻撃してこいと言ってくるやつが現れるとはな』


 青龍は俺の目の前に立ってそんな事を話してくる。

  ……どうでもいいのだが、早く攻撃してこないのかね?

  こう話している間にも時間は刻一刻と過ぎていくんだが……。


「御託はいいと言った。神霊魔法級の召喚獣なら全力で攻撃してこい。俺がふさわしいかどうかを試すのだろう?」


『ハッ……!言いよる!お望み通り全力で攻撃してやろうではないか!』


  青龍はそう言うと、力を溜め始めた。

  青龍の周りに水の竜巻が出現し始める。青龍というだけあって水での攻撃を得意としているようだ。


『さて……お主はこの攻撃を耐えきれるか……?【天災ノ大渦潮(メイルストローム)】!』


  俺の周りに青龍が放った水の竜巻(渦潮らしいが)が容赦なく襲いかかる。

  【聖域】を2枚展開しているので、今のところはダメージはないが……さてどうなることやら。

  一枚は破られるかなぁ……と思っていたのだが……。

  【聖域】は一枚も破れる事なく、青龍の攻撃は空中に霧散する。


『……我の攻撃が【聖域】1枚すら突破できんだと!?』


  青龍は禁忌魔法の【聖域】 を破れなかったことに驚愕している。

  ……いや、正直レーナとリーアが放った【終焉の極光】の方が威力は高かったと思う。

  あの時はピシピシとなっていたからな……。


  朱雀はその光景を見て、青龍に話しかける。


『青龍よ、全力で攻撃したのだろうな?』


『当たり前だろう!試練に手を抜くことなどありえん!』


『そうだろうな。さて、青龍の攻撃を見事に耐えきった。次は玄武だ。【聖域】を展開し直すなら時間をやるが……どうする?』


  朱雀はそんな事を俺に言ってくる。

  本当なら展開し直したほうがいいのかもしれないが……。

  玄武までの攻撃ならこのままでもよさそうだ。

 

「いや、問題ない。このまま試練を続けてくれ」


『……だそうだ。次は玄武、お主だ。』


『了解した。まぁ、青龍が与えたダメージもある。【聖域】1枚くらいは突破できようて』


  そう言って玄武が俺の前に立ちふさがった。

  ……にしても、玄武って本当に亀なんだな。

  首が1つしかないのは少し残念でもある。


『さて、「御託はいい」だったか?なら早めに準備を始めるとしようか』


  玄武は俺の言葉通り、すぐに攻撃してくるようだ。

  実に物分かりがいい性格だ。

 

『さて……我の攻撃も見事耐えてみせよ……!【森羅万象】!』


  玄武が呪文を唱えた途端、地面から槍のような鋭い樹木が数百本ほど俺の方へ勢いよく伸びてきた。

  その樹木は俺を通り過ぎて上空で一旦止まる。

  俺は思わず首をかしげる。


「上空で止まった……?動くと作動するタイプの攻撃か……?」


『カカカ……。そんな生易しいはずがなかろう?これは……こうするのだ!』


  玄武が一声吠えたと思った次の瞬間……。


  ーーーードドドドドドドド!!


  上空で停止していた樹木がスコールのように俺の元に降り注いできた!

  【聖域】に数百本以上突き刺さり、耐久力がどんどん削られていく。

  当たるたびに鋭い槍のような樹木は霧散していくのだが……いかんせん数が多い。


  ーーーードドドドドドドド……パキン。


  遂に1枚目の【聖域】が破られてしまった。

  青龍と玄武の攻撃を連続で耐えることはできなかったようだ。

  しかし、1枚目の【聖域】が破られたと同時に、玄武の攻撃も終了したらしい。

 

『ふむ……青龍の攻撃を受けた後でも1枚突破するのが限界とは……。もはや禁忌魔法の耐久力ではないな!!』


  玄武はガハハハと大声で笑っている。

  過ぎたことはあまり気にしないタイプらしい。

  朱雀の後ろで白虎が白眼をむいているが……最後が楽しみだな。


『まさか玄武の攻撃でも耐久力の減った【聖域】でようやく突破できる程度とは……。さて、次は我の番のわけだが……どうする?』


「そうだなぁ……流石に1枚だと厳しいと思うから再展開させてもらうとしようか」


  俺はそう言って再展開するための時間をもらう。

  さて……朱雀の攻撃は残っている【聖域】で問題ないとして……。

  白虎の攻撃を耐えつつ、相手の意表をつけるような状態にしたい。

  叡智さん……何かいい案はあるかな?


