学校の怪談
裂け目は、生臭い息を吐き、赤い斑点が美しく闇に溶け白黒の世界に場違いに映る。
それは僕らを見てる。それは沈黙を破るように音を立てこちらへ向かってくる。
僕がもう逃げようというと、彼女はかぶりを振る。
「もう無理、逃げられない。どこへ行ったってもう無理なの。」
彼女、咲野楓はもう眠ってしまいたいかのよう、疲労感をあらわにしている。
もうすぐ僕らは死ぬ。
僕も、うすうすは気づいた。きっともう、あのときから結末は変わることはなかったのだろう......。
「...い...おい、陽!」
「ん・・・梁澤・・先輩?」
「お前また先輩つけ忘れたよなあ?まあいい。部活早く来いよ」
そうだった。僕は新聞部だった。なんと6限目の古典教師、田畑の睡眠術は強烈なものか・・・。
「おーーーーい!」
「は、はい!」
新聞部長、梁澤徹の機嫌を損ねぬよう早く向かわねば・・・。
夕暮れに照らされた紅蓮色の渡り廊下を放課後のチャイムに歩幅を合わせゆっくりと歩く。
さて今日はいったい何について与太話をするだろうか。また変な企画を思いつかなければいいのだが・・・。
僕は一つため息をすると少し薄汚れたドアノブに手をかけた。
「山瀬せんぱーーいっっ!」
大声にひるみドアノブを離したところでドアと小さな影が僕にみぞおちに
叩き込まれる。
「うげ!」
「遅いじゃないですか!」
小さな影、僕の一つ年下であり紅一点、南かなた。先輩と同じく僕の苦手な相手だ。
つまり僕はこの部活が嫌いなのだ・・・。
「さあ先輩、中に入ってください」
「うーい」
部室の中は愛着を感じられない無機質な部屋がさらに僕の気分を下げた。
「お、やっと来たか」
「来ないと怒るじゃないですか」
「ん?なんか行ったかあ?」
「い、いえ何も・・・」
「さあさあ先輩方、来月の新聞は何を題材にしますか?」
「うっ・・・」
まさかしょっぱなからその話題を振るのか・・・。
「先月は河童探しで山に行きましたからー、んー今回はどこ行きますー?」
「大自然を冒険したしなー大都会とか行きたいな!」
「大都会・・・下水・・・下水道のワニなんてどうですか!?」
「いいな!俺生でワニ見たことないんだよ!!」
「じゃ、決定ですねっ!」
おいおいお前らは9年の義務教育を終えて受験して入ってきて高校生か・・・
あと何で大都会から下水に繋がんだよ!
「ちょっと先輩聞いてます?」
「あ、ああ聞いてるぞ」
「じゃ、次の土日東京な」
「はい!」
「ちょ、ちょっと待て」
東京って言ったらここからだと生き返りで時間と金がけっこうかかるぞ・・・。
それに少なくても祝日が丸一日つぶれるぞ・・・。
「なんだよ、なんかほかに面白いとこがあんのか?」
え、えーと考えろ、考えろ。すぐ調査が終わって金もかからずこいつらも興味を示すところ・・・。
「よ、夜の学校とか・・・は?」
「「・・・・・・」」
ど、どうなんだ・・・?
「「それだ!!」」
「盲点でした!確かに定番ですね」
「夜の学校もなかなかおもしろそうだしな!」
「じゃ、今日の夜12時に学校な!」
え・・・。
「善は急げです早速帰って準備しましょう」
ええ・・・。
「よし!じゃあ解散!!」
「ちょっと待って下さい!今日って早くないですか?」
「なにいってんですかっ?」
「そうだぞ善は急げだ」
ええええ・・・。
「来ないとまたぶっ飛ばすからな!」
「わかりましたよ・・・」
「ではでは解散っ!」
今から約6時間後僕は一人の少女と出会う。
そして、約6時間後最初の終わりへの選択を迫られるとはまだ僕は知らなかった・・・・・・。
つづく
暇なので書きました。駄文ですが初めて書いたもので許して下さい。。
高校に通っているもので続きはいつになるかわかりませんが・・・。