episode2
さて、前回ぶりだな。
私が誰かって?さぁわからない。
先日も登場させられました、無名の第三者だ。
優等生ぶりたい八神と古屋のお話をしていきたいと思う。
八神の第一印象は「真面目」
きっちり結まれた髪の毛、しかし童顔。
身長はクラス平均よりやや低めの153cm。
本人は「足長いけど胴短いから。」と誤魔化している。
古屋の第一印象は「クール透かしイケメン」
綺麗な二重瞼に長いまつげ、ただし身長は155cmと低め。
「これから伸びるんだよ!」と言っている。
兄は180cmだそう。本当に伸びる保証はどこにもないが。
「賢そうだなこの人。」
八神から古屋への偏見である。
しかし、彼女らの会話の内容を盗み聞きしてみよう。
「椛先生ってかわいいよね。」
八神が問いかけている。
「わかる。えろい。」
「えっ、えろい...?」
「うん。えろい。」
「か、可愛いじゃなくて?」
「かわいいのは前提。えろい。いいにおいする。」
「きもちわる...」
このように古屋は、所謂「お花畑」思考をしている。
「勉強教えてもらってるときとかえぐい。」
「下心丸出しで教えてもらってるでしょ。」
「そんなわけないだろ。しっかり教えてもらってるよ。」
「いや、貴方教えてもらうようなことないでしょ。」
「まぁね。」
「おい...近くで教えてもらって匂いスンスン嗅いでんでしょ。」
「なんでわかんだよ。」
「図星だったのちょっとやだ。」
流石の八神も引いている。
ただのお年頃男児ということもわかる。
椛先生は新任の数学教師だそう。
「俺あやねと付き合ってるから。」
「え、きっしょ。」
椛あやね先生と付き合っている妄想をしている、
気持ちの悪い副委員長、それが
古屋遥希である。
「次のクラス何組がいい?」
古屋が問う。
「絶対3組。」
なぜか、それは
椛先生の担任クラスが3組であるためだ。
「貴方は大岸確定でーす。」
「またかー。でもありそう。」
「顧問だもんな。」
「じゃあ古屋は敬之だろ。」
「うわぁあるかも、まぁな俺とあやね付き合ってるからクラス離されるかもな。」
「妄想やめれ。キモイ。」
とまぁ、止まらないキャラ崩壊。
「運動音痴そう」
古屋から八神への偏見である。
しかし、とある体育の時間をのぞいてみよう。
おっとこれは持久走だ。
「八神ーがんばれー」
応援されている。そんな八神、10分で何キロ走るのだろうか。
「あれ、八神だよな?男子と一緒に走ってない?」
男子は女子より5分早くスタートするはずだ。
結局八神は男子先頭の後ろを走ってゴール。
走った距離はなんと3キロ。
女子の平均は大体1.5キロが目安だ。
とこのようなゴリラっぷりを見せている。
しかしこの八神璃奈運動部に入れば即レギュラー確定にも関わらず、
吹奏楽部に所属している。
彼女曰く
「音楽のほうが楽しい」
そうだ。
古屋から八神への偏見はまだまだある。
あからさまに他人に興味のない八神とは大違いだ。
「陰キャみたい。」
この時代そのような差別はいかがなものかと思うが、
今は不問としよう。
否、八神璃奈は陰キャではない。
ギャルである。
見た感じそのような様子ではないが、
よく見ると髪の毛は茶色、一つに結われたポニーテールは
先がカールしている。
「髪の毛が茶色い?地毛だわ。」
そう、地毛なのである。
茶色いのではと問いかけた古屋もまた髪が茶色いのであった。
他にも、級友からは「横顔がギャル」「しゃべり方がギャル」
と散々な言われようである。
実際授業中小声で
「まぢむりなにこれ、」
と英語をにらみつけながら言っているのである。
が、食べ方、しぐさ、いざという時の言葉遣いは
とてもきれいなのである。
古屋も然り、お口は少々悪い所があるが、
食べ方、しぐさ、姿勢などは、
八神に引けを取らず美しいのである。
二人とも育ちの良さは健在である。
この二人、先生からの評価は絶大で、
校外学習の班別活動でもいろいろなことを任される。
「結局一人でやらなきゃいけないんかい。」
と内心二人とも思っている。メンバーが問題ありらしい。
先生からの評価もよければ、生徒からの評価もよいのだ。
「やさしい。」「頼れる。」などみんなの心の拠り所になっているようだ。
二人とも
「人任せにすんなよー」
と思っているということはみんなには内緒にしておこう。
今回も長くなりすぎてしまったな。
二人の人間性がわかってきたところだが
ここで終わるとしよう。
こんな個性的な委員がいていいのだろうか。
では次のお話で会うとしよう。