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宙魔戦記  作者: いかのてんぷら
第三章 腐敗
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理想

カナタは街の人達から話を聞きスリッガーの居場所を突き止める。教会のような場所のドアを二人は開け入る 


「もう遅い時間ですよ…早めに寝ては?それとも今すぐ僕に用が?」 


月明かりがステンドグラス越しに部屋を明るく彩る。建物内にあるたった一つの椅子に深々とすわり一冊の本を読んでいたスリッガーにカナタは問いかける 

 

「貴方に聞きたいことがあります」 


「俺に?」 


「この国の人間は本当に生きているんですか?」 


スリッガーは二人を睨みながら言い放つ 


「黙れ」 


二人は空気が変わったのを感じ、身構える 


「この国に何があったのかを俺はまだ詳しくは知らないけど、この国にいた人は誰も貴方を責めないはずです!キノッキダケなんてもうやめてください!」 

 

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れッ!!!!!!」 

 

スリッガーは立ち上がり本を投げ、椅子を蹴り飛ばす  


「私がこの国に居ながら次々と殺されていった彼らが僕を許すはずがない!!何より俺がそんな事許さない…」 


「落ち着いてスリッガーさん…私達は貴方を責めているわけじゃない」 


「そうです…よそ者ですが、心配なんですよ」 


「───────私は元々孤児でした…そんな俺をこの国にいた人は救ってくれた。魔法使いだったからかもしれないけれど僕は嬉しかった…だから俺は助けなくちゃいけなかった守らなくちゃいけなかった。だがあの炎は全部を俺から全部を奪った!!」 


炎!?まさかリョウマか?ならこの人は俺と同じく魂のステージを上げるために大切な人を国を…


「終わった後にこんな力を手にした所で意味がない…だから僕は私だけの理想郷マボロシを作ったんだ…俺の幻魂イマジナリーソウルは俺以外にしか適応しないから……なのになのにせっかく後少しで理想郷アッチに行けたのにそれを…それをッ!!!!」 


「邪魔したんだッ!!!!」 

 

「だから」 


スリッガーの悲痛な叫びが何重にも重なったように聞こえる 

なんだこれ…スリッガーさんから声がたくさん…キノッキダケの影響で新たに生まれた二つの人格の声が幻魂イマジナリーソウルを通じて頭に流れてきてるのか? 


「落ち着いてスリッガーさんッ!!」 


「ここには敵は居ないよ!!」 


「あははっ………魂に魔力が刻まれたんだって…私。ならさコレを飲んだらどうなるんだろうね」 


スリッガーは懐から一つのフラスコを取り出す 


まさか…魔力消滅薬?一時期魔物討伐のために作られたと言われる液体。完成はしたもののリスクやコストを考え凍結された実験の遺物! 


「スリッガーさんやめてッ!!」 


まずい!あれは人が使うことを想定していない。もしあれを人が使えば、本来消えないはずの魔力が消え体はそれを再び得ようと魔力に適した肉体へと作り変わる。その結果薬の効果を塗り潰し人では耐えられない魔力を得てしまい暴走する! 

  

「君たちも連れていってあげるよ」 

  

「僕の」 


「私の」 

 

「俺達の理想郷ニチジョウニッ!!!」 


スリッガーはフラスコの蓋を外し魔力消滅薬を一気に飲み干す 

 

「フミナ…逃げて二人を起こしてきて」 


「え?」


「早くッ!!」 


数秒の沈黙の後、スリッガーの体はグニャリと変形を始める。肌の色も濃い紫に変色し、どんどん魔物に近い容姿になる。それに伴い国中の建物が本来の姿へ変わっていく。美しかった国もスリッガーの幻魂イマジナリーソウルの力が無ければ元に戻っていく 


建物が…スリッガーの、幻魂イマジナリーソウルの効果が消えたからか 


意識を保てなくなったスリッガーは叫びながら触手を振り回し二人をふきとばそうとする 


「危ないッ!!」 


間一髪カナタはフミナを抱きしめ宙へ跳び回避する 


「ねぇ…カナタあれ…あのヘドロみたいなの本当にスリッガーさんなの?あれじゃまるで魔物じゃない」   


「───────あれは魔物だ…スリッガーなんていなかったんだよ…最初から全部魔物の作り出した物なんだ」 


カナタ……そんな顔しても説得力ないよ…


フミナは察し、何も言わなかった

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