旭が異世界で体験するクリスマス
なんとかクリスマス当日に投稿ができました……。
特別編の予定でしたが、ダマスクの戦闘後の内容となっています。
ダマスクの組織を壊滅させた俺たちは、後始末を連絡の男とこちらに寝返った男達に押し付け、ダスクの街中を歩いていた。
レーナに言われてスマホを渡そうとした時に、あることに気づいた。
本日は元の世界で言うクリスマス、12月25日だったのである。
日付感覚は[アマリス]でも同じなので、異世界でもクリスマスらしいのだが……。
街の様子は普段と変わらない。
俺は隣を歩いているレーナに質問する。
「なぁ、レーナ。この世界にはクリスマスの概念はないのか?」
「くりすます……?あぁ、昔の勇者様が『クリスマスはリア充が爆発する日なので、異世界でもクリぼっちで過ごすのはお断りだ!』と叫んでいた記録があるらしいけど……」
「昔の勇者は異世界に来てまで何を叫んでいるんだ……」
「お兄ちゃん、クリスマスって何をするの?」
クリスマスに興味を持ったのか、リーアが俺に聞いてくる。
リーアはダマスクの屋敷に乗り込んだ際に、ダマスクの奴隷として扱われていた。
ダマスクを殺した後に、レーナとの言い争い?の末、俺たちの仲間になった。
最初は旭様と呼んでいたのだが、本人の希望もあってお兄ちゃんと呼ばれることに。
身長は150cmほど。歳は11歳で銀の長髪に褐色の肌、赤眼の持ち主である。
リーアはダークエルフと呼ばれる種族であり、前衛向きのステータスをしている。
ダマスクのところにいた頃は前髪を前におろして顔を隠していたが、今はその綺麗な目を晒している。
俺はリーアの疑問に苦笑しながら答える。
「クリスマスか……俺もほとんどクリスマスらしいことをしたことがないからなんとも言えないんだが……。ケーキを食べたり、サンタさんがプレゼントを持って来てくれたりする日だな」
「「ケーキ!?」」
おぉう、サンタじゃなくてケーキに反応したか。
いや、サンタを知らないだけかもしれない。
「パパ!ケーキを食べてもいいの!?」
「私……ケーキなんて死ぬまで食べられないと思ってた……」
2人ともケーキを食べたことがないのかな?
俺の世界ではどれだけケーキの予約を取るかで戦争になったものだが……。
「ダマスクの件も終わったことだし、せっかくだからケーキ買っていくか?そんなに高いものでもないと思うし」
「パパ……ケーキ買ってくれるの!?やったね、リーア!」
「えぇ、レーナ!今日は最高に幸せな日だね!」
そこまで喜んでくれるなんてな。
俺も無性に嬉しくなる。
「じゃあ、ケーキ売っているところに行こうか。……その前にリーアの服装をどうにかしないとな」
「私にも服を買ってくれるの!?ありがとう、お兄ちゃん!」
そう、リーアの服装はダマスクの奴隷の時にきていたなんとも寒そうな服だけなのである。
なんか、レーナの時にも同じことを考えていた気がする。
もちろん、リーアには俺の上着を着せているぞ?
その時のやりとりもレーナの時と全く同じだったので、ここでは割愛させていただきたい。
俺たちはレーナの服を買いに行った服飾屋に向かうことにした。
服飾屋についた俺たちは、早速リーアの服を選ぼうと思ったのだが……。
入った瞬間に、サンタ服が目に入った。
「……クリスマスの概念がないのに、なんでサンタ服はあるんだよ……。しかもミニスカサンタか」
クリスマスの概念がないのは、先ほどレーナに確認済みだったので、ないと思っていたのだが……。
この服飾屋はそういうコスプレにも力を入れているらしい。
「あ、この間のお客さん!……1人増えているのが気になりますが、いらっしゃいませ。今日限定の服がどうかしましたか?」
「いや、この世界にはクリスマスはないと思っていたのですが……。ここはそういった服も置いているのですか?」
「あぁ、そのことですね。このお店は初代勇者様に懇意にしてもらった経歴がありまして。その時にいろんな服装を教えてもらったらしいんですよ。なんでもこういった服を来てする情事は最高に興奮するものらしいです」
「情事……情事ね……」
初代勇者は確実に俺と同じ時代から来ているな。
異世界転移はその時によって飛ばされる時代が違うらしい。
まぁ、最初から元の世界のコスプレを製作するよりは楽でいいのだが。
ただ、それを着て夜の営みをするという言葉は大声で言わないで欲しかったな。
それを聞いて目の色を変える義娘と義妹がいるのだから……。
「サンタ服……その服を着てしたら……パパはいつもよりも激しくしてくれる……?」
「特別な日に……お兄ちゃんが喜ぶ服を着て……私の初めてを……!」
……ほら、2人の獣が発情し始めた。
店員さんもしてやったりな顔をしないでくれませんかねぇ?
