二話
僕の名前は、田中 連太郎。
デブで低身長なごくごく普通の人見知りだ。
中学の頃から友達はいなく、一人でいつも過ごしていた。
しかし、高校に入ってから僕の平穏は崩れる。
いじめが始まったのだ。
いじめのグループがあり、
「轟 英治」、「速水 碇谷」、「田井中 千里」の三人。
それから、僕の机は常に落書きだられ。
上靴や教科書などは捨てられていた。
おまけに昼休みや放課後は、リンチにあったり、理不尽なドッキリに付き合わされていた。
毎日が精神がすり減っていった。
耐えきれなくなり、先生や家族に相談したが、誰も信じてくれず嘆いていた。
あの人に会うまでは。
それから、僕はあの人に誓った。
自分の力であいつらに逆襲すると。
そして、場面は現在に戻る。
僕は、あの後猛ダッシュで家へと帰った。
玄関の扉を強くしめ、安心して一息つく。
全身に夥しい程の汗をかき、膝はガクガクと笑っていた。おぼつかない足取りでリビングに向かった。
お茶をコップに注ぎ、ソファに腰かけ再び息をつく。緊張していた全身を預けてしばし休憩を取る事にした。
いつの間にか、寝ていたみたいだ。
窓を開けると外はすっかり真っ暗だった。
ふと携帯を覗くと、ラインが大量に来ていた。
ラインを開き、確認する。既読がつくと厄介なのでアイフォンの裏技使いながら器用に見た。
そこには、「明日、覚えておけよ。」とか「田井中泣かせてどうなるか分かってるよな?」とか「田中くんさいってー!」とか予想通りな事が書かれていた。
しかし、予想外な事が1つあった。
「無名」と名乗られたアカウントに友達追加されていた。
送られたメッセージは、
「明日、朝5時に音楽室に来て。」
の一言だった。
多分、あいつらの罠だろう。
僕は、改めて気合いを入れ、作戦を考える。
日が昇り、翌日。
メッセージ通り、5時ぴったりに音楽室に着いた。
そこには、一人の女子がいた。
「おはよ、待ってたよ田中くん。」
「何の用ですか?」
「全く、女子にお呼ばれしたのに何の用はないでしょ?」
「また、なんかの嫌がらせなんでしょう?」
「違う違う、そんなんじゃないよ。」
「じゃなんでこんな時間よんだんだ?柚木 希。」
そこには、同じクラスメイトの柚木 希がいた。