  ーーーー[疑問を確認。そういうことでしたら、【魔法攻撃反射】を【聖域】に組み合わせるのはどうでしょう?レーナとリーアが行なっていた魔法創造みたいなものですね。旭ならば禁忌魔法の創造くらい容易いでしょう]


  なるほど、レーナが【狂愛ノ束縛】を創造したから、同じような事をすればいいと。

  レーナは俺限定で神霊魔法級の魔法を創造した。

  愛娘でさえ、そんな威力の高い魔法を作成できるのだ。

  よし、【魔法反射】はバレないようにして……と。


「……【聖域】!」


  先に張った【聖域】と寸分変わらないものが内側に展開される。

  しかし、今張った【聖域】は【悲哀】による追加強化と【魔法攻撃反射】を重ねがけした今までの中で最上級の【聖域】だ。

  ……まぁ。先ほどまでの【聖域】も神霊魔法級の攻撃ですら2発は耐えられるんだから、すでに禁忌魔法の域を超えている気がするんだけどな。


「朱雀、準備できたぞ。いつでもこい」


『……?先ほどかけた魔法と同じか……?なら我の攻撃で1枚は突破できよう。四神のまとめ役として誇りをかけた攻撃……見事耐えて見せよ!』


  朱雀は炎の力をその身に宿し始める。

  【太陽光照射】並みの光の強さだ。

  ……四神のまとめ役として他の四神より攻撃力は高いらしい。

  ただ、【太陽光照射】程度なら余裕で耐えられるぞ……?

  そう思っていた時のことだった。


『いつまでその余裕が持つか……【コロナバースト】!』


  朱雀の体から凄まじい音を立てて業火が俺に襲いかかる。

  コロナって確か……100万度を超えると言われているあのコロナか!?

  俺の視界は朱雀から放たれたコロナで覆われる。

  さすが四神のまとめ役というだけはある。

  【聖域】がダメージを吸収しているのに、ものすごく熱い。

  本来なら熱いどころの話ではないと思うので、熱もある程度吸収しているのだろう。

 

  朱雀の攻撃が終わった頃、俺の周辺は荒野と化していた。

  どれほどの威力だったかよくわかる。

  ……しかし。


『……クッ!全力の【コロナバースト】でもヒビを入れることしかできんとは……!』


  朱雀は悔しそうにうめき声をあげる。

  そう、俺の【聖域】はヒビこそ入っているが、1枚目でその攻撃を吸収しきっていた。

  あの攻撃ですら一撃で耐えてしまうとは……。

  【聖域】は禁忌魔法じゃなくて神霊魔法でもいいんじゃないか?


『我の攻撃を耐えきるとは……もはや見事といえよう。次は第1の試練最後の白虎だが……結界は張り直すか?』


  確かにヒビが入った状態で白虎の攻撃を受けるのは致命的だろう。

  まぁ、2枚目に張った【聖域】が本命なので別に構わないといえば構わないのだが。

  ……まてよ?これ別に【聖域】2枚もいらないんじゃないか?

 

