旭はウダルのギルドマスターに出会う
お待たせしました。
カクヨム様の方でも投稿を始めましたが、正直こっちだけでいいかなという感じです。
「ルミア君にSランク相当の冒険者が決闘場にいると聞いたが……これはどういうことなんだ!?」
……そういえばこの場所って決闘場って言う名前だったっけ……。
コロシアムに似ているからそう呼んでいたよ……じゃなくて。
いきなり叫び出したこのおっさんは誰なの?
ルミアが隣にいるから冒険者ギルド関係の人物だとは思うのだが……。
俺がそう考えていると、ルミアが俺の近くに寄ってきて説明してくれた。
「旭さん、報酬を受け取っても戻ってこられなかったので、依頼にあった情報をここのギルドマスターに渡しておりました。そしたら一目会いたいと仰ったのでお連れしたのですが……」
なるほど、ルミアの説明でダスクの冒険者ギルドに規格外な冒険者が現れたことを知ったウダルのギルドマスターが様子を見に来たと。
……で、いざ来てみたら俺はレーナとリーアとイチャイチャしていて、イケメン君パーティは泣きながら地面にうずくまっていたから異常だと思ったと。そういうことか。
「ルミア、特別依頼の[新たに登録された冒険者の情報]って俺のことだったんだな」
「えぇ、ダスクではBランクまでしか上がりませんでしたが、本来であればもっと上のランクでも問題ないはず。なので、さらなるランクアップの賛同を得るためにウダルの街への依頼を出したのです」
ルミアは胸を張ってそう宣言する。
……そこまで高ランクにする必要はないと思うんだが……今回のこともあるので昇格したほうがいいのだろう。
ルミアは、コロシアムで待機しているハイエンジェルとゼウスをみると何かに納得したかのように頷いた。
「あのイケメンとの勝負は無事に勝ったようですね。しかし、ゼウスまで召喚しているとは驚きました……。それほどまでに危険な状況だったのですか?」
「いや、このコロシアム……決闘場だったか?がある程度の傷しか癒せないって聞いたから、回復要員として呼んだんだよ。まぁ、結果的に俺もレーナ、リーア3人が本気を出す結果になったから、呼び出しておいて正解だったんだけどさ」
それを聞いたルミアは驚愕したような呆れたような表情を浮かべる。
「ゼウスを回復要員代わりに召喚ですか……。決闘場のステージがありえないことになっていることからも必然だったのでしょうけど……ところでこの地面がえぐれているような痕跡は旭さんが?」
「うんにゃ?あれをやったのはレーナとリーアだよ。2人が合同で【終焉の極光】っていう魔法を使ったら、あんな感じになった。俺が使ったのは【永遠の氷獄】っていう魔法だけど……あれは対象指定だからなぁ」
俺の説明にレーナとリーアは申し訳なさそうに俺に抱きついてくる。
……いや、怒ってないからね?
そう言う意味合いも込めて頭を撫でていると……ルミアが叫んだ。
「【終焉の極光】に【永遠の氷獄】……ですか!?どちらも神霊魔法って呼ばれている伝説の魔法じゃないですか!!」
……いや、たしかに驚くのはわかるよ?