「パパ、試着してくるから!後でちゃんと感想聞かせて!」
「お兄ちゃん、私も試着してくるっ。楽しみにしててね!」
2人はそう言って、ミニスカサンタの服を持って競うように、試着室に駆け込んでいく。
俺はそんな2人を見送った後、レーナのワンピースに似た洋服を探すことにした。
リーアにもレーナと同じようなワンピースを着せようと思ったからだ。
ついでに、「童貞を殺す服」も購入しておく。
2人は姉妹みたいなので、2人して「童貞を殺す服」を着てこられたら、理性なんて容易く崩壊してしまうだろう。
「パパ!着替え終わったよ!見て見て!」
最初に着替え終わったのはレーナだ。
レーナはその場でくるりとターンをして、俺にミニスカサンタ姿を見せてくる。
身長が低いため、子供がコスプレをしているような微笑ましい気分になる。
金髪碧眼の幼女エルフによるミニスカサンタ姿……尊い……。
……が、チラリと見えた下着はなんと黒のTバックだった。
いつの間にそんなアダルトな下着を買ったんだ?
幼い見た目とのギャップに俺の下半身にダイレクトダメージが入る。
「あっ……。えへへ……パパが私をみて興奮してくれてる……!」
「ま、まぁ……似合っているからな。でも、その下着は外ではつけるなよ?他の男には見られたくない」
「大丈夫!このパンツは勝負下着だから!」
「いや……そういうわけではなく……」
レーナはそう高らかに宣言して、俺に抱きついてくる。
似合っていると言われて、嬉しくなったようだ。
……俺は店員さんからの視線が痛いので、非常に居づらい。
「お兄ちゃん……!私も着替え終わったよ……!」
レーナのお披露目が終わった瞬間に、リーアからも声がかかる。
あの2人、事前に打ち合わせをしていたな?
「お兄ちゃん……ど、どうかなぁ?」
リーアが試着室からでてくる。
「…………ッ!?」
俺は思わず目を見開いてしまった。
リーアが来ていたのはなんと一回りサイズが大きいミニスカサンタ服だった。
もちろんサイズが合っていないので、服はずり落ちている。
褐色肌に光る赤いサンタ服。
肩は露出しており、少しでも動いたらピンクの頂きが全部見えてしまうのではないかと思ってしまうほどに、危うい。
スカートは片方がひざ下までさがっている……って、リーアは下着を履いていないのか!?
そんな格好で外を出歩かせていたとは……俺もダマスクのこと言えないじゃないかよ……。
「お兄ちゃん、どうしたの?似合ってなかった……?」
リーアが涙目で問いかけてくる。
「いや、褐色肌にサンタ服が似合っているが……なんでサイズの大きい服を?」
「お兄ちゃんを誘惑できるかなぁって……」
なにこの可愛い生き物……!
……抑えろ……ここは店の中だ。こんなところで愛の営みを行うわけにはいかない……!
しかもリーアは処女だ。
それも考慮して理性を総動員させるんだ……旭!
俺が理性と欲情の狭間で奮闘していると、レーナから抗議が上がる。
「り、リーア!ここお店の中だよ!?パパを誘惑したらダメだってば!」
「な、何よ!レーナだって勝負下着とか大声で叫んでいたじゃん!それと同じよ!」
「ぜっんぜん違うから!わたしはサイズの合っている服を着ているから!」
「でもでも……!お兄ちゃんに褒めてもらいたかったんだもん……」
「その気持ちは痛いほどわかるけど……場所はわきまえようよ……」
「うぅ……年下のレーナに諭されるなんて……」
……ん?いつのまにかレーナがリーアの近くに近づいている。
どうやら道徳的なことを教えているようだ。
……どうやら理性が勝利したようだな。
少し落ち着いてきた。
それを見計らって、店員が俺のもとにやってくる。
「それでお客様、あの二着の購入はどうされますか?先ほどの服も含めて、金貨10枚になりますが」
ミニスカサンタ服高すぎないか?
