記憶
カナタは意識が遠のき、命の終わりを感じるが容易くは死ねなかった
これは走馬灯か… 今回は…
「ここはあなたが”初めて死んだ場所”」
カナタは驚き振り返るとそこには以前丘で出会った白髪の少女がいた
聞いたことない言語…外国語か?言葉は分からないが意味は頭にすらすらと入ってくる……
「なんで君がここに…」
「人が死ぬ時に走馬灯を見るのは、迫り来る死から逃れる方法を探すからなんだよ…」
そう言われカナタは走馬灯をよりまじまじと見る。第三者目線から見る自身の記憶……”兄に崖から落とされた”記憶。それと同時に”初めて魔力を…魔法を使って兄を殺した”記憶
初めて人を殺したのもこの時だったな… だが今更こんな記憶を見てもどうしようもない気が
「えっ」
当時は兄に落とされた衝撃により気付かなかったが、冷静に、第三者目線になって初めて気づいた。兄の横に”誰かが居た”ことを
「誰だコイツ…俺は知らない…コイツは殺してない」
白髪の少女は見てよかったねとでもいいたげな表情を浮かべる
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「こ…この傷では今から縫ったところで…」
医者は運ばれてきたカナタの体を見てそう呟くがカスミが出来ないとは言わせないと言い、医者達はカナタの裂かれた胸部を縫い始める
カナタ…私のせいで…
フミナはカスミと共に治療室の前で座り込んでいた…自身のせいでカナタを犠牲にしてしまうと
「あのフミナ様…その”足の包帯”はどこか怪我をされて」
瞬間フミナの脳裏に蘇る記憶。
「──────薬草…そう薬草よ!!ねぇカスミ、カナタの持ち物どこに置いた!?」
フミナはカナタの持ち物を漁り一冊の本とヤハタクザキリソウを取り出しカスミに見せ、自身の体験を語る
「それは……医者達にも話してきます!!」
内容を聞いたカスミはすぐさま走り出した。話を聞き、医者達はすぐさま二手に分かれる。本には正確な分量と工程が丁寧に綴られており、道具も揃っていたことにより想像より早く処置は完成し、使われたが怪我の範囲が大きすぎたのか効き目は薄く目を覚ますことはなかった
「他のページの物を作るぞ」
「もしそれが機能しなければどうする。それにオーバードーズの可能性も否定できない。もう時間がない…他のものを作ってからではもう通常の治療は出来なくなる!それなら通常の」
「いや…別の…そうこの本で最も回復すると書いている《回復ポーション》を作りましょう」
医者達の話し合いにフミナは割って入る。続けてカスミも意見を言う
「あの魔物はカナタとの戦闘を望んでいる。通常治療では夜明けまであと4時間しか無いのに完治は出来ないだろう?」
話し合いを終えた医者達はすぐさま《回復ポーション》の制作を開始した