「いや、四神のまとめ役と言っていた朱雀の攻撃を【聖域】1枚で耐えられたんだ。()()()()の攻撃なら1枚で問題ないだろうよ」


『……貴様、この我を愚弄するか!』


『白虎、落ち着け。挑発を真に受けてどうする。……お主の意見は把握した。では、白虎の攻撃は1枚のみで受けてもらうとしよう』


「あぁ、そうしてもらおうか」


  俺はそう言ってヒビが入っていた【聖域】を解除する。

  白虎はこちらを睨みながら吠えた。


『たとえ我を召喚した人間と言えども、我を愚弄したことは万死に値する!……この攻撃を受けて我を愚弄した事を後悔しながらあの世へ旅立つがよい!』


  白虎はそう言って、力を溜め始める。

  空気が震え、空からゴゴゴという音が響き始める。


『……まさか!おい白虎!その技は範囲攻撃のはずだ!召喚主の娘は攻撃しないという約束を破るつもりか!!』


『ハッ!そんなものはお主らが勝手に約束しただけであろう!我はそのような事を約束した覚えはないわ!!』


  朱雀が慌てて白虎を止めようとするが……白虎は鼻で嘲笑ってそれを無視する。

  ……まぁ、問題はないんだけどな。

  正直白虎が約束を守るとは考えていなかった。

  だから俺はレーナ達にかけてある【聖域】も展開し直してある。

  【悲哀】と【憤怒】、【魔法威力向上】で強化し、【魔法攻撃反射】を重ねがけした【聖域】だ。

  それを6枚展開してある。

  俺の展開している1枚を突破できない限り、レーナ達に危害が及ぶ心配はない。


「リーア……これ危険な感じじゃない?多分だけど……白虎の攻撃はわたしとレーナが放った【終焉の極光】より威力が高い気がする……」


「やっぱりレーナもそう思った?一応お兄ちゃんが【聖域】をかけ直していたみたいだけど……防いでくれる……よね?」


  レーナとリーアは不安そうに話し合っている。

  そんな中ルミアだけが1人落ち着いて俺と白虎を見つめている。

  ルミアは小声でレーナとリーアに話しかけた。


「お二人とも、大丈夫ですよ。今張ってある【聖域】は最初にかけてもらったときのものよりもかなり強力なものになっています。おそらく神霊魔法くらいなら耐えてくれるのではないかと」


「ルミアお姉さん、もしそうだとしたら【聖域】は神霊魔法級ってことにならない?」


「……旭さんは特別ですから」


  いや、そんな事を言われてもなぁ……。

  とりあえずルミア達には後でじっくりお話するとして、今は目の前の試練に集中しよう。

  そんな事を考えていたら、白虎の準備は終わったようだ。


『さぁ……これで終いだ!!【災厄ノ流星群(カラミティメテオ)】!!』


  空からありえない大きさの隕石が俺たちめがけて降り注いできた。

  荒野と化していた地面がさらに抉れていく。

  ただ……それをもってしても……俺達にダメージを与えることは叶わない。


「ハハハッ!そんなものなのかよ!そんなんじゃ俺を殺すことはできないぞ!」


『なんだ!?何が起こっている!?なぜ我の攻撃が跳ね返されているのだ!?』


  俺が張った【聖域】は【魔法攻撃反射】をかけてある。

  レーナ達に向かった隕石や俺の方に来た隕石は全て四神に反射されていく。


『おい、白虎!我らまで巻き添えにするつもりか!』


『う、うるさいぞ朱雀!こんなことになるなんて予想できるわけなかろうが!【災厄ノ流星群】だぞ!?【聖域】が魔法を反射するなんぞ聞いたことがないわ!』


『白虎!お主が約束を破るからこんなことになるのだろうが!』


  そんな事を言っている間にも隕石は四神めがけて襲いかかる。

 

『『『『……グ……!!グオォォォォ!!!』』』』


  白虎が放った【災厄ノ流星群】を受けて叫び声をあげる四神達。

  俺はうまく策が決まったことに気分を良くしていた。

 

「あーあ……。俺の仲間に手を出さない約束を守っていればこうはならなかったのに……」


「「「いや……それはないんじゃないかなぁ……」でしょうねぇ」


  俺のぽつりと呟いた言葉に、レーナとリーア、ルミアは断言する。

  まぁ、3人の言う通りなんだけど。


  流星群の攻撃が終わった後、四神達はいなくなっていた。

  どうやら白虎の攻撃で顕現限界を迎えたらしい。

  ……まだ第2の試練終わってないんですけど……。


  俺は四神が再び召喚され直すまで、レーナ達が持っているスマホを返してもらいにいくことにした。

  ……決して俺より画像フォルダに興味を示していたことに嫉妬したわけではない。


旭が今回創造した魔法は【攻撃反射を兼ね備えた聖域】です。

正直、禁忌魔法じゃないだろうと言いたくなりますが、旭はチートだから魔法すらもチートに変えてしまうみたいですね。

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