俺だってレーナとリーアが禁忌魔法よりも上級の魔法を使えるなんて思ってもいなかったし。
ただ、ルミアの言葉を聞いて、レーナとリーアが不安そうにしているんだよなぁ。
「ルミアお姉さん……わたし達いけないことをやってしまったの……?」
「お兄ちゃんのためと思って2人で頑張ったんだけど……ダメだったのかな……?」
2人の言葉を聞いたルミアは慌てたように弁解をする。
「い、いえ!そうではありませんよ!だから泣かないでくださいっ。……私が言いたいのは旭さん達のランクはSランクでも物足りないのではないか……ということです。ウダルのギルドマスターもそう思うでしょう?」
ルミアはそう言って、1人叫んでいたウダルのギルドマスターらしき人物に意見を求める。
「……ん?あぁ、そうだな。少なくとも神霊魔法が使えてゼウスも従えている冒険者にSランクは不当な扱いだろう。というか、ダスクのギルマスはなんでBランクにしたんだか。無理をしてでも高ランクにするべきだろうに」
「私もその意見には賛成です。ただダスクにはAランクの冒険者……丹奈さんがいます。丹奈さんを気に入っているあのゴミギルドマスターからしたら、それ以上のランクにはしたくなかったのでしょう。全く気に食わないのですが……。あのゴミギルドマスターが動く前に自分から動いたほうがいいと思ったのですよ。あれに任せていたらいつまで経ってもランクが上がりませんから」
「確かにな……ルミア君の判断は正しいといえよう。……全く、丹奈のやつを気に入っているからといって他の優秀な冒険者のランクを上げないのはどうなんだ……」
ルミアとギルドマスターはダスクのギルドマスターの文句を言い合っている。
……いや、俺としてはBランクでも問題ないんですけど……。
しかし、そんなことを言える雰囲気ではないので黙っておく。
「さて、旭君と言ったか。最高ランクの昇格には幾つか条件がある。まず1つ目はパーティの総合能力。これはもう問題ないと思うが、一度3人の冒険者証を見せてもらってもいいか?」
ギルドマスターはそう言って、俺たちに冒険者証の提示をお願いしてくる。
まぁ、拒否する理由もないから渡すけどね。
俺はレーナとリーアから冒険者証を受け取ってギルドマスターに手渡す。
今回は更新しなくていいのは楽だな。
個人的にはレーナとリーアの能力値が見たかったんだが……また時間のあるときに【鑑定眼】で確認しておくとしよう。
「ほい、これでいいのか?」
「うむ……助かる。……予想はしていたが、この能力値は半端じゃないな。旭君の能力値は言わずもがなだが、レーナ君とリーア君もかなり高い能力値だな。これなら……SSランクを新たに作ったほうがいいかもしれん」
ありがとうと言って、冒険者証を俺たちに返してくるギルドマスター。
いやいや、最高ランクはSランクなんだろう?
なんでそこでSSランクを新たに作成するんだ……。
ちなみにレーナとリーアは当然だろうとばかりに頷いている。
イケメン君パーティは……話の内容が気になるのか聞き耳を立てているな。
君の顔を見ていると精神力削られるから早く帰ってください。
……もう一回死の淵を見せたほうがいいのだろうか?
「さて、能力は問題なし……と。次に必要なのが実績だな。まぁ、これも大丈夫だろう。ルミア君からきいたが、旭君はダマスクの組織を1日ちょっとで壊滅まで追い込んだらしいが……本当か?」
ダマスクかぁ……まだあの戦いからそんなに経っていないはずなのに懐かしく思えてくるな。
俺はレーナとリーアの頭を撫でながら答える。
「その情報で間違いない。リーアが仲間になった経緯もダマスク関連だからな。なぜかダマスクの組織は俺の組織になりつつあるが……」
「なんで壊滅させた組織が手に入るんだ……?ま、まぁいい。それに加えて精霊魔法禁忌級のゼウスと召喚魔法禁忌級のナーガを従えているということも踏まえて、実績も問題ないな」
……壊滅させた組織が俺のものになりつつあるんだが……そこら辺はダマスクの元部下に任せっきりなので俺に言われても困るのよね。
今度ダスクに行ったら状況確認してみるか……?
いや、丹奈がいるから行きたくないな。
召喚獣を増やしたら眷属に様子を見に行かせるとしよう。
ギルドマスターは俺がランクアップにふさわしいことがわかると、満足そうに頷いた。
「ルミア君の言ったように、能力、実績ともに問題ないな。【氷の女王】があれほどまでに推すのだから問題ないとは思ったが。さて、旭君。実は最後の条件がちょっと面倒でね。ランクを上げるためには最低でも2つ以上の街のギルドマスター及び、それと同等の権力を持つ冒険者ギルド関係者による許可が必要なんだ」
2つ以上の街のギルドマスターの許可か……。
ルミアが急いでランクを上げるためにウダルの街に来たのはわかったが……、ウダルのギルドマスターの許可だけじゃ足りないんじゃないか?
