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幼女エルフと始める異世界生活  作者: 朝倉翔
第2章
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旭が探知した敵は……

病院から帰った後、日々の疲れを癒すかのように眠っていたのですが、そのせいで眠れなくなってしまったという。

俺は【探知】に引っかかった敵を確認しに向かう。

動物系統だったら、夕飯の素材にするんだが……いや、魔物だと食べられるかわからないな。

まず【探知】に引っかかる時点で、動物じゃ無いだろう。

……はぁ、何はともあれ相手にはならないだろうから、サクッと終わらせるとするか。


「えっと……【探知】によるとこの辺なんだが……」


俺は辺りを見渡す。

見たところ周りには誰もいない。

……なんだ?空気がピリピリしている……?

ここで考えられるのは……


・近くには誰もいない。

・しかし【探知】には引っかかっている。

・空気がピリピリしている感じがする。

結論:相手は上級の斥候か盗賊?


よし、手加減は無用だな。

叡智さん叡智さん、光学迷彩を解除されてしまうような魔法って何かありますかね?


ーーーー[疑問を感知。ステルス機能を解除するだけなら【全魔法解除】、攻撃も加えるのなら【極光(ライトニングバルス)】でしょうか。……後者はあまりオススメはしません。地形が変わりますから]


……【極光】怖……!!

なに?ラ◯ュタのあのビームでもだすの?バルスとかついてるし……。

【極光】は余程のことがない限り封印しておこう。

まぁ、【聖域】もあるから問題はない……あれ?これ打ってもいいんじゃない?


ーーーー[旭、それだけはやめておきましょう。相手の正体がわからなくなります]


叡智さんからストップが入ったので、素直にやめておくことにする。


じゃあ、【全魔法解除】かけるとしますか。


「あー、おとなしく出てこないほうが悪いんだからな?【全魔法解除】」


俺の魔法が発動した途端に、隠れていた敵の正体が明らかになる。


「……っ!?どうして俺の姿が……!?」


隠れていた男は大いに戸惑っている。

まさか自分の隠形が破られるとは思っていなかったのだろう。

……というか、この男誰?


「あー。それで見たこともない男が俺たちのパーティに何の用だ?」


「……くそッ!バレちまったんなら仕方ねぇ!女どもを人質にしてでもあの人に情報を持ち帰らないと……!」


「いやいや、話を聞こうや……。というか俺の女に手を出すつもりか……?……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「ひっ……!?なんだ……なんなんだよ!この殺気は……!?俺たちよりランクが低いくせに!」


あぁ……今のでわかった。

こいつ丹奈のパーティメンバーだ。

自分からランクをばらしてどうする。

……あぁもう。なんか殺す気失せた。

とりあえず、デススネークを召喚して……。


「デススネーク、あの男を拘束しておいて。うるさいから……神経毒使っていいや。殺すなよ?」


「あ、はい。わかりました、主」


デススネークは呆気にとられながらも男の拘束にむかう。


「ひっ……!?なんだよ、この蛇……!でかすぎだろ……!……っっ!」


「主に迷惑かけるから静かにしてろよ……?」


男を拘束したデススネークを連れて、俺は馬車の方に戻っていく。

なんか本当に気力が削がれちゃったなぁ……。

丹奈のパーティメンバーならむやみに殺すわけにはいかないよなぁ……。

その後に起こる面倒ごとを考えると、殺すのは悪手にしかならない。


「旭さん、おかえりなさい……ってその男は……」


「パパ、【探知】に引っかかったのはこの男なの?なんでデススネークが拘束しているの?」


「レーナの言う通りね。お兄ちゃんが敵を生かして連れてくるなんて珍しい」


ルミアは男の存在に気がついたようだ。

レーナとルミアは俺が敵を殺してないことに驚いているようだ。

どんなイメージを持っているんだか……まぁ、そのイメージはあっているんだけど。

俺は3人に状況を説明する。


「あー……実はだな。この男が丹奈のパーティメンバーらしくてな……。あいつのパーティメンバーを殺すと後々面倒なことになるから連れて帰ってきたんだ」


「旭さんのその行動は正しいと思います。丹奈さんは旭さんと同じでパーティメンバーを大事にしていますからね。……それにしてもダスクを出たのは3日前なのにもう追いつかれるとは……。これはギルドマスターから旭さんの情報が丹奈さんに漏れていると考えていいでしょう」


やはりそうなってくるか……。

冬◯ミ行っている間に、俺の情報を得た丹奈は急いで斥候を出した。それで今日追いついた……ということか?


「パパ……この男ってパパの元カノのパーティメンバーなんだよね……?なんかイケメンなのが妙にイラっとくるし……ねぇ、()()()()()()


レーナの目からハイライトが消えている。

【狂愛】のオーラを全開にして、男を今すぐに殺さんとばかりに睨んでいる。

レーナに睨まれている男は神経毒のせいで喋ることはできないが、その眼は死の恐怖に怯えている。

それにしてもヤンデレ全開のレーナに対して、リーアは落ち着いているな。

俺に対する暴言がないからだろうか?