まぁ、それくらいの枚数を払う価値はあるので、値引きはせずに支払いを行う。
「では、両方ともサイズの合った服をお願いします」
「前にも思いましたが、値引きしない思い切りのいいお客様は感じがいいですね。毎度ありがとうございます、またのご利用を心からお待ちしております」
……まぁ、いい服が多いし、ここのお店は今後とも贔屓していこう。
俺たちは服飾屋の外に出て、ケーキを食べるために街中を歩いていく。
リーアは現在、レーナの緑のワンピースと色違いの水色のワンピースを着ている。
直感で水色を選んだが、リーアは喜んでくれた。
両手にロリの状態で街中を歩いているため、かなり目立つのだが、冒険者ギルドの一件で有名になったのか特に何も言われない。
レーナとリーアはお互いに楽しそうにこれから食べるケーキの話をしている。
美味しいケーキを食べさせないとな。
ーーーーと思ったのだが、カフェのケーキの値段が金貨2枚を超えていたので、近くのお店でショートケーキをワンホール分購入して温泉宿に戻ることにした。
しかしなんであんなにケーキが高いんだ?
砂糖が貴重なのか?
しかし、レーナとリーアはショートケーキでも嬉しいのか、満面の笑みで歩いている。
「パパ!ケーキ楽しみ!早く温泉宿に戻って食べよう?」
温泉宿についてチェックインをする。
受付の人にリーアの分のお金を支払い、部屋に向かう。
部屋についた途端に、レーナとリーアはワーッと机の前に走っていき、ケーキを頬張り始めた。
なんかリスみたいで可愛い。
俺はダマスク戦での疲れもあったため、そっと家族風呂の方に向かう。
疲れた時はやっぱり温泉だよね。
のんびり温泉に浸かっていると、レーナとリーアの声が聞こえてきた。
「あー!リーア、パパがいつのまにか1人でお風呂に入ってるよ!私たちも一緒に入りたいのに!」
「ケーキに夢中だったから全然気がつかなかった……。レーナ今から突入しましょう!」
おかしいな。もうそんなに時間が経っていたのか……。
ーーーーって、ちょっと待て!
レーナとは一緒にお風呂に入ったりしたが、リーアも加わるのか!?
それは余計にまずいんじゃないのか!?
そんな俺の内心とは裏腹に、一瞬で生まれた姿になった2人は浴室に乱入してくる。
「ケーキ食べ終わって姿が見えないと思ったら……!パパ、いくら疲れているからってわたしたちをのけ者にするのはダメなんだよ!?」
「そうだよ!私はお兄ちゃんに全てを捧げるつもりで、この宿に入ったのに!レーナからも許可はもらってるから遠慮はいらないわ!」
俺の知らないところで幼女と少女による同盟が結ばれていたらしい。
レーナのヤンデレ設定はどうした。
「もう……!パパには罰ゲームを受けてもらわないと……!」
「そうね……。私たちをないがしろにした罰を受けてもらわないとね……!」
「リーア、私たちの体を使ってパパの体を洗うっていうのはどう?」
「それはいいね……!全身くまなく綺麗にしないとね!」
俺が困惑している間に、レーナとリーアがやたらと艶のある声で俺に迫ってきている。
ダブルロリによるソーププレイとか……やばすぎるだろ!
俺は逃げないといけないのに、体はそれを望んでいるのか息子は戦闘態勢だ。
俺の下半身を見たレーナは嬉しそうにこう告げた。
「リーア、パパもやる気十分みたいだから、このまま襲っちゃおう。パパ、覚悟しててね?わたし達が満足するまで寝かさないから」
「お兄ちゃん……私は初めてだから……優しくしてね……?」
「いや、それ男が言うセリフ……!ちょっ……ダメだって……!今日はもう疲れたから眠いんだって……!だ、誰かたすk……」
浴室に俺のアッーーー!という叫び声が木霊する。
防音完備なので、助けは来ない。
というよりも、助けに来られたら別の意味で終わる。
そうして俺が宿泊している部屋の中では、朝まで俺の悲鳴と2人の女性の嬌声が延々と響き渡るのであった……。
……今年のクリスマスは幸せだが、朝まで色々と搾り取られることになりそうだ……。
レーナの時もこんなオチだったなぁと思いつつ、読み返してました。
性的描写を強くしたら、ノクターンに行かないといけなくなるので、今のレベルで様子見です。
ちなみに私はクリスマスイブもクリスマスも仕事オンリーでした。
でも、彼女はもういらない