……ん?ギルドマスターと同等の権力を持つ冒険者ギルド関係者?
「まさか……ルミアがそのギルドマスターと同等の権力を持っているってことか……?」
「はい。私はダスクの街では裏のギルドマスターと呼ばれておりましたので。正直あのゴミギルドマスターよりも権力は上ですね。仕事もほとんどやっていたのは私ですし。しかし、今回はSランク以上の昇格ですので、すでに他の街へのギルドマスターからの賛同も得ています。なので、旭さんには事後報告となりますね。そこで聞き耳を立てている愚かな人間にもわからせるようにしないといけませんから」
ルミアはそう言って、自称イケメン君パーティを睨みつける。
おぉ……ルミアが氷のような視線をぶつけているよ……。
さすが【氷の女王】と言ったところか?
そんなルミアを見て、ギルドマスターが苦笑しながら話しかける。
「ルミア君、落ち着きたまえ。結果的に旭君をSSランクに認定できたのだから問題はないだろう?……とは言えども、実力差を見極められずに勝負を挑んだのはいただけないな。ミナト君のパーティはCランクからDランクへの降格と1ヶ月の謹慎を言い渡す。誰に喧嘩を売ったのかしっかりと理解した上で反省するといい」
ギルドマスターの言葉に力なくうな垂れるイケメン君。
ギルドマスターが彼の名前を言っていた気がするが、覚えたくもないので右から左に聞き流しておく。
……まぁ、冒険者失業にならなかっただけマシじゃないかな。
パーティメンバーと夜のハーレム生活を楽しめばいいと思う。
「さて、旭君。これから冒険者ギルドにてSSランク昇格の手続きを行いたいので、一緒に来てもらえるかな?レーナ君とリーア君も一緒に。ウダルの特産品をふんだんに使った美味しい料理も用意しよう」
「パパ!美味しい料理だって!ダスクにいたギルドマスターさんよりいい人そうだし、早く戻ろう!」
「レーナの言う通りだよ、お兄ちゃん。ウダルのギルドマスターは信用できそうだし、早く手続きをして料理を楽しもう?」
ギルドマスターの[ウダルの特産品をふんだんに使った料理]と言う言葉を聞いて、満面の笑みを浮かべるレーナとリーア。
ダスクのギルドマスターには辛辣だったが、ウダルのギルドマスターは信用できると判断したようだ。
俺への評価が高いからかもしれない。
……別にギルドマスターを信用したとしても、俺への愛は負けないから嫉妬したりはしない。
あぁ、嫉妬したりはしないとも。
そんなことを考えていたら、2人が蠱惑的な表情を浮かべる。
「パパ、安心して?わたし達の愛情は、今までもこれからもずっとパパだけのものだから」
「お兄ちゃん以外の男なんてどうでもいいわ。愛と信用は別物だから安心してね?」
……俺の考えていることは2人には筒抜けか。
俺は2人を抱き上げて、ギルドマスターの後を追いかける。
……これからもこの2人を愛していこう。
「……私も……と言おうと思いましたが……私はまだ冒険者ギルド側なんですよね……。休暇届じゃなくて辞表を叩きつけてくればよかったかしら……」
ルミアが後ろでブツブツ呟いていたが、俺はあえてスルーした。
……ルミアはすでに仲間みたいなところがあったからかもしれない。
おっと、その前にゼウス達を帰還させないとな。
「ゼウス、ハイエンジェル。今回はありがとう。レーナとリーアの本気を見ることができた。また次の機会があったらよろしくな」
「『今度はもっと眷属を増やしてください、主!我ら「私達」だけでは主達の攻撃の被害を食い止めるのが厳しいので!!』」
ゼウスとハイエンジェルはそう泣き叫んで帰還していった。
……ちょっと悪いことをしてしまったかもしれない。
ルミアとウダルのギルマスの策略でSSランクに昇格しました。
ダスクのギルマスは丹奈を可愛がっているから仕方ないね。
三連休は夜中かパート先でしか、執筆できないのが辛いです。




