蛸焼
カナタは朝から図書館に入り浸り、本を読み漁っていた
「おはようっカナタ!」
フミナはカナタに朝食の時間がそろそろだと告げ、二人は図書館を後にし城へと歩き始めた。街を歩けばいろいろな場所から挨拶が飛び交う。太陽の光が水を通してガラスのドーム内に差し込むそんな美しい朝だ
「カナタって嫌いな物とかある?」
「嫌い…とはまた違うけど、味覚がないから食感が気持ち悪いやつ以外は食べるよ」
「そう言えば味覚無かったね」
「忘れてたの?」
フミナは思い出した様にカナタに聞く
「そう言えば前にタコの魔物が来た時すごい嬉しそうにしていたけど、タコは好きなの?」
カナタは思い出を優しく語った
「兄貴が初めて作ってくれたのがたこ焼きなんだ…まぁ今じゃ味わかんないし、トロトロしてるから嫌いなんだけど、あの時はなんだか食べたくてさ」
「そっか……そしたらいつか私がカナタの思い出になれる様なご飯を作ってあげるね」
カナタは数秒の沈黙の後に笑いながら言う
「楽しみにしとくね」
フミナは笑いながら任せてと言い切り、二人は城の中へと入っていった
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朝食を済ませたカナタとフミナは再び図書館へ訪れていた。カナタは何かを探している訳でもなく、とにかく情報を頭に入れようとしているようだ
「よくそんなに本読めるよね。私なんか1ページ目でリタイアだよ」
「知識は力なりだぜ?リョウマに勝てたのも知識のおかげ…ピンチを打開するには知恵が必要って訳」
カナタはそう言うと、恐竜の骨格まで記された本を閉じ棚にしまう
「そっかぁ〜そしたら私も何が読んでみようかなぁ」
カナタは棚から医療について書かれた本を手に取り言う
「フミナじゃ読んでも頭に入らないから、読むだけ無駄だよ〜」
フミナはカナタの言葉に言い返す
「私でも読める本を読むんですー」
フミナはそう言い、料理の本を手に取る
「前に言ったでしょ?思い出になる料理を待ってなさい」
自信満々に言い放つフミナにカナタは言う
「俺は味覚ないんだから普通の料理じゃ感動しないかもなー」
本当は何が来ようと思い出になるが、カナタは強がりそう言った
「まぁまぁ…私には考えがあるの」
ニコニコしながら語るフミナにカナタは楽しみに待つのだった




