episode6
今日は待ちに待った校外学習だ。
毎度おなじみ第三者である。
さて、読者の方々には前回の八神達の様子を思い出してほしい。
慌てふためく八神と、大荷物の古屋だ。
集合は7時半、バスに間に合うのだろうか。
「行ってきまーす。」
先に家を出たのは八神のほうだ。
「行ってきまーす。」
おっと古屋も家を出たようだ。
この様子だと八神のほうが集合場所につくのが早そうだ。
「あれ?ちょっと待って?あ!」
「レジャーシート忘れたぁぁあぁぁ!!!!」
忘れ物をしたようだ。
「まって、お弁当、忘れた...」
これは終了のお知らせだな。
一度家に帰るしかない、そう、普通は帰るのだ、
八神のぶっ飛びっぷりを見誤ってはいけない。
「お弁当なくてもダイエットって考えたらいっか!ラッキー!」
家には頑なに帰らない、そんな八神であった。
「あ、」
ドテン、、
「カバン重いからすぐこけちゃう、、」
と目的地までまだまだあるのにも関わらず
こけすぎて膝が血だらけの古屋である。
「ふー、やっと着いたー」
二人が同時に集合場所についたようだ。
「え?古屋、何でそんな大荷物なの?てか、血だらけじゃん。」
「だって忘れ物したら怖いじゃん。」
「膝、絆創膏貼っとくよ。」
「ありがとーん♡」
忘れ物を何とも思っていない八神と
忘れ物を恐れている、しかしけがは恐れない古屋ではやはり
性格がまったくもって違うということがよくわかる。
「あ!そう、私レジャーシートとお弁当忘れたの。予備持ってる?」
レジャーシートの予備はあってもお弁当の予備はないだろ。
そう思った読者の方々よ、ノンノン、古屋を甘く見てはいけない。
「レジャーシートとお弁当ね、はい、貸してあげるよ。」
「え、お弁当も持ってんの?あ、ありがとう。」
「予備の予備の予備まであるよ!要る?」
「ごめん、そんなに要らないかも。」
「そっかぁ...」
少し驚いているが助かった八神であった。
バスに乗れたかって?余裕で間に合っている。
何故なら二人とも集合場所に30分前についているためだ。
用意周到だ。見習わなければならないな。
「わー大阪ー!空気がき、きれい?だー!」
「わー椛せんせー!いつもと同じく綺麗だー!」
「古屋ぁ、椛先生はずっとバスの中にいたでしょう?」
「今日も相変わらず太ももが美しい。」
「きっも。」
大阪に着いてもまだお花畑は健在だ。
「結局どこ行くんだっけ、八神、ねぇ」
「天守閣だっけ、四天王寺だっけ。」
「どっちがどっち?」
「私がわかると思う?!」
「おい!二人ともケンカすんなって!」
班員の一人が言う。
「ケンカじゃない!!」
二人が口をそろえて言う。まさにシンクロ。
とこのありさまである。
班員もこのやり取りのスピードについていくのは難しそうだ。
「んで、行くのは四天王寺じゃなくて天守閣だぞ。」
班員の一人が言う。
「あ、そうなの?」
「俺もわかんなかった。」
「天守閣ってどこ?ていうか何?」
「天守閣は大阪城のこと!もぉ!!」
お前ら調べたんじゃねえのかよ、と班員は呆れかえっている。
「調べてないやつがなんでわかるんだよ。」
二人が言う。
いや、それな。
まぁ何とかこの後迷いながらも天守閣へ行き、
1日を無事に終えたようで、
「疲れたー」
と口々に言う班員を横目に
バスの中で爆睡していた、二人であった。
「zzz...」
「zzz...」
「”zzz...”って言いながら寝てる人初めて見たぞ、、」
「疲れてんだろ。静かにしておこうよ。」
「いや、でも”zzz...”はびっくりするだろ。」
班員は”zzz...”ペアを黙って見守ることになったのであった。
二人にとって濃い1日となった校外学習だが、
文字量を考えると薄っぺらい内容である。
え?メタい?ごめんなさい。
さて、話は変わるが、
まだまだ続くであろうこの物語に
伏線が張られていることをご存じだろうか。
気づくまでもない小さな伏線である。
読者は気づいているのだろうか。
ふふふ、反応がとても楽しみだ。
また次の話で会うとしよう。
必ずだぞ。
それでは失礼する。