謎の少女
「よしっ……着いたよここがコヤリ集落だよ」
カナタは自身が生まれ育った集落を紹介する。ガラクタで作られたバリケードの中に約1キロほどの空間があり木材で作られた民家が10軒ほどある小さな集落。皆に囲まれながらカナタ達はバリケードの中へ入っていく。その足で医者の元まで歩き怪我の状態を聞いた
「う〜ん」
「じいちゃん…そんなにフミナの足悪いのか?」
「いやこのてぇどの傷なら薬草がありゃなんとかなるんだが…その薬草がちょうど切らしててなちょうどいいカナタ薬草を取って来てくれんかいつもの丘に生えてる」
「ヤハタクザキリソウでしょ?」
「そうじゃ頼んだぞ」
「そゆことだフミナ待っててな!」
「分かった…なるべく早く帰って来てね。足かなり痛いから」
「ガッハッハ!!カナタ、ダッシュで行ってこい!」
カナタはダッシュで森へと駆け出していった
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すっかり暗くなってしまったがカナタは無事例の丘に着き、薬草を探していると木が大きく揺れるほどの強風が吹き、思わずカナタは地面に倒れてしまう
「風強いな……あっ!」
倒れた場所に運良くヤハタクザキリソウが生えており、カナタは何枚か摘むと立ち上がり村の方へ歩き始めるその時木の横に人影が見える。
風で揺れる白髪。吸い込まれるかの様な美しい真っ白い肌。ビー玉の様に透き通った水色の瞳。カーテンの様なダボっとした服で体型までは分かりにくいが、数少ない情報でも分かる引き締まった体に思わず息を吸うことすら忘れてしまう。正しく女神の様な存在にカナタの心は奪われていた。彼女の雪の様に美しい腕がどこかを指差すカナタはその方角へ顔を向けたその瞬間、カナタの頭の中が真っ白になる。
「は?なんだ?あの火…だってあの場所は…コヤリ集落が……」
カナタは無我夢中で走った。一刻も早く皆の無事を確認したかったから。今はただの火事であることを祈る事しかできない自分に嫌気が差しながら、とにかく走った
ドンッ!!
魔力で強化した脚力で森の上を跳ぶ。近づけば近づくほどだんだん大きくなる悲鳴と、濃くなる魔力にただ事ではないと焦りが募る
「みんなッ!!」
数時間前まで笑顔で出迎えてくれていた人が魔物に食べられる様をまざまざと見せつけられたカナタの感情は一色に染まる
「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
硬く握られた拳からはポタポタと血が流れ始めた