「よしよし、俺のために障害を排除してくれるのは嬉しいけど、落ち着こうな?」


「うぅ……パパぁ……」


「あー!!レーナばかりずるい!!お兄ちゃん、私も抱きしめて!!」


俺はそう言ってレーナを抱きしめる。

抱きしめられたレーナは、【狂愛】のオーラを即時に落ち着かせる。

それを見たリーアが【嫉妬】のオーラを全開にする。

その溢れ出たオーラは全て丹奈の男(恋人かどうかは知らん)に注がれる。


「…………ッッ!?!?」


あ、男が耐えきれずに漏らした。

汚いからレーナとリーアを抱き上げたまま、男から距離を取る。


「主……後で【眷属強化】してくださいね……?男の失禁を浴びるなんて最大の屈辱なので……」


男の失禁をモロに喰らったデススネークが声を震わせて、そんなことをリクエストしてくる。

……できるかはわからないけど、強化については善処するとしよう。


「……そろそろいいでしょうか?旭さん、この丹奈さんのパーティメンバーはどうしますか?このまま返すのは相手にさらなる情報を与えてしまうことになりますが……」


ルミアが少し呆れたように話しかけてきた。

場が落ち着くまで空気が読めるのはさすがと言ったところだろうか?


「ん?あぁ、大丈夫だ。この男どうするかなぁ……記憶を消して送り返すか?そうすれば時間も稼げるんじゃないかと思うんだが」


「それはいい案だと思いますが……そんな魔法があるのですか?」


「そこは【叡智のサポート】頼りかなぁ……。俺にしか聞こえないけど本当に頼りになるのよ……叡智さん」


ーーーー[お褒めに預かり光栄です。さて、記憶を消す魔法ですが……シンプルに【対象記憶消去】でいいかと。後は、戻った時に違和感を与えないために【精神操作(マインドコントロール)】で情報操作をしておいたほうがいいかもしれません]


叡智さんさすが叡智。

今回もピンポイントでいい案を出してくれる。

俺は叡智さんから頂いた情報をルミアと共有する。


「ルミア、叡智さんによると【対象記憶消去】と【精神操作】を使って、丹奈に送り返すのがいいらしい」


「……普通にエグい対応ですね……。見てください、あの男の表情。この世の絶望を詰め込んだ顔をしていますよ……。レーナさん、リーアさん。あからさまに喜ばないでください。男のHPがガンガン減っている気がしますので」


ルミアは遠い目をしてレーナとリーアを窘めている。

……ルミアの言う通り、レーナとリーアは俺の腕で喜びを全開にしている。

どこか嘲笑っている気がするが……まぁ、そんな所も可愛いので許すとしよう。


俺はデススネークに拘束されている男に対して話しかける。


「……というわけで、お前には俺たちに出会った記憶を消して、丹奈の元に送り返す。まぁ、情報操作で俺への誤情報を与えるけどな。よかったな?生きて帰れるぞ?……次に仕掛けてきたときは容赦しないけど」


「……ッ!?」


「じゃあな。俺たちと出会った記憶を……【対象記憶消去】。そして【精神操作】。……俺達はウダルの街にはいなかった。この情報を全速力で丹奈に届けろ。デススネーク、もう拘束解除してもいいぞ。強化の件については……後日という事で」


「かしこまりました。主……強化の件、本当に頼みます……」


デススネークが拘束を解除した途端、男は目に光をなくしたまま、全速力でダスクの街の方へ駆けて行った。

……っていうか、足速!?

そりゃあんなに速ければ追いつけるわなぁ……。

丹奈のパーティメンバーを甘く見ていた。

さすがはAランク冒険者なだけはある。


「旭さん。丹奈さんのパーティメンバーが追いついてきたとなると、急いでウダルに向かったほうがいいかもしれません。誤情報を与えているとはいえ、このまま引き下がるとは思えませんから」


「ルミアお姉さんの言う通りだと思う。パパ、出発の準備はできているから今すぐ出よう」


レーナとルミアが早々の出発を提案してくる。

確かに2人の言う通りだと思う。

俺はウッドテーブルなどを消失させ、ゴーレム馬車にむかう。


「じゃあ、さっさとウダルに行くとするか。依頼を報告したら、居場所がバレないような宿を探さないとな」


「お兄ちゃん、そんな宿あったらみんな使ってると思うけど……。早くここを出るのは賛成。またあんな男がきたら面倒だし……」


リーアが心底嫌そうな顔をして、俺の提案に賛成する。

レーナもそうだけど、イケメンに対して嫌な思い出でもあるのか?

そういえば丹奈のやつも「顔がイケメンの男は性格がクズだ!」とか言っていたなぁ。

その割にはイケメンを侍らせているようだったけど。


そんなどうでもいい事を考えながら、俺はゴーレム馬車を起動する。

ウダルの街までは残り1日といったところか?

俺はウダルの街にお昼前に着くように調整して、御者席に座り込んだ。


新たな街まで後少しだ。

次の街でのんびりしたいところだが……多分無理だろうなぁ……。

そんな変な予感を感じながら、馬車を走らせるのであった。

遂に旭の元カノが動き出しました。

と言っても、すぐに追い返されていますが。

今後どのような行動をとってくるのか……そこら辺の描写もできればいいなぁと考えています。


ちなみに今回はおがりやさん(ポケモン実況動画を上げておられるグレイシアの入で有名な方です)の未視聴動画を視聴しながら書き上げました。

宇宙戦艦ニンフィアのクオリティに感動……!

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